日本人が考えるべき憲法改正

私は北朝鮮主導で朝鮮半島が統一される前に憲法を改正すべきだと考えます。第3章で述べたように、北主導での統一朝鮮の出現は日本の安全保障にとって重大な脅威になります。

北朝鮮による日本人拉致問題が発覚したことで、日本国民の意識はかなり変わったと思います。横田めぐみさんなど、多くの同胞が工作員によって拉致されていたという事実は、平和ボケした日本国民にとって強い衝撃でした。

現在、北朝鮮が繰り返しているミサイル発射や、韓国における文在寅政権の成立も同様ではないでしょうか。その意味で、朝鮮半島情勢は憲法改正を実現するための最大の推進力になります。

今後、30代以下の世代にどれだけ憲法改正の必要性を訴えることができるか、という点がキーになるでしょう。トランプ政権は長期的に見て在韓米軍撤退の方向へ進むはずです。朝鮮半島の先端まで北朝鮮がやってきます。日本の防衛の在り方日本人自身が考えなくてはならない段階に来ています。

もし北朝鮮主導で朝鮮半島が統一されれば、竹島や釜山にミサイルが設置され、対馬も危なくなります。そうした事態を視野に入れて、憲法改正に向けた議論を実行すべきです。3月の自民党大会における安倍首相の発言は、議論のためのたたき台として提示されたものにすぎません。

2017年9月1日発行藤井厳喜・宮崎正弘著『韓国は日米に見捨てられ、北朝鮮と中国はジリ貧』第6章　北朝鮮有事と日本の対応（政治・軍事・経済）ーP222