トランプのやろうとしていること-前編-

前述のように、2016(平成28)年の大統領選挙で明らかになったことは、共和党と民主党という二大政党制はフィクションであり、一つのエスタブリッシュメントに支配されたものだったということです。

共和党支持者の中にはトランプが大統領になるくらいなら、ヒラリーを支持すると表明した人々がいたことは記憶に新しいと思います。結局のところ、共和党も民主党もエリートが適当に棲み分けていただけであり、庶民のことは考えていないわけです。

トランプは大統領選の際、フォアゴットン・ピープル(忘れられた人々)のために政治をやると宣言しました。ニューヨーク州やカリフォルニア州といった人口の多い選挙区でなく、発展から取り残された中西部の選挙区を重視して戦いました。従来は軽視されていた地域の人々の支持を得て大統領になるというのが、トランプの考えだったわけです。

2017年9月1日発行
藤井厳喜・宮崎正弘著『韓国は日米に見捨てられ、北朝鮮と中国はジリ貧』
第２章　アメリカの大変貌ーP89