経済 2018/04/13

IS壊滅作戦で一致する米露の国益 - 後編




ここで、米露関係について整理しておくと、IS壊滅によって石油価格の安定を図りたい点で両国の国益は一致しています。


現在、世界で流行しているアヘンの7割近く(一説によると9割)はアフガンスタンで栽培されており、ISを介して最終消費地である欧州とアメリカへ密輸されています。


アヘンの流入は米露両国でも深刻な問題になっており、両国にとってIS壊滅作戦はテロ根絶、石油価格の安定に加え、アヘン流入の防止につながる意味があります。


こうした観点から考えると、アヘン密売や人身売買によって戦費調達を図っているISの実態は宗教テロリストというよりもドラッグマフィア集団であると言えます。


今、トランプ政権は本格的にこのIS壊滅作戦に取り組んでいるわけです。


そもそもオバマ政権の中東政策は大失敗でした。オバマ・クリントン外交は中東の民主化を支援する姿勢を示していましたが、チュニジア、エジプト、リビアで起きた「アラブの春」は単にアナーキーを広めただけでした。


オバマやクリントンのようなリベラル左派と無国籍企業は、国境の否定(ボーダーレス化)と国家の解体を志向する点で結び付いています。


私はこうしたイデオロギーが現在の世界の混乱に拍車をかけていると認識しています。


2017年9月1日発行藤井厳喜・宮崎正弘著『韓国は日米に見捨てられ、北朝鮮と中国はジリ貧』第4章 世界の大変貌 中国、EU、ロシア、そして極東ーP146








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