社長の仕事術 2018/07/15

セールスはパフォーマンスの時代


From:ダン・ケネディ

最近、シドニー・ビドル・バローズの数々の資料、特に「高級コールガール」向けの「養成クラス」について調べてみました。私は販売やセールスプレゼンテーションを、一種のパフォーマンスと捉えていたことを改めて思い出しましたよ。販売とはそのパフォーマンスを披露することなんですよね。そして、私が忘れがちなのは、シドニーや私と同じような考えをほとんどの販売員は持っていないということですよ。

私たちが言う販売とは台本の執筆、リハーサルや演習、細部へのこだわり、パフォーマンスそのものにかけるプライドなど、多くの実践方法に言い換えることができます。思い付きで何の戦略も立てずに語ったり、出たとこ勝負だったり、古い手法で何の演出もせずに売るのとは対照的な姿勢ですよ。アーニー・ケスラーはすでに亡くなりましたが素晴らしい講演者、かつ皆の手本となる販売員であり、プレゼンテーションも完璧に演出していましたね。(Platform Selling Boot Camp(販売力強化キャンプ)ではロン・ルグランと私と共に講演もしました。)彼は毎回同じフレーズの、同じタイミングで水を一口飲むのですよ。そして、私も常に演出を念頭に置きセールスを行ってきました。

あなたが販売する立場ならば、対面方式や電話でのセールス、また舞台からの演出を加えることは非常に大きな意味を持ちますよ。セールス・パフォーマンスのトップに君臨する者とそうでない者の違いは顕著なのに、プロに徹したパフォーマンスを目指して手腕を磨く者はほとんどいませんよね。その消極的な態度こそが、あなたが到達できる成功の程度を暗に示しているんですよ。かつて共に仕事をし、多くを学ばせてもらった素晴らしい講演者の1人であるビル・ゴヴは、こんな言葉を聴衆に投げかけていました。「君たちは自分がプロだと自信を持って言えるかい?」私から言わせると、大多数の人々はその点において本当に努力不足だと思いますよ。

「『その場に姿を現すこと』で50%は成功したも同然である」というのは、ウディ・アレンの良く知られた名言ですね。非常に多くの人はそこで止まってしまいますが、もし彼らが真のプロとして人前に立つことができるのならば、残り50%の成功も勝ち取ることが可能ですよ。用心深い準備を怠らず、訓練を重ねて全力で取り組むのです。ほかの追随を許さないパフォーマンスを顧客に届けるべく、あらゆる方法で最高を目指し、誰も成し得ないような突出した成功を勝ち取りましょう。

先のスーパー・カンファレンスで登壇したニド・キューベインとトム・ホプキンスは巧みな技を持った、誰もが認めるプロの講演者ですね。しかし、あなたはなぜ自身の手掛ける分野で卓越したプロフェッショナルになろうとしないのでしょう?ビジネス全体が有能なプロにより運営されているさまを想像してみて下さい。

訓練されたセールストークや磨かれたスキルを持つ真のプロと呼べる電話オペレーターや販売員、車に荷物を積みこむサービス・スタッフなどが存在したらどんなに良いでしょうか。どんな職種に就く人でも自分の仕事を「パフォーマンス・アート」と捉えて行動するのです。ビジネスがこのような人たちによって運営されれば、広告費への投資はほんの少し、または全く使わなくても利用者の熱のこもった口コミなどによって巨大な利益を得ることが可能になりますよ。

あなた自身とそのビジネスに関わるすべての人がプロに徹すること、それが爆発的な利益を生むための最適な近道といえるでしょう。


-ダン・ケネディ


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