「ソーダ戦争」でブルームバーグがシュワルツコフから学ぶべき教訓
From:ダン・ケネディ
以前ニューヨーク市長だったマイケル・ブルームバーグが特大サイズのソフトドリンクを禁止する法案をだしましたが、この「ソーダ戦争」に関する議論は加熱する一方でしたね…
ブルームバーグはレストランやフードカート、およびスタジアムや映画館などの娯楽施設で販売されるソフトドリンクを16オンス(約473cc)以下に規制しようとしたのです。
何百万ドル(何億円)ものお金が、この禁止措置に対する賛否両論の宣伝につぎ込まれましたよ。
ニューヨーク市は32オンス(946cc)のソーダカップの実物サイズと、その横に26包もの砂糖が並べてあるフルページの広告を出しました。ファストフード店や映画館でよく見かけるカップサイズのものですね。
そこに添えられたメッセージには、「あなたの子供は今26包分の砂糖を摂取しましたよ」と書かれていました。
そして、糖分の多い飲み物には肥満、2型糖尿病、心臓病を引き起こす可能性があるという警告メッセージもついてましたね。
別の広告にはファミリーレストランのカウンターで男の人が砂糖を口に流し込んでいるイラストが掲載され、ソーダを飲むとそれと同じことが起こっているのだと示唆していました。
ソフトドリンク産業、飲食店主、ファストフード産業、ニューヨーカーたち、メディア…すべての人々がこの議論に反応を示しましたが、皆が好意的なわけではなかったと付け加えておきましょう。
ライバル同士のコカ・コーラとペプシコーラがドクターペッパー・スナップル・グループと協力し、名誉挽回を図るためにニューヨークの地下鉄に広告を出しました。そこには4人の配達員がそれぞれの台車にペプシ、コーラ、サニーデライト(オレンジドリンク)、ドクターペッパーを乗せて運んでいるのですが、バラエティ豊かな種類があることを強調しているのは明らかでしたね。そこに書かれたメッセージは以下の通りですよ。
「より多くの選択肢、より小さいサイズ、より少ないカロリー」
(ソフトドリンク産業におけるこの3大企業は米国飲料協会と組んで擁護団体を作り、キャンペーン反対への働きかけや広告宣伝のために7000万ドル(70億円)近くも使いました。彼らの収益にはほんの少しの影響を与えただけでしたがね。)
ニューヨークの地方テレビ局が行った世論調査によると53%は禁止に反対、42%は賛成、そして半数以上がそのような法案が成立しても肥満を減らすことには効果がないと思っていました。
ブルームバーグの「ソーダ戦争」は、私がシュワルツコフ陸軍大将とある講演会に顔を出したときのことを思い出させましたよ。
ピーター・ロウのGet Motivated(モチベーションを持とう)セミナーの楽屋で、私とシュワルツコフ陸軍大将が交わした会話が私のお気に入りなんですよ。湾岸戦争で指揮を取ったことがどのようにして現在彼が得ている高いスピーチフィーや膨大な需要、出版契約など、非常に個人的な利益をもたらす結果になったのかについて私は彼にこう尋ねましたよ。
あなたとコリン・パウエルがこの結果を生み出すためにおこなった最も利口で、機転の利いたことは何だったと思いますか。
彼はこう答えましたね。「自分たちが勝てる戦争を選んだことです」
私がコンサルティングをおこなう際によくあることなのですが、クライアントに会ってみると彼らはすでにどこでマーケティングをおこない、どこにお金をかけ、私にどんなマーケティング手法を使ってほしいのかという計画を持っています。
90%の確率でクライアントは私に何かをするように頼んできます。例えば、広告宣伝キャンペーンやラジオ広告などいろいろありますが、実はそれらはお金をかけるのに最適な場所ではないのですよ。
50%の確率で私には失敗するとわかっている、あるいは大した結果を生まないようなキャンペーンを、クライアントはやってほしいと頼んでくるのです。
しかし、私は彼らが最大の勝利を得られると確信が持てるキャンペーンから始めたいと思っているので、依頼を承諾する前にまず診断プロセスをおこなうことにしています。
私は誰がこの「ソーダ戦争」に勝つかはわかりませんでしたが、あなたが自分のビジネスでマーケティングに関する決断を下すのなら、次のようなアドバイスがありますよ。
あなたに最大の勝利をもたらすとわかっているキャンペーンをおこなう。
そして、未知の領域に100%足を踏み入れる前に勝算があるのかどうかを小さい市場でテストしてみるのです。勝負の行方がわからないのに高額の費用がかかる宣伝戦争に巻き込まれる前にですよ。
-ダン・ケネディ
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