手が背中から生えている文章
From:藤岡将貴
手が背中から生えている文章?どういうこと??あなたはそう思ったことでしょう。その意味は、このあとすぐにわかります。その話をするために、今日は、僕が最近、ある新人のメンバーのメール文をレビューしたときの話をしようと思います。
というのも、おそらく、この彼のような文章の書き方をしてしまっている人は、少なからずいると思うんですね。だから、きっと、あなたや、あなたの会社のメンバーが、メール文など、ちょっとした文章書くときにも役に立つと思ったからなんです。
じゃあ、その新人の彼のメール文はどんな文章だったかと言うと、一言で言えば、流れが一本通っていない、そんな感じだったんです。セールスライティングの世界では"ロジカルチェーン"と言ったりしますが、流れが一本通っている文章は、1つ1つの文章がチェーン(鎖)で繋がっている感じなんです。AだからB。BだからC。CだからD。という感じに。そんな文章を読んでいると、「はい、はい、はい」と、なんのストレスもなくスラスラと読み進めていくことができます。
でも、その彼の文章は、そんなふうにスムーズに繋がっていかなかったんです。最初の文章が「はい」となっても、そのあと、次の文章で「ん?」となってしまう。なぜ、この文章の次に、このことを言うのか?繋がっていなくて、ちょっとズレたことを言ってしまっている。なんか唐突感がある。順番が逆な感じがする。具体的な例でお見せできないので伝わりづらいかもしれませんが、そんな感じだったんです。
なぜ、そんな文章になってしまっているのか?
その原因は、すぐになんとなくわかったんです。というのも、その彼が最初に見せて来たものが、つらつらと書かれた文章だったから。セールスライティングでいうところの"ストーリーボード"がなく、1行目からつらつらと書いていった感じ。要するに、文章の「骨格」がなかったんですね。
骨格というとわかりづらいかもしれませんが、例えるなら、下書きのない絵のようなものでしょうか?例えば、画家の人が人物画を書く時って、まず最初に鉛筆でざっくりした骨格を書いていきますよね?輪郭を描いて、目、鼻、口といったパーツを配置して。で、一通りパーツを揃えて骨格が出来上がったところで、そこから、細い描写をしたり、色を塗っていったりすると思うんです。その書き方なら、骨格の時点できちんとした人間が描けていれば、最終的にきちんとした人物画が完成するはずです。
でも、その彼の文章は、同じ人物画を書き始めても、最終的に、足が3本になったり、頭と体のバランスがおかしかったり、手が背中から生えていたり。言うなればそんな文章になってしまっていたんですね(わかりやすく例えようと思い、こんな表現をしましたが、彼の名誉のために、実際はそこまでおかしくはありませんでした笑)。
その彼に僕がしたアドバイスとは?
だから、僕は、彼にこんなアドバイスをしたんです。いきなり文章をつらつらと書き始めるんじゃなくて、まずは、最初に言いたいことを1行で表現する。で、それを矢印で繋げて、次に言いたいことをまた1行で表現する。そんなふうに繋げていって、すべての1行が矢印で論理的に繋がるようにする。その流れが最後まで出来てから、それぞれの1行を肉付けしていこう。と。
これをやると、書いてる最中に流れがおかしくなることはなくなります。「こんなことを後で書こう」と思っていたのに、書いてる最中に忘れてしまう…そんなこともなくなります。1行目から書き始めて、時間を書けて何百文字も書いたのに、結局、話が繋がらないからボツ…もう一度、一から別のアイデアを考える…なんて時間の無駄もなくなります。
僕はメルマガを書くようになって、ある時点から、このやり方を毎回するようになりました。だいたい、通勤途中でアイデアを考えることが多いんですが、iPhoneのメモを開いて、思いついたことを1行ずつの文章で、矢印で繋げて書いてみるんです。それで、最後まで流れが通ったらOK。繋がらなかったらNG。もう一度別のアイデアでやり直し。この時点でNGだったとしても、たいして時間はかかっていないので、時間のロスは最小限で済みます。めでたくOKの流れができたら、それをマックに送って、あとはPagesで、矢印で繋がっている1行を、それぞれ詳細に肉付けしていく。そんな感じです。
この方法をやるようになってから、メルマガを書いてる途中で流れがおかしい感じがして…悩んで、こっちを直したり、あっちを直したり…最終的にどうにもならないから、もう一度やり直し…ここまでの2時間が無駄になった…そんなことはなくなりました(実は、それ以前はそんなことが結構ありました笑)。ほとんど文章を書き直すことがなくなりましたし、完成させるまでの時間を短縮できるようになりました。もし、あなたも、そんな経験があったのなら、、、あるいは、会社のスタッフでそんな文章を書いてしまっている人がいるのなら、、、ぜひ試してみてくださいね。
-藤岡将貴
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