20年ぶり金メダルの秘密


From:藤岡将貴

先月の話になりますが、インドネシアで開催されていたアジア大会の陸上男子400mリレーで、日本チームが金メダルを取りました。20年ぶりの金メダルだそうです。陸上の短距離といえば、昨年、桐生選手が9秒98を出して、日本人として初めて10秒の壁を破りました。他にも、9秒台が狙えそうな選手が何人かいて、このアジア大会でも、100mで山県選手が9秒997(公式記録10秒00)を出して、実質9秒台に入りました。

そんな、今上り調子の日本短距離界なので、400mリレーも注目して見ていました。結果は、2位インドネシアに0秒61の差をつけての金メダル。0秒61と言われてもピンときませんが、このゴールシーンを見ていただくと、結構な差がついていますよね。ぶっちぎりと言ってもいいでしょう。


でも、今回、金メダルを取ったとはいえ、それはアジア大会での話。オリンピックや世界陸上の話じゃないでしょ?と思われるかもしれません。多くの人にとって、陸上の短距離と言えば、アメリカやジャマイカの選手を思い出される方が多いのではないでしょうか?今でしたら、ジャマイカのウサイン・ボルト選手とか(昨年引退して、今はオーストラリアでプロサッカー選手になってますがw)。僕が若い頃は、なんといっても、アメリカのカール・ルイスですね!(カール・ルイスは、1984年のロサンゼルス・オリンピックで、100m、200m、走り幅跳、男子400mリレーの4種目にエントリーして、全種目で金メダルを獲得したスーパースターです!)

でも、ご存知ない方もいるかと思いますが、日本の400mリレーは、世界陸上やオリンピックでもメダルをとったことがあるんです。しかも最近。2016年のリオデジャネイロ・オリンピックで銀メダル、2017年のロンドンの世界陸上で銅メダルを取っているんです。実は、日本の400mリレーは今、世界トップ3に入る強豪国なんですね。

400mリレーは、4人の選手が100mを走る競技。じゃあ、日本人で100mでメダルを取った人がいるかというと、これまでに1人もいません。決勝に進んだ人も、過去に1人だけ。1932年の第10回ロサンゼルス・オリンピックまで遡ります。9秒台も桐生選手の1人だけ。しかも、9秒台を記録したのは、昨年9月の1回だけ。ボルト選手やアメリカの選手のようにコンスタントに出しているわけではありません。

Wikipediaによると、これまでに9秒台を記録したことのある人は、世界中で136人。2名以上いる国はアメリカの55名が最多で、全部で14カ国。それだけ見ると、なぜ、日本が400mリレーで銀メダルや銅メダルを取れるのか?不思議に思いますよね?その秘密は、、、


バトンパス


にあるんです。以前、テレビで見たことありますが、日本チームは、バトンの受け渡し時のロスを減らすために、それまでの上からバトンを渡す方法ではなく(僕らも小学生や中学生の頃にリレーでやっていたのは、上から渡すやり方でしたよね?)、下から渡す「アンダーハンドパス」という方法を取るようにしました。

日本はバトンパスの手法を変えて、その技術を極めることで、世界トップ3に入ることができたんです。普通、リレーでどうしたら勝てるか?と考えたら、いかに個々の選手の100mのタイムを速くするか?を考えると思うんです。そして、タイムがもっともいい4人を集めると思うんです。でも、日本は違いました。もちろん個々のメンバーのタイムは重要ですが、それよりも、バトンパスを徹底的に磨いたんです。そしてメンバー選考でも、走力よりもバトンパスのスキルを重視しています。実際、2017年の世界陸上の200mで7位入賞した、ガーナ国籍の父をもつサニブラウン選手は、練習でバトンを受け取ることができずに、結局、リレーのメンバーに入ることはできませんでした。

でも、他の国は、日本ほどバトンパスを重視していません。というか、どちらかというと弱点。ジャマイカなどは、バトンを受け取るまでは慎重な走りで、バトンを受け取ったら全力で走る、といった感じ。その証拠に、オリンピックや世界陸上で結構バトンパスのミスを見かけますが、日本以外の国ばかり。日本チームがバトンパスでミスしたのは、たぶん、ほとんどないと思います。


すでに”90点”の100mのタイムを縮めることではなく、”50点”のバトンパスを改善した日本チーム


日本はバトンパスを磨いた結果、100mのタイムで劣るアメリカやジャマイカに対して、パトンパスで1秒以上もタイムを縮めています。じゃあ、リレーの4人の100mのタイムを合計1秒以上縮められるか?といったら、たぶん無理。ひとりあたり0コンマ25秒。10秒25の人が9秒台を出す、ということ。これは、かなり厳しいでしょう。事実、日本ではこれまでに10秒0台を記録した人が11人もいるのに、桐生選手以外は10秒の壁を破れずにいます。そこで、日本チームは走力ではなく、パトンパスに着目して強化したわけです。

もちろん、バトンパスも繰り返しの練習が必要なのは言うまでもないですが、それでも、100mのタイムを全員が9秒台にもっていくことよりは、たぶんはるかに楽ですよね?バトンパスは、"渡す方法を上から下に変える"という大きな改善の余地があったわけです。言うなれば、100mのタイムが”90点"なら、それに比べたらバトンパスはまだ”50点"とか、その程度。つまり、すでに”90点”の100mのタイムを縮めることではなく、”50点”のバトンパスを改善した方が、大きな成果が得られる。同じ時間と労力をかけるなら、”90点”の走力にかけるよりも、”50点”のバトンパスにかけた方が大きな成果が得られる。というわけです。

これ、実は、リレーだけじゃなくて、ダイレクト・レスポンス・マーケティング(DRM)でも同じことが言えるんです。DRMは「リード(見込客数) x CVR(成約率) x LTV(ライフタイムバリュ)」の掛け算でできています。このトータルの成果がビジネス全体の売上となります。で、このトータルの成果をもっとも大きくする方法はなにか?わかりますか?それは、、、


一番弱いところを改善すること


です。この表を見てください。


例えば、リード、CVR、LTVで8点、4点、8点。合計「256点」というスコアが出ていたとします。ここで、8点のLTVを1点改善して9点にしたとします。そうすると、、、


トータルのスコアが8×4×9=「288点」になります。ですが、今度は、一番スコアが低いCVRを1点改善したとします。そうすると、、、


8×5×8で「320点」になります。つまり、同じ1点の改善でも、一番弱いところを改善した方が全体の成果が大きくなる、というわけです。そして、もちろん、同じ1点の改善でも、8点→9点にするよりも、4点→5点にする方が、だいぶ簡単でしょう。(学生の頃を思い出してください。90点の英語の点数を100点にするよりも、ほとんど勉強していない40点の歴史の点数を50点にする方が、はるかに楽ですよね?ちゃんと勉強すれば50点くらいは普通に取れそうですよね?)

なので、もし、あなたが今、広告やグーグルの検索から見込客はたくさん集まって来ているけど、売上につながらないのなら、、、あなたがまずやるべきなのはCVR、成約率を上げることです。新規客を獲得して顧客数はどんどん増えているのに、利益が残らないのなら、、、あなたがまずやるべきなのはLTV、バックエンド商品を作って売ることです。もっとも弱いところを改善するのが、もっとも簡単に、もっとも大きな成果につながります。

そのためには、あなたのビジネスで「リード x CVR x LTV」のどこが一番弱いのか?をまず把握すること。それがわかったら、そこを改善すること。そうすれば、今までいろいろやってもなかなか売上が増えなかったのが、ポンっと大きく成長できるかもしれません。メダルを獲得した400mリレーの日本代表のように…


-藤岡将貴


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