戦略 2018/12/11

↓この商品が再ヒットした理由


From:山田光彦

「カルピスが体脂肪を減らすって、、、」

そう思って、買ったのがこのカラダカルピス。

おもしろいアピールをしているので、ちょっと気になったので調べてみたんです。

そうすると、カルピスの出荷容量が10年で1.5倍になっているとのこと(ITmediaビジネスより引用)。この規模のビジネスで1.5倍というのはなかなかすごい成長ですよね。

ということで、マーケティングマニアとして興味が湧いてきたので、少し調べてみることにしたんです。そうすると、、、


カルピス低迷


僕たちが子供の頃には、どこの家にもある手軽な甘い飲み物として大定番だったカルピス。どのぐらい定番だったかというと、、、

「お前ん家のカルピス、いつも薄くない?」
(by ふかわりょう)

というお笑いネタでみんなが共感するほど。

ですが、数年前まで売上が低迷気味。2012年には味の素がカルピスの親会社だったのですが、アサヒグループに買収されるなど、バタバタしていたようなんです。

ちなみに、ふかわりょうさんの一言ネタには「お前ん家のカルピス、いつも薄くない?」の他にも「お前ん家の天井低くない?」「あのATMの前で騒いでるのお前ん家の親父じゃない?」など、軽〜いブラックジョーク的なものがたくさんありますw

それはいいとして、、、


カルピスを低迷させた環境の変化


僕が子供の頃にカルピスが売れていた理由。それは、おそらく、水で薄めて飲めるので経済的。しかも、冷蔵庫に入れておけば2週間とか1ヶ月ぐらいは、ウチでいつでも飲める。という、手軽さなどのメリットでしょう。

実際、今のようにコンビニもこんなにたくさんなかったですし、自動販売機で売っているものもペットボトルではなく、缶のものがほとんど。なので、ジュースを買いに行くにも「めんどくさい」から一度買ったら、長持ちするカルピスはありがたい存在だったんです。が、、、

コンビニがあちこちにできて、ジュースもペットボトルが主流になってきたことで家でいつも同じカルピスを飲むよりも・・・

「ちょっとコンビニによって、好きな飲み物を飲む」

そんなことが気軽にできる環境に変わりました。しかも、売っている飲み物が入っているのはペットボトルですから、一気に全部飲む必要もないですからね。残りを冷蔵庫に保存しておけばOK。なので、家にいつもあるカルピスよりも、手軽に好きなものを買うというメリットをみんなが選ぶようになり「1家に1つカルピス」みたいな状況ではなくなってしまいました。実際、この頃に「カルピスウォーター」というカルピスを薄めたものをペットボトルで売り出して、ヒットしているのがその証拠ですね。

それに、個人的にはカルピスって「子供が飲む飲み物だよね」そんなイメージも強いこともあって、中学校ぐらいのときは飲まなくなっていました。


再成長させた起爆剤


そんなカルピスをもう一度ヒットさせた起爆剤。

それは、カルピスのまったく別の面を全面的にアピールしたことでした。

具体的には「健康」です。パッケージにも「体脂肪を減らす」とか「カロリーゼロ」「機能性表示食品」って書いてありますが、、、


その象徴的な存在が体脂肪を減らすという”カラダカルピス”。

カルピスみたいな甘い飲み物で体脂肪が減るって「マジかよ」って感じですが、まさにこれがヒットの起爆剤になった象徴的な商品。なんでも、こういう飲料系の商品は1年で100万ケース売れればヒットらしいのですが、カラダカルピスは8ヶ月で200万ケース近く売れた、とのこと(夕刊フジより引用)。

本当に体脂肪が減るのかどうかというのは僕はわからないのですが、このカルピスに使われている乳酸菌が体脂肪を燃やす力が強いといった話のようです。ここあたりは置いておいて、、、

僕が伝えたいこと。それは僕が子供の頃に売れていたのとは、まったく別の理由で売れ始めた、ということです


お客さんの状況が変われば、商品が売れる理由も変わる


このカラダカルピスがターゲットにしているのは、子供ではなく大人。僕のような中高年がメインターゲット。

そういうターゲットには、最近、体脂肪を燃やすお茶とかが売れていて、たくさん商品も出ていますよね。でも、カルピスはそういった体脂肪を燃やす系の普通の飲み物とは違ってめちゃくちゃ甘い。なので、完全に差別化できていますし、体脂肪を気にしている人が、普段は我慢している甘いものを思いっきり飲めるわけですから、嬉しいに決まっています。

子供に体脂肪とか、健康をアピールしてもまったく効果はないと思いますが、中高年にアピールすれば、そりゃ効果はありますよね。

それに、40代男性は団塊ジュニア世代なので、かなりたくさんの人数がいるのでヒットした時には、大きな売上が期待できるという意味でもいい感じです。


商品が売れる理由は商品が欲しいからではない…


もともとカルピスが売れていた理由。それは、健康とか体脂肪を燃やすといった理由ではありませんでした。

何か甘いものを飲もうとしたり、甘いジュースを子供にあげようとした時に、コンビニが近くになかったりした状況の中で、、、

「価格・手間の面から手軽に子供が飲めるジュース」

としてカルピスはお客さんの問題の解決する方法として、とてもいい商品だったからです。

そして、再成長させる起爆剤になったのは中高年が「太ってきたな、、、」とか「体にいいものを飲まないといけないけど、、、おいしいものが飲みたい…」といったことを考えている状況の時に、、、

「体脂肪を燃やしたり、体にいいのに、甘くておいしいジュース」

として前とは別の問題「健康的においしいジュースが飲みたい」を解決する商品として、とてもいい商品だからです。

では、最後に、、、

この事例から学べる教訓をケネディの言葉でお伝えしますね。

「最も売りやすい商品は問題解決型の商品だ」
By ダンケネディ


ー山田光彦


PS.
以上、マーケティングマニアとお笑いマニアのブログでした。


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