社長の仕事術 2018/11/01

新規事業に取り組む前に考えるべきこと



From:北岡秀紀

「新規事業をやろうと思う。」
こんな相談をしばしば受けます。

もちろん話は聞きますが、9割以上、私は反対をしています。

なぜなら多くの場合、既存の事業でたくさんの課題がある(=できることがたくさんある)にも関わらず、新規事業に逃げているだけからです。

・粗利率が高い
・業界が伸びている(ように見える)
・なにより新しいことだから新鮮な気持ちで楽しそう
まだやっていない新しいビジネスはとても魅力的にみえます。

でも、実際にやってみれば、どんなビジネスにだって大変な部分はあります。
そして、ほとんどの場合、シミュレーション通りうまくいくことはありません。
結果、こんなはずじゃなかった…といつのまにかフェイドアウトするという結果になるのは目に見えています。

となると、新規事業にかかった時間と費用は無駄に終わります。
ここで使ったエネルギーを既存の事業に使っていたら…

見て見ぬ振りするためのツールになってない?

もちろん新規事業自体がダメなわけではありません。
お客さんに重複がある、同じノウハウを転用できるetc自社のリソースを活用できるなど一定の条件が整えば考慮の余地はあります。

でも、大抵は「なんとなく儲かりそう」という山っ気から始まっていることが大半です。
そして、その裏腹として、既存事業の致命的な課題を見て見ぬフリをしています。

この課題に向き合いたくない。
意識的か無意識的かはあれど、課題から視線をそらすツールとして新規事業が使われているわけです。

もしあなたが新規事業に取り組みたいと思ったら…
まずは既存事業の課題を明らかにして、向き合うところから始めてみてください。

新規事業に取り組むよりも、そんな課題に取り組む方が大きな利益があがります。

追伸

自社開発の商材、自社にマージンが入ってくるサービスを販売させるべく、新規事業を勧めるコンサルタントがいるそうです。
しかも、それが大手コンサルティング会社だからタチが悪い。

そういうのに乗ってしまう社長も社長ですが…




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