社長の仕事術 2018/01/06

競争心を持つ必要はあるのか?


From:ダン・ケネディ

起業家にふさわしい真の気質と人柄があることで、
その人が大きな成功を収められるということをお話ししたいと思います。

先日、アントレプレナー・メディアの営業チームと話した後に、
そのオーナー兼CEOと夕食を共にしました。

アントレプレナー・メディアは、
アントレプレナー誌、そして出版部門であり
私のNO B.S.シリーズ新版の出版元でもある
アントレプレナー・プレスを傘下に置いています。

この60歳の男性は、レーシングカーを運転します。
誰かを負かすという純粋な喜びのためだけに、
時速180マイル(約290km)でコーナーを曲がり、
自分の命を危険にさらし、体を酷使するのです。

彼の雑誌、アントレプレナー誌は、
ライバルであるインク誌の広告主をターゲットにしており、
ここ数年で驚くほど多くの広告をインク誌から奪ってきました
(広告主の市場シェアは広告掲載数から算出されます)。

彼は、インク誌を負かすことに相当「のめりこんで」います。
映画の“Fast Company”(邦題:ファイヤーボール)のようです。
つまり、彼は競争することに「のめりこんで」います。

ウェンディーズの創業者である故デイブ・トーマスは、
世間の人たちからは温厚で優しい男性だと思われていましたが、
長年営業していた競争相手を彼のレストランが
閉店に追い込んだときは狂喜していたということです。

GKICのプラチナメンバーであるチャウンシー・フッター・ジュニアは、
あるセールスレターを書きました。
そのレターはすべて、確定申告関連のサービスを提供する彼のビジネスに関する内容でした。

ある町の支店が全米規模の大企業であるH&Rブロックから非常に多くの取引を奪ったので、その町のH&Rブロックの支店は負け、閉店したということでした。

ドナルド・トランプは、
「アプレンティス・ショー(訳注:トランプがホストを務めるTV番組)」と
大人気だった「アメリカン・アイドル(訳注:視聴者参加型のオーディション番組)」が水曜夜の同じ時間帯に放送されていたとき、自分の番組が相手を打ち負かすのを早く見たくてたまらなかったということでした。

これは、お金に関することではありません。
お金以上のものであり、大きな成功を収めている起業家の真の気質と人柄によるものです。
私たち起業家は、誰かに勝ちたいのです。

あなたにこの殺気立ったような欲望がないのなら、
その欲望がある競争相手の次の餌食になるでしょう。

また、正直言って、起業家になって勝つために必要なものが
まったく備わっていません。

もちろん、この勝ちたいという衝動と意志、
取りつかれたような競争心を何と呼ぶのであれ、
その効力について討論してもよいでしょう。
ただ、起業家として大成功したというストーリーほぼすべてにおいては、
その欲望の存在をさすがに無視することはできません。

最近は、学校や遊び場から「競争」を排除することが話題にのぼります。

例えば、成績をつけなかったり、ゲームはしても得点をつけなかったりすることで、子供たちのもろい自尊心を傷つけないようにするためだといいます。

これによって達成されるのは、役立たずの若者を実社会に送り出してしまうことだけです。
コピーライターのジョン・カールトンは、
あらゆる発明の中で最も素晴らしい発明は、締切だと言っています。

締切がなければ、他には何も発明されなかったかもしれないからです。

そうであれば、2番目に素晴らしい発明は競争に違いありません。
競争がなければ、他の多くの発明はすべて、開発されることなく、
商標登録されることなく、販売されず、認知されずに衰退していたことでしょう。




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