図書館の使い方
From:岡崎 匡史
研究室より
インターネットの発達で、図書館に行くことが少なくなってきた。
「Google先生」に相談するかのごとく、ネットの検索エンジンに頼ってしまう。
ネットだけに頼りすぎると、情報が偏りがちになってしまう。つい、自分の興味のあることしか読まなくなってくる。これではいけないと思い、月に何度かは図書館に出向くようにしている。
図書館は本を借りるだけに留まらない。副産物はたくさんある。
本に込められた想い
新しい分野に挑戦するときや、苦手なテーマの本を読むのは、誰にとっても大変だ。歯がゆい思いもするし、集中力もいる。
本を全部読まずとも、効率のよい知識の吸収の仕方がある。
それは、本の「タイトル」だけを読むことだ。
著者にとって、本のタイトルを決める。とてもセンスのいる作業だ。本に込められた想いがタイトルに凝縮されている。速読のトレーニングをするより、本のタイトルだけ読めばいいのに、、、
ネーミングセンスを磨く
もし、気になったタイトルの本があれば、ついでに目次も読んでみる。
この作業をすると、背景知識やその分野の流行を知ることができる。効果はそれだけない。
「タイトル」「章立て」「見出し」を読むことで、ネーミングのセンスも磨かれてくる。
これは書籍だけの話ではない。世の中に流通している、さまざまな商品にもあてはまるはずだ。「タイトル」「商品名」は、売り上げを大きく左右する。
「商品名」や「キャッチフレーズ」や「ブランド」をめぐって、何ヶ月も考え抜いたことがある人もいるだろう。そんな人のために、『英和商品名辞典』や『ネーミング辞典』など、数多くの辞書が出版されている。
休日は図書館で
総務省の統計によると、2016(平成28)年度の新刊書籍出版数は、約78,000冊。すべての本を読める人は、誰もおりません。本を全部読まなければならない、という脅迫観念を取り払える。
休日に図書館におもむき、一日中、本のタイトルを見ながら散策する。もちろん、大きな書店でもかまわない。数ヶ月もすれば、すべての背表紙を読むことができるはずだ。
そのとき、現代の知識をざっくりだけど、掴むことができる。もちろん、表面的な方法だ。でも、意外に知られていない図書館の使い方である。
一度、あなたの地元の図書館を、じっくり観察してみてはどうでしょうか?
ー岡崎 匡史