マネジメント 2017/04/04

思い込みの恐さ

FROM:本郷卓也(GrowthU認定コーチ)

いきなりですが質問です。
この写真の道は、上り坂でしょうか?それとも下り坂でしょうか?


yashima


写真引用元:Copyright Akiyoshi Kitaoka 2014 (July 19)

これは感覚が、周りの影響を受けて錯覚してしまう「錯視画像」と呼ばれるもので、多くの人は「下り坂」に見えてしまうのですが、実際には、「上り坂」なんです。僕も昔、この写真の場所とは異なりますが似たところに行ったことがあります。

その道では、この写真とは逆で、「上り坂」に見えるんですが、実際には、「下り坂」になっていて、自分が乗っている車を停車しニュートラルにすると(全くブレーキも掛けず、エンジンも掛けていない状態)車は後ろに下がっていくんです。

初めて、その場所で体験したときの事を、よく覚えています。周りの景色や、道の構造など色々な要素が、そういう錯覚を起こすんですね^^;

他には、錯視図といってミュラーリャの錯視図や、エビングハウス、ヘリングとヴント、ポッゲンドルフ、ボンゾだったり錯視、錯覚を生み出すものはたくさんあります。(興味あればネットで検索してみてください)


今日は何故、このような話をするのかと言うと僕は常々、意識している事の中に「思い込みによる恐さ」があると思っています。

例えば、ある探し物をしているとします。いくら部屋中を探しても、見当たらない。

でも、見つかったのは
さっき探したはずの場所・・・

僕が探すことを諦めたときに、誰かがそっと置いた訳ではありません^^;

前から、ずっとそこにあったにも関わらず、自分が夢中で探しているときは、見えていない。(実は今も、風邪薬を探していて、さっき見たところに置いてありましたw)

皆さんも、こんな経験ありませんか?


なにが問題だったかと言えば、自分です。見えていない自分。(僕w)


これは、ビジネスの世界でも、よく起こることです。「自分は、こう思っていたのに。。。」


最近は、個別コーチングなど含めて、とても多くの経営者の方々と話す機会が増えてます。その会話の中でも、これら「思い込み」が発生しているなとふと感じるピソードなど、聞くケースも少なくありません。

例えば、ある上司がいたとします。そして、その上司には2名の部下がいます。

一人は、お気に入りのAさん。もう一人は、特に評価していないBさん。その上司は、Aさんという部下が「凄く頑張るヤツだ!」と思い込んでいたので、些細なことでもAさんのことを高く評価します。

一方、特に評価していないBさんに対しては、Aさんと比較しては「使えないヤツだなぁ…」と、がっかりしていました。

その後の人事異動で、Bさんはその上司の下から離れ、違う部署に移動になったのですが、移動先ですごい成果をだしていると聞いた上司は、その時初めて、あることに気付いたのです・・・

そうです。
この上司は、お気に入りだと思い込んでいたAさんの仕事ばかりを評価し、実はAさんよりも成果を出せるBさんに対して、正しい評価が出来ていなかったのです。その「思い込み」に気づいた上司は、出来る人材を手放したことに後悔しましたが、後の祭りです。


このように、「思い込み」があると、適切な対応ができなくなったり物事の本質が見えなくなったりします。そして、その結果は自分自身に返って来るんです。

この話はひとつの例えですが、思い込みで周りが見えない、適切な判断ができないというようなケースは多々起こります。

「これはこうだ!」と決めつけるのではなく、「もしそうじゃないとしたら・・・?」など、偏った考えから抜け出すための質問をセットで持っておくのがオススメです(^^)

関連記事