空いた時間に考えることが成功を決める
「人生で得たいものは何か?」を考えた時、「富」や「お金」がリストの一番上に来る人はそうはいないだろう。
そして、これは次のようなジレンマを引き起こす。
大切な時間を「富」以外の目標に使っていたら、貧乏な人生のまま終わるかもしれない。しかし、ほかの何よりも「金儲け」に焦点を当てていたら、あなたが一番大切にしているものを失うかもしれないのだ。
これは実際に私の友人が抱えていた問題だ。彼はカウンセリングとトレーニングのビジネスを始めて3年になる。
最初は好調だったが、その後売上は停滞して次第に利益が減り始めた。一生懸命働いていると彼は言うが、仕事をこなせていなかったのだ。やりそびれた仕事の中には重要なものもあった。株主たちも不満を抱えていた。
彼は途方にくれ、努力が報われていないと感じていた。ビジネスをやめることも考え始めていた。
そこで彼がしている詳細な仕事内容を洗い出してみると、彼が賢く仕事をできていないことがわかった。重要でない問題を大きな問題になるまで放置しその対処に追われる、という時間の無駄遣いをしていたのだ。
このような問題はタスク管理によって解決できる。しかし、深刻な問題がほかにもあったのだ。売上をあげて利益を増やすためのアイディアがまったくなかったのだ。考えられることはすべてやった、一体ほかに何をすればいいのかわからない、と彼は言った。
自分の力不足を見分ける方法
これは心理的に諦めの境地に立たされている状態だ。船はどんどん沈むのに、船長は何をしたらいいのかわからない。
信じられないかもしれないが、諦めなければアイディアが尽きることはないのだ。挑戦することをやめれば、あとに残るのは怒りだけだ。そして、考えることをやめたときに、アイディアは出なくなってしまうのだ。
時間はかかったが、彼の思考プロセスをたどっていくなかである真実が明らかになった。彼が普段思いめぐらせていることを聞いてみたところ、彼はこう答えたのだ。「婚約者のことだ」
つまり、彼は空いた時間と思考エネルギーを間近に迫った結婚に費やしていたのだ。彼は1日10時間仕事をしているつもりでいたが実際は仕事中にほかのことを考えていた、というわけだ。
ビジネスを成功させるためには、昼も夜も仕事のことを考えていなければならない。それは家にいたとしても同じことだ。しかし、友人はまったく逆のことをやっていたのである。
自分自身をテストする
あなたは仕事中にプライベートなことを考えているだろうか?プライベートな電話に出たりEメールの返信をしたりしているだろうか?
または、1日があっという間に過ぎてしまい、自宅で残った仕事を片付けたり仕事の問題について考えたりしているだろうか。
仕事に完全に打ち込んでいるのなら、空いた時間にはいつもそのことを考えているはずだ。
シンプルで合理的なアプローチでは、本当に難しい問題は解決できない。必要なのは空想中にふと思いつく、想像力ゆたかなアプローチなのだ。
何を思い描くかが、自分の在り方を決める
あなたの関心がプライベートなことに向かっている限り、ビジネスの問題を解決する創造性に富んだアイディアを思いつくことはないだろう。
一方で、一番の関心ごとがビジネスであるのなら、プライベートの問題を解決する方法も決して分からないのだ。
つまり、空想する内容をコントロールすることが必要なのだ。自分の創造的エネルギーがどこへ向かっているかを把握し、人生の優先順位と一致しているかを自問しよう。
私の友人が問題を解決することができなかった理由は、彼の感情的なエネルギーがすべて結婚に注がれてしまっていたからだ。
仕事への情熱が足りないのなら、日中にいくらビジネスのことを考えても無駄である。そして、夜もプライベートなことに時間を取られていたが、仕事での不安のためにさらに集中できなくなっていた。
「それならどうしたらいいんだ」と彼は聞いた。「結婚はうまくいって欲しいし、ビジネスでも成功したい。そのどちらも諦めることはできない」
「この状況を考えると、当面はどちらかを諦める必要があるだろうね。ビジネスが安定するまで結婚を延期するか、もっと責任の少ない仕事を探すかだね」と私は答えた。
彼にはどちらかを選択することができなかったので、私たちは両方を取るための作戦を練った。
1日に働く時間は8時間。その時間は仕事に集中する。プライベートは持ち込まない。
そして、結婚準備に集中できる時間を2時間増やすことにした。この作戦を成功させるために結婚の準備もしっかりと進めるべきだという結論に達したからだ。
空き時間のちょっとした考えごとは非常に重要だ。小さな考えから点と点がつながり、想像力のあるエネルギーと独創的な大発見をもたらす。
あなたは仕事以外のことをつねに考えていないだろうか?だとしたら、それは優先順位を見直すときなのだ。
マーク・M・フォード
Presented by インベストメントカレッジ