六次の隔たり
人と出会うたびに、あなたは良いコネクションを作るチャンスを手にしている。そのことを覚えておかなければ、素晴らしいチャンスを逃してしまうかもしれない。
何が起こるかなど誰にも分らないのだ。ある人の知り合いの、そのまた知り合いの、さらに知り合いが、あなたの探している答えを持っているかもしれない。
数年前、「Six Degrees of Separation」(仮邦題:六次の隔たり)という舞台を見た。その中で、次のような現象が説明されていた。知り合いが6人いれば、世界中の人と何かしらの繋がりを持つことができるという、数学的な可能性だ。
簡単な計算をしただけでもそれが理解できる。例えば、あるビジネスマンに6人の知り合いがいるとしよう。そして、彼が知り合いの知り合いを6回たどっていけば、最終的には約4000万人にもなるのだ。6人を20人に増やせば、世界の総人口ほどにもなる。
私は先週、この重要さに気付かされた。MTと私は開発プロジェクトに携わるニカラグアを訪問し、アメリカへ帰るところだった(ちなみに、ニカラグアではたった330万円で太平洋を一望できる家が買える。そのような場所で老後を過ごしたいならぴったりの国である)。
飛行機を待っている間、MTは3人のみすぼらしい男たちと話をしていた。その男たちは普段関わることのないような風貌だったので、私はさほど興味がなかった。しかし、MTは六次の隔たりというものを本質的に理解していたのが、私にとっても幸運だった。
3人の男たちのうちの2人は40代のサーファーで、1人は彼らの父親だということが分かった。彼らがニカラグアに来た理由はサーフィンと、その3人のうちの一人であるJSが購入した物件を見るためだった。
お互いにニカラグア滞在について語った後、MTが私たちの開発プロジェクトについて話をした。JSは、そのことについて書いてある記事を「サーフ・エクスプレス」誌で読んだというのだ。そして、彼はそこでレストランを開業することについて、私たちと相談したいと言ってきた(彼はフロリダ州のタンパでレストランを経営している人物だった)。
こんなことを誰が予想しただろうか?
JSが私たちの顧客になるかもしれない。私たちに大きな利益をもたらすかもしれない人脈が得られたのは、男たちのしわくちゃの服や髭が伸びた顔に戸惑うことなく話しかけたMTのおかげなのである。
マーク・M・フォード
Presented by インベストメントカレッジ