小さなビジネスを始める方法
今日のメッセージは
「数千億円規模の買収契約をもたらした2人の技術者」に関するものだ。
Fahri Diner(ファーリ・ダイナー)とXiang-Dong Cao(シャン・ドン・カオ)は仕事が終わるとビールを飲みながら、フロリダ州ボカラトンにある勤務先への不満を漏らしていた。
カオが「僕たちは正当に評価されていない」と言うと、ダイナーが「その通りだ、自分たちでビジネスを始めるべきだ」と答えた。
カオは、「賛成だよ」と返した。
そして数ヶ月後、2人は本当に退職し、新しい仕事場を埃っぽい倉庫に移したのだ。会社の財政面を任せるために、以前一緒に働いていた同僚2人に電話で声をかけた。こうして集まったわずか4人が中心となり、光ファイバー伝送システムを扱う会社を立ち上げたのだ。業務内容は前職と本質的には同じだが、それに独自の改良を加えた。
たった数ヶ月のうちに彼らは賃金労働者から、輝かしい「起業家」という地位についたのだ。
私、マーク・フォードはどのようにして起業家になったか
最初の仕事はロングアイランドにある洗車場で、車の後部座席を拭く係だった。当時の私は14歳で時給130円に満足していた。その数年後には、自宅から車で20分の高級住宅街でペンキ塗りのアシスタントをしていた。そこで私は起業家になったのだ。まあ、臆病な起業家ではあったけれど…
何が起こったか説明しよう。友人のピーターと私は黄色い大邸宅で、アスファルトシングルという屋根材を剥がす作業をしていた。そして、その家に住む女主人のバーンスタインさんがあらわれ、私たちのボスであるアルマンドを呼んだ。しかし、アルマンドはいつも朝7時に私たちを仕事場で降ろすと、夕方の5時か6時ごろまでどこかに消えていたのだ。
私たちに経験などなかったが、上から下にペンキを塗り2回目はドライローリングをするようにと言われ仕事場に取り残されていた。(あなたも家の塗装をするなら気をつけたほうがいい。ドライローリングは塗装業者があたかも二度塗りをしているかのようにみせて、実はペンキはつけずに乾いたローラーを使っているのだ。こうすることで2倍早く作業が終わるうえに、ペンキのコストを大幅にカットできる。)
「アルマンドのことはよくわかっているわ。あのケチ野郎はいったいいくら給料を支払っているの?」とバーンスタインさんは聞いた。私たちが正直に答えると彼女は家の中に入り30分後に戻って来た。そして、「あの役立たずをクビにしてきたわ。でも、いい知らせがあるわ。あなたたちは月曜の朝またここに来なさい。しっかり仕事を終わらせてくれたらお給料を上乗せして払うわよ」と言ったのだ。
この出来事をアルマンドが後から知りどうなったかは、また別の機会にお伝えしよう。この昔の思い出から伝えたかったことは、私がどのようにして思いがけず自分でビジネスを始めることになったか、そして富を構築するための重要な仕組みをあなたに強調するためだ。
ビジネスを始めるのは恐ろしいことだ。安定した給料を放棄し、軌道に乗る保証もないまま倒産や自己破産というリスクを負う。私もだが、100人いたら99人はそんなにずぶとい神経は持っていないはずだ。
私はバーンスタインさんの好意でビジネスを始めたので、恐怖心を持つこともなく幸運だった。彼女が私の背中を押してくれたのだ。彼女がいなかったら今ごろは毎月定額の給料をもらう仕事をしながら上司への不満を漏らしていたかもしれない。
独立して起業する場合でも、既存の企業からスピンオフする会社は3つの最重要課題のうちの2つをすでにクリアしている。それは知識とコネだ。そして、取引先やマーケター、コンサルタントなどとしっかりしたコネを持つことは非常に重要である。
すでに経験のある分野でビジネスを始めるメリットは、独立前から知識やコネを増やしておけることだ。あなたもぜひ自分を売り込むことから始めよう。今している仕事ではなくやりたい仕事をするために、どんなことでも貪欲に学ぶのだ。そして、どうしたらビジネスが大きくなるか、どのように運営していくか、どうすれば商品やサービスが差別化できるかを考えよう。
さらに大切なこと
1. 今のビジネスで不十分な点をはっきりさせる。
2. 重要なサプライヤー、取引先の銀行担当者、コンサルタントと親しくなる。
これらのことが済んだら、後は自分の道を進むために必要な決心をするだけだ。
前述のダイナーとカオも同じことをした。そして、彼らは会社を辞めるとすぐに以前の雇用先と競合するビジネスを始めたのだ。
光ファイバー電動装置を開発する彼らの新会社は、カナダ・オンタリオにある光学分野の大企業の目に留まり、「ニューヨークタイムズ」紙によると2,500〜3,500億円もの金額で買収オファーをもらったそうだ。
ビジネスに打ち勝つための5つのステップ
自分でビジネスを始めるために、最初から起業家である必要はない。まずはダイナーやカオのように会社に雇われ、ビジネスを後から始める「きっかけ作り」に利用するのだ。次の5つのステップが、あなたに必要な「ToDo」リストになる。(今より価値のある時間になるに違いない。)
1. ビジネスに関するすべてのことを学ぶ。特に営業や、提供している商品やサービスの独自性である。
2. あなたが「優秀」社員であると周囲に思わせる。そうすれば、いつかビジネスを始めるときに同じく優秀な人材が集まるだろう。
3. どうしたら会社の商品やサービスをより良いものにできるか考える。これが、最終的にあなたに成功をもたらす。巷の経営学修士たちが「競争優位性」と呼ぶ、競合他社よりも秀でる何かが必要になるからだ。
4. 貯金を始める。ベンチャーキャピタルのパートナーを見つけたとしても、やっていくにはそこそこのお金が必要だ。少なくとも給料の手取り10%は貯蓄、20%できたらなお良いだろう。それが無理なら週末か夜に副業を始めることを真剣に考えたほうがいい。
5. ビジネスに関する記事を読み、セミナーを受け、独学する。とりわけ、私の記事を読むと良いだろう。
あなたが1,000億円のオファーを受けられるように。
追記:「ノー」の本当の意味
野心がない人は、それゆえに平凡な人生を過ごすことになる。この生き方も懸命ではある。私は野心こそ持っているが、パッとしない方法で解決してしまうことも多々ある。それはいつも同じ理由、つまり「恐れ」からである。失敗することか?そうではない。拒絶への恐れである。私が望まない返答、面と向かって「ノー!」と言われることへの恐怖心なのだ。
ニューヨークの起業家、Norm Brodsky(ノーム・ブロドスキー)は、「サクセス・パワー」誌で次のように答えていた。
「『ノー』と言われる恐怖を克服するために、私は父親の言葉を思い出すようにしている。それは、『頼まなければ、得ることはできない』という教訓のようなものだ」
ブロドスキーは野心家で、望むものは必ず手に入れたがるタイプである。そして、それを実現するためには上手くお願いする方法を学べばいいと気がついたのだ。
結局のところ、「ノー」と断られても、
「違う方法でまたお願いしてくれないか?」と言われたと思って
またお願いすればいいことなのだ。
マーク・M・フォード
Presented by インベストメントカレッジ