あなたのビジネスを成功に導くもの
あなたは大きな決断を迫られる場面に直面することがあるだろう。
(「仕事を辞めて自分でビジネスを始めるべきか?」など。)
しかしほとんどの決断は大したものではない。
(「サリーを歩合制で働かせるべきか?」「取引先の銀行に行くときこのネクタイをするべきか?」「この新製品を売り出すときにプロモーションAとBのどちらを使うべきか?など。)
小さな決断。大きな結果。
このことを思い出したきっかけは、ある最近の2つの出来事だった。私がコンサルタントを務めていた栄養サプリメントのビジネスが、ありふれたマーケティングと膨れ上がった諸経費のおかげで沈みかけていた。あまりにも悪い状況だったので、どうにもならなくなった私たちは競合にビジネスを売却することを考えていた。
そしてそれが2つの決断へと繋がっていったのだ。当時はどちらにも大きな価値があるようには見えなかった。まず職員を必要最小限まで減らすこと、そしてもうひとつは私たちが二の次扱いしていた商品を売り出すということであった。
結果は??
経営は完全に好転したのだ。3ヶ月後には借金をすべて返し終わり、毎月健全な利益を出せるようになった。
私の別の会社は順調だったのだが、より高い利益を生み出すレベルに達する見通しが立っていなかった。そして私の判断とは裏腹に、彼らは継続的オファーを試すことにした。(それまでそのビジネスは厳格な現金払い注文制であった。)結果は?このビジネスは1年もしないうちに2倍の大きさになったのだ。
小さな決断。
以前、グロリエ百科事典が電話マーケティングに進出したという話したことがある。この話は連携の原理についてだけでなく、あるシンプルな決断が会社を救うという素晴らしい例でもあったのだ。
簡単に説明すると、グロリエは倒産の危機に立たされていた。そのころ、競合である「タイムライフ」がマーケティングの秘密兵器について情報を公開したのだ。
それは高い注文率を上げていたコールセンターについての秘密だった。そしてその秘密を知ったグロリエの出版社はすぐさま電話マーケティングに進出する決断をした。その結果、今ではグロリエは300億円以上もの利益を上げ、そのうちの25%は電話マーケティングから生み出されているのである。
小さな決断。それは成功にも失敗にもなるのだ。
ではどのようにして正しい決断を下すのか?
普通のビジネスという混乱の中で、あなたの目標に近づくような決断をすることができるのだろうか?
それは簡単なことではない。プレッシャーもあるだろう。しかしあなたには無駄にする時間などないのだ。誰もが叫んでいる。あなたは何を選択するのか?選択肢1の扉なのか、2の扉なのか?
「早く決断しろ!しかも正しい決断をしろ!あなたの将来は危機にさらされているのだ!」と。
私の素晴らしい相談相手で元パートナーのJSNは、正しい判断をすることに関して驚くほど鋭い勘を持っていた。同じように素晴らしい経歴を持った候補者が2人いたとしよう。すると彼は経歴詐称している方を見破ることができるのだ。雑誌の値段を2,500円にするか、それとも5,000円にするか?彼の勘はほぼ必ず当たった。見出しはどうする?そんなことどうでもいい!彼は皆を惹きつける仕掛けを選ぶ名人だった。
どうやって?
私は何年も前からそれを知りたいと思っていた。
そしてついに判明した。JSNのような頭の良い男にとっては、ビジネスでの決断とはシンプルなものなのだ。彼にとってビジネスとは利益だ。そして利益とは善なのだ。
私にとってビジネスの目的はもっと複雑なものだった。利益は確かに1つの目標ではあったが、それ以外のものがたくさんあったのだ。私が下さないといけなかった決断とは、これがどのように商品の品質に影響を与えるのか?顧客はなんと言うだろうか?私の競合相手はどう思うか、というように熟考のフィルターを通して検討されていたのだ。
一方で、JSNにとっての決断とは明らかなものと、そうではないものの二者択一だったのである。私にとっては、危険な道、欲望への道、対立への道、そしてまさしく地獄の火へと辿る道など、十数通りにも枝分かれした道であった。
JSNはお金を儲けることが得意なのだ。
彼を観察するのは有意義なことであった。 今では選択を迫られたとき、「どれがもっとも稼げる選択肢だろうか?」と自分に問いかけることにしている。
これは非常にシンプルな質問だ。しかし、これを聞かれることはあまりない。
容易に理解できる質問だ。だが実践されることは少ない。
私はいくつものビジネスに関わっており、何人ものパートナーがいる。その中の何人かは非常に頭が良く、ほかの何人かには才能がある。しかしもっともビジネスをうまく立ち回っているのは、重要な決断をする際にシンプルに考えることができる人たちである。
「もしこうなったら」「もしそうだったら」などということに囚われる人たちはビジネスが行き詰まってしまう傾向にある。彼ら自身が決断できないのに、どうやって部下たちにそれを期待するのだろうか?
複雑な心を持つということは、ビジネスの世界では美点にはならないのだ。実際それは逆に弱点になってしまうかもしれない。考えすぎる人は不幸な人であると以前聞いたことがある。
またそれとは別に、幸せな人とは鋭い考えを持った人であるという心理学の研究があるそうだ。もしそれが本当だとすれば、「考えすぎないビジネスマンはより稼げる」ということだろう。
もしあなたが複雑な感情に苦しめられているとしても、絶望しないでほしい。あなたは自分の考えを簡素化することができないだけであり、ビジネスの決断を簡素化することはできるのだ。
私ならこうするだろう。まず、自分のビジネスにはたった2つの目標しかないことを思い出すのだ。それは良いアドバイスをすることと、またそれによって利益を得ることである。そのほかについては二の次だ。私は行き詰まったとき、自分の思考を洗いざらいにする。探して破壊するのだ。
あなたがどんな場合にもたった2つの基準しか与えられなかったとしたら、決断はずっと簡単なことになるだろう。ほかのことについては忘れるのだ。それはあなたの顧客の役に立つのか?それは基本的なことを良くするだろうか?
イエスかノーか。答えるのだ!
それが私のやり方である。これがあなたの役に立つことを祈る。
マーク・フォード
Presented by インベストメントカレッジ