富とお金 2018/08/10

サドン・ウェルス・ロス・シンドローム




メンタルヘルスにおける次のトレンドは何だろう?


熱狂的な市場で急激に富を築き、それが突然消えてしまう投資家をケアするためのビジネスはどうだろうか?

シリコンバレーの心理療法士がこのビジネスに着手している。

ステファン・ゴールドバートは突然富を手にする「ストレス」問題や、精神的な症状を助けるために、マネー・ミーニング・アンド・チョイス・インスティテュート(金銭と人生の意義と選択の研究所、www.mmcinstitute.com)を設立した。そして、それを「サドン・ウェルス・シンドローム(突然大金持ちになり精神的に不安定になる症状)」と名付けた。

「彼らは、富に付随する価値や問題の処理と人生の選択に頭を抱えていました。そういったストレスは彼らの人生、家族、人間関係を壊し、そして精神的、肉体的、感情的な健康をも脅かしていたのです」と彼は言う。

しかし、インターネットバブルが崩壊し株価が急落したとき、多くのゴールドバートのクライアントは新しい問題に直面し、彼に助けを求めてきた。それが「サドン・ウェルス・ロス・シンドローム(突然の財産喪失で精神的に不安定になる症状、SWLS)」だ。

ゴールドバートによれば、あるクライアントは自分のストック・オプションが15億円から700円になるのを見たそうだ。その罪悪感とストレスは恐ろしいもので、「彼は自分を責め、なぜリスクを分散させなかったのか、どうしてバブル崩壊を予測できなかったのかと自問していた」と説明する。

ある名医によれば、SWLSの患者は睡眠不足で不機嫌になり、自分を出来損ないで愚かな人間だと感じてしまう。「そのうちに彼らは金銭的な幸福を感情的な幸福と混同していたこと、さらにすぐ先のことを見据えていなかったことに気付くのです」と彼は言う。

また別の患者は、購入してから2カ月しかたっていない2500万円のフェラーリをディーラーに返すことになった。彼のストック・オプションは急落したので、現金が必要だったのだ。それでも、ゴールドバートいわく、「少なくともフェラーリが彼の株よりも価値があるのは、幸いだった」そうだ。

マーク・M・フォード

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