インフォマーケティングに秘められた力
シリコンバレーはビリオネア層を生み出した。
ヒューレット・パッカード・ファミリー(彼らの1兆円にも及ぶ資産は今やフォード基金をしのいでいる)、インテル(ゴードン・ゲイツだけで1兆5,000億円の資産を持っている)、そして設立38年になるデル・コンピューターの王者マイケル・デル(推定資産2兆円)など、ハードウェア関係のビリオネアである。
そして、「アプリケーションソフトウェア」ビリオネアがいる。その中には世界でもっとも裕福な5人のうち3人が含まれており、みなマイクロソフト出身である(ビル・ゲイツ、スティーブ・ボールマー、ポール・アレン)。これは、ワードプロセス・プログラム、コンピューター・ゲーム、そしてビジネスやコンピューターネットワークそのものを走らせるための「システム」ソフトウェアであり、人々は仕事や娯楽のために使用する。
ソフトウェアの面白いところは(ハードウェアと比べて)、経済学者が「規模に関する収穫逓増」と呼んでいるものから利益を得られることだ。このような用語がどこからうまれたのか私にはわからないが、開発にたくさんのコストがかかっても、実際の製品化にはそれほどコストがかからない商品のことである。
たとえば、ソフトウェア・プログラムがそうだろう。マイクロソフトはOffice 2000プロフェッショナルを開発するのに数億円を費やしたと思われるが、売上が一旦そのコストを回収してしまえば、あとは利益としてマイクロソフトにどんどんお金が入ってくる。なぜならば、パッケージやサポートなどを含めたソフトウェア商品そのものは、製造するのに2,000円ほどしかかからない。そして、それは3万5,000円で販売されているのだ。
このような経済性を持った商品と共にマーケットシェアを手に入れることができれば、あなたも大儲けすることができる。
この「規模に関する収穫逓増」と呼ばれる効果によって、マイクロソフトは7,780億円の売上のうちの39%という目を見張るような利益を得ることができた(それに対しエクソンの売上はおよそ4兆円だったが、利益はたったの6,400億円である)。
あなたがどのような富の構築ビジネスが1番いいかと考えているならば、このことも考慮に入れるべきであろう。様々な冒険的事業が頭に浮かぶ中、ほかのビジネスにはない経済特性を備えているものだ。
たとえば、あなたがダンスの踊り方のビデオを作成しお金を稼ごうと思っているならば(私の義理の弟がそうであるように)、初期経費としての撮影と制作費を計算し、ビデオを様々な数で複製した場合のコストと比べてみる。
もし、そのビデオ作成に200万円かかり、たったの500本しか販売しなければ、ビデオ1本あたりの制作費はおよそ4,000円となる。これをあなたのマーケティング費用に上乗せしてみれば、1本あたり少なくとも1万円で売らないと利益が出ないことはすぐにわかるはずだ。
しかし、あなたがこれを5,000本販売するとしたら、1本あたりの制作費は400円にまで下がり、製品を1,900円から3,900円という健全な価格設定で売ることができる。
世の中にはこのような経済特性を兼ね添えた商品がたくさんある。しかし、そのほとんどは個人の起業家が扱うにはお金がかかりすぎるのだ。たとえば製薬品や製造品である(裏庭で自動車を組み立てるという時代はもう終わったのだ)。
そうは言っても、中には比較的少ない初期投資と小さな規模で利益を生み出すことができるビジネスもあり、情報出版はそのもっともたる例であろう。
あなたが講演のエキスパートだとしよう。そして、自分が持つスキルの秘密を特別レポートで公開することにする。自分のパソコンを使ってレポートを書き、50万円かけて1万部印刷すると、レポート1部あたりのコストは50円になる。
あなたは市場アンケートをとり、他のコンテンツ商品はおよそ5,000円から1万円で販売されていることがわかった。そして、あなたはレポートを3,900円で販売することにする。
もし、あなたが100部しか販売できなければ、11万円の損失が出る。しかし、500部売れれば儲けが出るのだ。それがうまい具合にヒットして1万部すべて販売できたとしたら、あなたのビジネスは始動したことになるだろう。
マーク・M・フォード
Presented by インベストメントカレッジ