経済 2018/04/06

米中露の思惑が交差する東アジア




このように中東問題で見るならば、米露両国は協力関係にありますが、南シナ海・中国・朝鮮半島を含むアジア問題でロシアがアメリカに協力する可能性は低いと言わざるを得ません。


東アジアの大国は米中露の三カ国であり、アメリカにとってはロシアの協力を得て中国を叩くことができれば一番いい。しかし、中国が潰れれば、アメリカの圧力はすべてロシアに向かうことになります。むしろロシアは米中対立を操ることで漁夫の利を得ようとすることが基本的なスタンスです。


そして、北朝鮮にとっても、中国に頼ることができなければ、ロシアとの関係を深めていく以外にありません。数年前、旧ソ連の軍人たちが北朝鮮を訪問し、勲章を受けています。朝鮮戦争時にミグ戦闘機のパイロットだった人々であり、この頃からロシアと北朝鮮の関係のウォーミングアップが始まったと思います。したがって、ロシアにとって、北朝鮮は潰れても困ることはないが、米中日の三カ国に圧力をかけるうえでは非常に有効なカードであると言えます。


今後、ロシアは北朝鮮というカードをジョーカーのように外交上うまく使ってくるでしょう。


ただしロシアが、大量のチャイニーズの不法入国によって領土が侵略される危機感を感じた時には、ロシアが日本、アメリカと組む可能性はあります。



2017年9月1日発行藤井厳喜・宮崎正弘著『韓国は日米に見捨てられ、北朝鮮と中国はジリ貧』第4章 世界の大変貌 中国、EU、ロシア、そして極東ーP140




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