経済 2018/05/28

アメリカン・ドリームよ、もう一度




 トランプが大統領になったのはアメリカ経済再建のためであり、それができれば、大統領再選も可能なはずです。トランプに投票した中西部の有権者は経済成長から取り残された人たちです。かつては高校卒業後、製造業界で30年以上就労すれば、郊外に一戸建ての住宅が建てられるというアメリカン・ドリームが実現していました。アメリカの労働構造・賃金体系の特徴は、大卒ではなく、高卒程度の学歴の労働者であっても相当の給与が得られることでした。


 映画監督のマイケル・ムーアは古典的な社会主義者ですが、彼が理想としているのはアメリカン・ドリームに満ち溢れていた1950年代です。


 繰り返しになりますが、首席戦略官スティーブ・バノンの父親が勤務していたのは大手電話会社AT&Tであり、リーマン・ショックで紙屑同然になりましたが、同社の株式が彼の父親の最大の財産でした。


 つまり、アメリカン・ドリームの復活という点でマイケル・ムーアとスティーブ・バノンは共通しています。こうした期待に応えることができるか、という点がトランプ政権の成否を決するでしょう。経済の面では、国内雇用の増大など、良い成果が出始めています。



2017年9月1日発行藤井厳喜・宮崎正弘著『韓国は日米に見捨てられ、北朝鮮と中国はジリ貧』第5章 これから何が起こるのか(政治・軍事・経済)ーP190




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