経済 2018/02/28

小康状態にある米中関係 -後編-




中国は北朝鮮問題でアメリカに協力する代わりに、二つの条件を提示しました。


第一は為替操作国認定を見送ることであり、第二はハリー・ハリス太平洋軍司令官の更迭です。


第二の要求は愚かとしか言いようがありません。

国防は国家の中枢であり、外国からの要求で軍人の人事が左右されることなど、アメリカでは絶対にあり得ません。軍人を尊敬するトランプであれば、なおさら応じるわけがありません。


こうした要求があったことを米外交筋が漏らしたことで、中国は世界に非常識とバカさ加減を晒すことになります。


ただし、第一の要求にあったように、半年間、中国が為替操作国認定を逃れたことは習近平政権にとっては対米外交上の勝利だったと思います。


以上のように、トランプにとってもIS問題が片付くまで、習近平にとっても党大会が片付くまで時間稼ぎをしているのが現状です。


ただちにアメリカが朝鮮半島で軍事行動を開始することはないでしょうし、トランプ政権が根本的に米中協調路線に政策転換したということでもありません。


2017(平成29)年秋まで米中関係は小康状態が続くと見ています。



2017年9月1日発行
藤井厳喜・宮崎正弘著『韓国は日米に見捨てられ、北朝鮮と中国はジリ貧
第3章 朝鮮半島の統一はあり得るだろうか?ーP114




関連記事