経済 2018/01/26

トランプのやろうとしていること-後編-




そして、もう一つ大事なのが「ディープ・ステイト」(深層国家)問題です。

これはFBIやCIAなどの諜報機関がアメリカ国民の電子情報を密かに収集・監視していたというものです。監視対象には政治家や裁判官も含まれ、大統領選挙中、トランプタワーも盗聴されていたことが明らかになっています。実際に盗聴・監視を実施していたのはNSA(国家安全保障局)です。


このようにアメリカでは違法に情報を入手した一部の人々が政治家や財界を操ることで、「ディープ・ステイト」としての影響力を有してきました。


まさに戦後アメリカにおける国家の欺瞞が明らかになったと言えます。アメリカ人が信じてきた「自由な国としてのアメリカ」というイメージが崩壊したようなものです。その意味で、今のトランプは事実上の内戦を戦っているわけです。


今年(2017年)5月10日にコミーFBI長官が解任されたのは、彼が「ディープ・ステイト」の有力メンバーとして権力を私物化し、トランプ政権打倒の勢力の一角を占めていたわけです。


この問題については、私が発行する『ケンブリッジ・フォーキャスト・レポート』2017年3月号で詳しく分析しました。


「ディープ・ステイト」問題にトランプがどう対象するかアメリカの民主政治の根幹に関わる問題だと思います。



2017年9月1日発行
藤井厳喜・宮崎正弘著『韓国は日米に見捨てられ、北朝鮮と中国はジリ貧』
第2章 アメリカの大変貌ーP90




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