マネジメント 2017/05/22

学びを実践に変えていく



知性・頭脳の側面について、あなたが見ているであろう内容とは少し異なる角度からお話ししたいと思います。というわけで、今日は「知性・頭脳」という言葉を「学び」という言葉に置き換えてお話をしたいと思います。

「知性・頭脳」は「学び」だけの意味ではないのですが、今日は「学び」を強調していきます。重要な部分ですからね。あなたは学ぶ時に、何をしますか?何かを学び、それを忘れないようにするために、どのような方法をとっていますか?

例えば、読書を例にとってみましょう。読書は大事ですよ。でも、せっかく読み終わっても、しばらくすると内容を忘れてしまうことはありませんか。どうすれば、読書した内容をあなたの人生に生かすことができるのでしょうか。最低でも、何かの時に思い出せるようにするには、どうしたら良いのでしょうか。

大人になって学ぶ際のポイントがあります。様々な人の学びを観察してきて、私はいくつかのことに気づきました。

まず、その本人が学びたいと思っている場合。自らの意思や欲求で、学びたいと思っている場合は、誰かに無理矢理学ばされた時よりも学びは遥かに深くなります。ちなみに、偉大な教師は、生徒に対して何かを教える時に、楽しく、そしてその内容に生徒が魅了されるように教えることが出来るのです。まずは、あなた自身が楽しいと感じる分野を選んで学んでください。

最近の子どもたちは、動画を見たりテレビゲームをしたりしますよね。一体学んでるのだろうか?とハラハラします。でも、一見あまり学んでいないのでは?と思ったとしても、内容を変えてあげたり様々な人や、様々な教材や様々なメディアを使ってあげたりすると、子どもたちは、とてもよく学ぶのです。

東京のインターナショナル・スクールにお邪魔した時に、私は驚かされたことがあります。子どもたちが、先生の指導に従いながら、基本的には自習をして学んでいたのです。その効果は絶大でしたよ。

先生が黒板の前に立って、その科目について教える、というスタイルではありませんでした。生徒たちが、各自インターネットや本で調べたり、資料を探したりしながらレポートを書いて、それを発表する、というスタイルでした。

これは、これまでの学び方とは少し違うアプローチだと思いませんか。そうです、重要なのは、学びを積極的なプロセスにすることなのです。

ただ座って読書するだけではいけません。座って読書し、メモを取る。どのように実践できるか考え、質問をする。自分で更に調べて、調べたことを証明できるようなことがないかまで、調べる。さらに、それを他の人にシェアする。シェアすることで、それはあなたのものになるからです。

同じトピックに興味を持っている周りの人と一緒に実践できる方法はないか、考えてみる。そうすることで、お互い教え合うことができますよね。ここで、無駄なプライドや傲慢さを持っていてはいけません。相手より自分のほうが知識がある、などと考えてはいけませんよ。謙虚さを持って、他の人の話を深く聞いてください。ここまですれば、あなたは学んだ内容を決して忘れることはないでしょう。
あなたの一部となり、実践できるようになります。

私はある時、友人とレストランにいました。朝食を一緒に取ることになっていたのです。彼はレストランに入ってくるやいなや、走ってきて椅子にバーンと座って、こう言うんです。
「ロイス!話したいことがあるんだ!」
「なに?」
「昨日セミナーに行ったんだ! その内容を君に教えないと!! じゃないと、僕忘れちゃうから!!! シェアさせてくれ!!!!」

その後彼は1日のセミナーを20分間でまとめてくれました。そのお陰で私自身も学ぶことができましたし、その時学んだことを実践もできました。

話し終わると彼はやっと、安心したように大きく息を吐いて
「は~。やっと自分のものになったよ」
と言いました。

それ以上、教え合うこともしませんでしたが、でも、この経験があったからこそ、
彼は学びを自分のものにできたのです。その彼は、いつも私に質問をしてくれます。彼は、いつも学びたいと思っているからなんです。

あなたも、読書をする時は、学ぶ、という目的を持って進めてください。あなたの持っている問いに対する答えを見つけるつもりで読書をしてください。それを、積極的に行ってほしいのです。メモを取る。自分の状況にすぐにあてはめて実践する。実践したら、そうした自分を褒める。

知性・頭脳の発展とは、学びが発展していくことなのです。学びを実践に変えていけることなのです。

ありがとうございました。

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