マレーシアで起こった悲劇?
From:ロイス・クルーガー
今日お話しするストーリーは、マレーシアのクアラルンプールで起こった話です。いつものように、スティーブン・コヴィー博士との出張でした。
さて、私たちはクアラルンプールに到着しました。クアラルンプールはとても面白い都市です。マレーシアには多様の文化があるんです。町を歩いてみて、いろいろな文化がひしめき合っているのを見るのはすごく楽しいものです。
この日、コヴィー博士は2,000人の前で話をすることになっていました。地元の会場、アリーナ会場です。博士は歓喜で叫んでいる観客の中を歩いていきました。みんな興奮した面持ちで、コヴィー博士に握手を求めたりしていました。彼らは『7つの習慣』の書籍を読んで、この本を書いた著者がついに来た…と非常に盛り上がっていました。博士がこのように祝福してもらって、私はうれしかったです。
でもコヴィー博士は非常に謙虚だったので、そのように扱われるのが好きではなかったんです。
感謝はしていました。
ですが、そのようなものを求めている人ではなかったんですね。というのも、博士は、人から受けたものに対しては、博士自身の言葉でそれを返すべきだと思っていたからなんです。
観客の前に立って、博士は話し始めました。マイクのシステムがエコーを通して部屋を駆け巡り、みんなは拍手をしたり、掛け声を掛けたりしていました。非常に尊重を持ちながら、盛り上がっていたんです。
すると、あることが起こったんです。
当時のアジアでは珍しくなかったのですが、停電が起こったんです。どうやら、定期的に都市を停電させるんだそうです。10分間だけの場合もありますし、10時間の場合もあると。
今回はコヴィー博士が話していたときに、突然ライトが消えたんです。ですが、スピーカーのシステムは、なぜか消えませんでした。照明だけがなぜか消えて、完全に真っ暗になったんです。窓はほとんどない会場だったので真っ暗になりました。
会場の外にいた私は、入り口のほうに歩いていって中を見ました。席が足りなくて、私はコヴィー博士の話を外から聞いていたんです。会場内を覗いたら、真っ暗じゃないですか。でも、コヴィー博士は一瞬黙って、そのあとこう言いました。
「もし皆さんがお気になさらないのであれば、私は続けます」と。そして、1時間話し続けたんです!完全な真っ暗闇の中で。1人も席を立つ人はいませんでした。みんな聞いていたんです。そのセッションを観客全員が楽しみました。
なぜ今日この話をしているかというと、、、
想像してみてください。あなたが講演をしていて、もし停電になったら、あなただったらどうしますか?
私だったらきっと「今日のセミナーは終わりにして、何かほかのことをしないと」とか、「ちょっと休憩取りましょう」とか、そんなことを言うと思うんです。
でも、コヴィー博士はそうしなかったんです。博士はフォーカスを保つために秩序を保つ、ベストな方法を実践したのです。つまり「教える」ということです。
博士には照明なんか要らなかったんです。ガイドは要らなかった。誰のサポートも要らなかった。どこに向かうか、博士は自分で道を見つけて続けたんです。
私は、そんな博士を何回か見ました。人生では困難なことが色々ありますよね。人生を進んでいくと、何かが目の前に落ちてくることがある。友人に何かがあったとか、仕事を失ったとか、お金を騙し取られてしまったとか、、、
そのようなネガティブなことは起こると思うんです。
そうすると、どうしても道から外れてしまうと思うんですが、コヴィー博士はそのような暗闇の部屋であっても、まったく道を逸れることはありませんでした。
セミナーが終わる直前に、照明が戻りました。でも、最後には大きな拍手、大喝采でした。みんな博士に感謝したんです。
「プレゼンテーションを続けてくれてありがとう」の拍手でした。「素晴らしい話を聞かせてくれてありがとう」の拍手でした。もちろんスライドは見えなかったものもありましたが、その日に皆が教わったことの大きさに比べれば、大したことではありませんでした。
あなたなら、どうしますか?
このような困難が人生に起こった場合、どのように反応しますか?
ぜひ進み続けてください。あなたが進むべき道を進んでください。逸れてしまうこともあるかもしれない。そうしたら、少し時間を取って立ち止まってみてもいいかもしれません。
ですが、停電したから人生につまずいてしまう…などということはやめてください。自ら主体性を持って、ポジティブに進んでいってください。自ら、レモンだったものをレモネード変えていくように。
私の人生にも、いくつかアップ・アンド・ダウンがあったと思います。私は非常に幸運だったので、両親がこのように教えてくれました。
「辛抱しなさい。ベストを尽くしなさい。 小さいことによって人生を止めてはいけない」と。
このような教えは、より大きなものを目指すという私の人格、性格を形作るのに役立ちました。
あなたも同じようにしてください。失敗かもしれないことであっても、困難かもしれないことであっても、スローダウンせず前進し続けてください。あなたの目標を達成するためにしなければいけないと思っていることに対しての歩みを止めないでください。
聞いていただいてありがとうございました。