マネジメント 2017/03/06

人生のターニングポイント



From:ロイス・クルーガー

1999年、私は人生のターニングポイントを迎えました。

予期していなかったターニングポイントでした。私はそのような決断をした自分に驚いたほどです。その時、フランクリン・コヴィー社がコヴィー・リーダーシップ・センターと合併したのです。

フランクリン・コヴィー社の合併は私にとって大きな困難でした。まったく新しい文化の人々と突然仕事をしなければいけなくなったからです。正直、私はその人たちと一緒に仕事をする準備ができていませんでした。私はスモールビジネスが好きなんです。なので、2,000人、3,000人がいきなり増えることは、私にとっては少し難しかったんです。コヴィー・リーダーシップ・センターにおいて私は人間関係を築くことを教えてきたので、そこでは私は非常に強い人間関係を築いていました。

人間関係ができていれば、難しいことや問題があっても悪化する前に話しあうことができました。そのような優れた人間関係ができていたんです。

ある日、私は気付きました。私とは違うマネジメントが必要なんじゃないか、と。なので私は辞めることを選んだんです。でも完全に辞めたのではなくて、3年前ぐらいから仕事をしていて今まで見ていたライセンシーのところに今度はプレゼンターとして赴き、2~3年そこで仕事をしました。

ライセンシーのところで2~3年働いていたあと、コヴィー博士が訪問していたバンコクに私も同じタイミングで行くことがありました。そしたらライセンシーがこう言ったんです。

「ロイス、コヴィー博士に会いたいですか?」

私が、ぜひ会いたいですと言うと、彼らは時間を調整してくれました。

私はコヴィー博士がプレゼンテーションする会場に少し早く行って座っていました。するとコヴィー博士が来ました。博士は私のテーブルのほうにささっと歩いてきて大きなハグをしてくれました。そして、元気か?と言ってくれました。そして少し会話をしました。私は彼の「第8の習慣」を取り出してサインを求めたんです。そうしたら彼は何か書いたんですね、ぱぱっと。そして本を私に返してくれました。

他の人もコヴィー博士に挨拶するのを待っていたので私は立ち退き、ほかの人と話したりしていました。そのあと、自分のテーブルに戻ってサインしてもらった本を見たんです。そうしたら、サインのところに

「Come home little Sheba(愛しのシバよ帰れ)」

と書いてあったんです。


私は笑顔になりました。1952年に公開された「愛しのシバよ帰れ」という映画があったんです。小さいシバという犬の帰りを待つ…という場面が出て来る話なんです。そんなふうに私のことを言ってくれるなんて素晴らしいなと思ったんです。また戻ってきて、会社で働いてくれということだったんでしょう。そんなふうに思ってくれていたなんて、知りませんでした。でも、私はそのときの仕事が好きだったので、そのままでした。

私は今でもそのときのことを考えます。もしあのときに会社を辞めなかったらどうなっていただろうか?私は今ごろどうなっていただろうか?

でも今は独立し、自分のビジネスをやって非常に楽しんでいます。

さて、ここから何を学べるでしょうか。まず1つ目に、素晴らしい人間関係、素晴らしい友人というのは永遠のものです。尊重しあえる人間関係、お互いのことを思い合って貢献し合える友情は永遠に続きます。

私コヴィー・リーダーシップ・センターのインターナショナル部で、ビジネスをスタートアップとして始めたときに、ヨハネスブルグにいる友人がこう言ったんです。

インターナショナルでビジネスをするのは、アメリカでビジネスをやるのとは違う。なぜなら、信頼や尊重が非常に重要になるからだ。

ですからあなたもぜひ、尊重がある人間関係を築いてほしいんです。

きちんとした人間関係があれば、合意した契約書があったとしても、あなたのミスがあったとしても、おおごとにはならないんです。

私はライセンス契約をする時は必ず、この時にもらったアドバイスを思い出していました。その結果、彼らは私に金銭的な報酬を与えてくれただけではなくて、私が独立したあとも人間関係を保つことができました。金銭的にも感情的にも報酬を得ることができました。あなたも人生を歩んでいくときに、人間関係を大切にしてください。

あなたが会う人全員が、将来のクライアント、将来の友人になる可能性がある人です。あなたが1人だけではできないことを助けてくれる友人になるかもしれないんです。私の友人やサポートしてくれている人はずっと私を助けてくれています。

そこから私は1つの原則を見いだしました。それは私の人生に大きな影響があったんです。国内でも国外でも人間関係を築くこと。質の高い信頼に基づいた人間関係があれば、あなたの生産性の基盤になります。

そこからお金が得られれば、それはそれでいいかもしれないですが、お互いの尊重がある人間関係、楽しくビジネスをできる人間関係が本物の素晴らしい人間関係です。

コヴィー博士に「愛しのシバよ帰れ」と書いてもらって、私はすごくうれしかったんです。きっと「とてもあなたのことが恋しい。帰ってきてくれ。」という意味だったと捉えています。私は結局戻りませんでしたが、コヴィー博士の「戻ってきて」というメッセージには非常に感謝しています。ぜひそのような人間関係を築いてください。

ドラマのように批判的な議論をするだけだったり、ビジネスを感情的に進めたり脅威を感じさせるような人間関係ではなく、良い環境をつくってください。

どんなことについても話せる安心感を持った会社、仕事を超えてもお互いを楽しめる人間関係を築いてください。

私の考えを聞いてくださってありがとうございました。

あなたとセミナーやワークショップでお会いできるのを楽しみにしています。

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