習慣 2016/08/16

あなたは主体的に毎日を生きていますか?


今日はあなたに、コヴィー・リーダーシップ・センターの黎明期について、
そして私がそこでした経験について、お話ししたいと思います。

これはもう何年も前の話ですが、
世界に飛び立っていった偉大な企業の初期の頃のことを思い出すと、
また、スティーブン・コヴィー博士という素晴らしい人物と
一緒に仕事をできた、という経験のことを思い出すと
まるで昨日の事のように感じます。

これらは私にとって最高の思い出です。
その思い出を一冊の本
「『7つの習慣』のコヴィー博士の教え」
にまとめました。
その本の中から、あなたに特にご紹介したいストーリーをお話しします。

今日のストーリーは 「シヴィックにぎゅうづめ」 です。

シヴィックというのは、1980年代に私が所有していた
車体後部に上に開く大きなドアがある、ホンダの自動車です。
私はその車をとても気に入っていました。

Stephen R. Covey & Associates が、
「Master of Executive Excellence」 という製品名の
最初のプログラムを発売しようとしていた頃、
私達は、南カリフォルニアのエリアにフォーカスしていました。
そして、対面でのマーケティングの必要性を強く感じていたのです。

ところで実際にロサンゼルスに行くと、
ロサンゼルスの街がこんなにも広大で、人が多くて、
しかも人口密度が高いことに驚きました。

ソルトレイクシティからロサンゼルスまで
何台かの車に分かれて行きました。
私の車はすごく小さかったけれど
街中を移動するにはちょうどよい車でした。

同じ頃、コヴィー博士は、
サンディエゴにあるYPO(Young President Organization)という
世界の若手経営者が集う会での講演の契約を結んでいました。

サンディエゴは、ロサンゼルスから車で行くには
そこそこ遠い…という距離でしょうか。
博士がサンディエゴに行く、と聞いた時、私達は
「博士もロサンゼルスに来て、イントロダクション・セミナーを行い、
 そこでサンディエゴでの講演の参加者を募ったらどうだろう」
と提案しました。

博士はそれに同意しました。
これにより、売上も大きくUPすると思ったので、
私達もワクワクしていました。

ちなみに繰り返しますが、これは会社をこれから始める、というタイミングでの
最初のプログラムです。
それが12,000ドル(約120万円)と想像してみてください。
最初の商品が、その値段なんですよ?

私達は、その金額で買ってくれる人を、必死で探しました。
当時それは米国で一番高価なトレーニング・プログラムでした。
それだけでなく、誰もスティーブン・コヴィーのことを知らなかったんです!

「スティーブン・コ…誰?」
「7つの…しゅ…何?」

ユタ州の小さなコミュニティ以外では、
スティーブン・コヴィーは知られていなかったのです。
ですから、セールスは大変でした。

でも、博士が来て講演してくれることを本当に楽しみにしていたんです。
絶対に素晴らしいイベントになって
セールスも大成功すると確信していたからです。

というわけで、博士と奥様のサンドラをサンディエゴに送り届ける計画を練り、
そこからロサンゼルスまでの移動の手配を考え始めました。
そこで挙がった一番簡単な方法は、誰かの車を使うことでしたが、
使える車は私の車だけだと判明したのです。
なので、私の車でスティーブンとサンドラをピックアップして、
ロサンゼルスに行こうということになりました。

それは良いのですが、なにせ車が小さかったので、少し心配になりました。
更に悪いことに、セールスの担当者が「一緒に行きたい」と言い出したのです。

そうなると、2ドアのセダンのハッチバックに4人が乗ることになります。

小さい車に大人が4人乗る。
無理ではありませんが、快適でもありません。

私とセールス担当者の2人はサンディエゴに向かいましたが、
すこし時間を読み間違えてしまって、やや遅れての到着となりました。

すると、ホテルのロビーで山積みの荷物と共に、
スティーブンとサンドラが私達の到着を今か今かと待っているではないですか。

2人を後部座席に乗せ、さらに荷物を車に積み込み始めました。

が、、、、

積み始めてすぐ、もう車が爆発してしまうんじゃないかと
心配になるほどでした。

荷物の量と、この人数。入るのか?と。

でもなんとか全てを積み込めました。
車の上に紐でくくりつけなくても済み、
シビックに全てを積み込んで、ロサンゼルスに向かいました。

そしてガソリンのメーターを見ると…ほとんどありません。。。

あと45km位はなんとか走れそうだったので、耐えて耐えて走りましたが、
ついに、もう給油しないとマズイ、というところまできました。
ちなみに、時間もカツカツだったんですよ。

私は恥ずかしい気持ちになりました。
だってスティーブンは、いつも

「刃を研げ」
「ガソリンを入れておけ」
「準備を怠るな」

と教えてくれていたのに、その時の私は完全に準備不足、
小さな車に皆でぎゅうづめです。

きっと窮屈だったに違いないでしょうが、彼は全く文句を言いませんでした。

ついにガソリンスタンドに立ち寄りましたが、
そのポンプが、これまたノロいんです…。

とにかくガソリンは入れてロサンゼルスに向かいましたが、
やはり少し予定より遅れていました。
ですから、もう車の速度制限を突破するしかありません。
スティーブンとサンドラを乗せているのに(笑)

というわけで、申し訳ない気持ちにはなりましたが、
無事ロサンゼルスに時間通りに到着しました。

イベント自体も素晴らしいオープニングが用意されて行われていたので、
スティーブンの講演時間にも無事間に合いました。

スティーブンは文句ひとつ言わず、
私達がベストを尽くしたことを尊重してくれました。

でも私は、その時のことを思い出すたびに、感慨深いというか…
思い出深いけれど、忘れてしまいたいような体験でもあります。

その後何年も、スティーブンは私の車が小さいことをからかっていました。
これは思い出ですから、心の中にあることであって、
良いことも悪いことも含めて、特に人に話したりすることではないですが…

ただ、私にとって、これは本当に素晴らしい経験でした。
スティーブンの人間性を学ぶことができたからです。
小さいことを大ごとにするつもりはありませんが、
本当に彼のことを、この経験から学べたんです。

というのは、非常に困難な状況において、彼は非常に協力的でした。
心配そうにしているのは感じましたが、
文句ひとつ言わず私を尊重してくれました。
素晴らしいですよね。

同時に、私はどうしたらその時、より良くできたのか?と考えるんです。
私は、スティーブンの会社が始まって
まだ一緒に働き始めたばかりの段階でした。
そこで気づいたのは、自分の働く会社において、
7つの習慣を実際にモデリングして、それに従って生きることが、
とても価値があることだということでした。

もし当時の私が、

第1の習慣(主体的である)
第2の習慣(終わりを思い描くことから始める)
第3の習慣(最優先事項を優先する)

を、もう少ししっかり実践できていたなら、
そもそもあんな状況にはならなかったのでは、と思います。

スティーブンはもちろんのこと、
周りの人達は、7つの習慣を実践していました。

もし私がもう少しきちんと準備をしていたら…
運転時間や距離をしっかり見積もっていたら…
何人車に乗るのか確認していたら…
ガソリンは満タンか確認していたら…。

私がもっと主体的に計画し、
終わりを思い描くことから始め、その計画通りに実行すれば、
あの日はもう少しマシな日になったのではないでしょうか。

幸運にも、私は学び、成長することができました。
おそらく、会社の成長と同じスピードで私自身も成長できたと思っています。

会社は急速に成長しており、私も自分を磨いていくことができました。
もちろん完璧に効果性の原則を極めて生きているとは言えませんが、
原則に従って生きることで、欲しい結果を手にしてきたように思います。

毎日、何をするか優先順位を考え、
終わりを思い描くことから始め、
日中は主体的に行動し、
周りの人々のために環境を良くすることに努める…。

このようにしてきたことは、私の人生に大きな影響を及ぼしました。

ですから、スティーブンは、彼自身のことを教えてくれただけではなく、
私が人生を通じて使うことのできる原則を教えてくれたのです。

だから、私からあなたにお伝えします。
毎日時間をとって、あなたが今日1日実践し、
向上させたい原則を決めてください。
そうすれば、人生で得られる結果がより良いものになるでしょう。

私が非常に素晴らしいと思う原則があります。
それは主体性の中で教えられている原則です。
自分の選択には自分が責任を持つ、という原則であり、
これは親が子供に対して教える原則でもあります。

どのような状況であれ、自分の選択には自分が責任を持つ、と。
つまりは、自分で選択することが出来る、ということなんです。

あの日、ぎゅうづめのシヴィックの中で
スティーブンとサンドラは自ら反応を選択しました。
窮屈だったに違いありません。
でも、景色を見ながら移動を楽しんでいたんです。

今思うと、これは本当に至高の体験だったと感じます。
私の人生においてネガティブになり得た経験が、
最高にポジティブな経験になったのですから。

最後に、私の思い出からひとこと、あなたに申し上げます。
苦境に立たされた時には、楽しみながら、原則を試してみてください。
あの日の私みたいに、原則をすっ飛ばしてはダメですよ。

お読みになってくださり、ありがとうございました。

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