マネジメント 2018/08/19

「ジャスティン・ビーバー流」ビジネス戦略


From: ダン・ケネディ

かなり前の話になりますが、コンビニでティーンのポップスター、ジャスティン・ビーバーが「フォーブス」誌の表紙に載っているのを見かけました。

その記事は、当時18歳になったばかりのビーバーの起業家としての一面に焦点を当て、いかに彼がビジネスに関して機敏で、自らも関わりながら音楽を超えたものに成長させているかについて書かれていました。

彼はデビューしてわずか3年で1億5000万ドル(150億円)も売り上げましたよ。プロデュースした香水のサムデイは発売から最初の6ヶ月で6000万ドル(60億円)もの売上がありました。これらはビーバー個人にたった1年間で5500万ドル(55億円)、その前の2年間では1億800万ドル(108億円)もの収入をもたらしたのです。

またこの記事によると、彼のハイテクに関する知識や社会的影響、そして急速に稼いだお金を利用して、ビーバーは自身の富を存続させるためにスタートアップ会社への投資を始めたそうですよ。さらに驚くことに、彼はそれをまだ音楽業界に飛び込んだばかりの頃から始めていたのです。

彼のマネージャーによると、ゲーム会社のSojo  Studios(ソージョー・スタジオ)やダニエル・エクにより設立された画期的なデジタル音楽配信サービスSpotify(スポティファイ)など、ジャスティンが投資する IT会社は10社以上にのぼります。また、彼はビジネスマネージャーや弁護士と毎週会い、ビジネスや自分のキャリアマネジメントについて学んでいるそうですよ。

彼は18歳にして歌手としてのキャリアと関連商品で巨額のお金を稼いだわけですね。ツアーを行い、イベントに出席し、香水やそのほかの商品販売と、毎日非常に忙しい人物です。リリースされたアルバムのツアーが 全世界で行われ、その収益は8000万ドル(80億円)にもなると試算されていましたね。しかし、彼がもっと年を重ねてベテラン歌手になるまで、ほかのビジネスに手を出すのを待っていたらどうなっていたでしょうか?

たくさんの人はそうしますね。そう、待つのです。

そして、それは大きな間違いです。

私がクライアントに教える一番大切な成功の鍵は、連続的ではなく同時的であれということですよ。ほとんどの人は若いうちから、何かを始めるときは一連のステップの中で直線的に進歩していくように植え付けられてしまっています。

そうしながら階段を1段1段と這い上がっていくのです。学校でも、スポーツでもボーイスカウトでも、皆1のレベルから次のレベルへと段階的に上がっていきますね。

残念なことに、これは人々を自分の世界を持った起業的クリエーターではなく、企業や政府の官僚政治に適した操り人形に育て上げる最適な方法なのですよ。そして彼らはしばしば、最終的にどこかへたどり着く前に、連続して前に進むことに疲れ果ててしまうのです。

例えば、ほとんどの人はお金のことに関しては手順を踏んでいきますね。最初に仕事と収入を得る、そして車や家を手に入れる、それから残ったお金を貯金し、ある程度の貯金が貯まると投資を始める、そして経済的な安定を得るために投資を管理する…しかし、一体どれだけの人がそこまでたどり着けるのでしょう。

アーノルド・シュワルツネッガーが自分の住む家を借りずに 友人たちのアパートを転々とし、ソファで寝る生活を送りながら収入を不動産に投資していたことは有名ですね。ホームレスの不動産投資家なんて想像できますか!そして最後には非常に裕福な資産家になったのですよ。

正しいアプローチ法として、最低でも全収入の何パーセントかを貯金に回すとあらかじめ決めておくことです。

最も大切なことは現在から未来へと順を追うのではなく、ビーバーのように仕事を同時進行させることなのです。それから、一連の法則なんていうものはないことを覚えておいてくださいよ。あなたがやるべきことは未来を現在まで引っ張ってくることであり、遠い時間や場所にある未来に追いつこうとすることではないんですからね。

それに関するもうひとつの原則は準備が整う前から始めることです。あなたがいつかやろうとしていることを、たとえ準備が整っていなくとも、とにかくなんでもいいから今始めるのです。ビーバーが15歳でビジネスの決断をする準備ができていたと思いますか?きっとできていなかったでしょうね。しかし、彼はとにかくやってみようと手伝ってくれる人を探し出し、自分自身でやる方法を学ぶことにしたのですよ。

私の友人で素晴らしいセールスライターであるゲイリー・ハルバートは、「行動は考えを凌ぐ」と言いました。以前、私が2年かけて各地で講演をした際に、一緒に仕事をした陸軍大将のノーム・シュワルツコフでさえ「間違ったスタートは何もしないよりもいい、1度始めたことを軌道修正するのは何かを一から始めるよりも簡単である」と主張していましたよ。

同時的ビジネスの戦略を練るために3つのコラム(欄)を作って みましょう。まず1つ目にはあなたの「現在と短期的目標」、2つ目には「近い未来と中期的目標」(3-5年後)、そして3つ目にはあなたの「未来と長期的目標」(5-10年後)を書き込みます。

それから、そのコラムに書き込まれているすべてのことを「できること」または「少なくとも今始められること」に分けていきます。例えば、1つ目には中期的、もしくは長期的なビジネスビジョンには当てはまらないが、もしかすると少額の収益が見込めるローカルビジネスグループ、ネットワーク、見込み客、顧客、患者などと話に行くこと。それと同時に毎日少しの時間(例え15分でも)を割き、3年後には出版できるようにプロモーションのための本を書くこと、そして、これも同時進行で5年、あるいは10年後のために、自分が専門にしたい分野におけるオピニオンリーダーとの繋がりを毎日作っていくことなどが挙げられます。
コラムに書かれたすべてのことを毎日実行することにより、2段階、3段階先の目標を永遠に遠ざけてしまうのではなく、今現在自分のいるところまで引っ張ってくることができるのです。

「フォーブス」誌のビーバーに関する記事は、「いつかビーバーは自分の歌ではなく、彼の投資がもたらす資産によって裕福な人生を歩むかもしれない」という言葉で締めくくられています。あなたも自分の目標を明確にしましょう。そして3年後、5年後、7年後、そして10年後の目標に向かって毎日頑張るのです。そうすれば、あなただって今の自分が目指している将来を手にすることができるのですよ。


-ダン・ケネディ


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