戦略 2018/06/23

遅れはセールスの死


From:藤岡将貴

先日、自宅のポストを見たら、幼児や小・中・高校生を対象にした通信教育プログラムの販売で有名なある企業から、ダイレクトメールが届いていました。

たしかに、最近うちには子どもが生まれたけど、どうやってそれを知ったんだ??と思って奥さんに聞いてみると、、、「粉ミルクを抽選で_名様に無料で差し上げます!」という広告を見たらしく、それに申し込んだ、とのこと。その広告主がこの会社だったんでしょう…

なるほど…そうやって無料オファーで見込み客を集めて、ダイレクトメールを送ってきたんだな…まだ一度も買っていない人にもお金のかかるオフラインのダイレクトメールを送ってくるとは…それでもペイできているんだな…さすが、クオリティの高いダイレクトメールをめちゃめちゃ送ってる会社だけあるな…などと思いつつ。

僕も、なんとなく、幼児教育は早いに越したことはないんじゃないか?ということを漠然と思っていて。でも、まだそれを「問題」だとは思っていない程度の意識レベルでいたんです。


で、そのダイレクトメールを開封すると、、、


ダイレクトメールの中には、幼児向けのマイクロコンティの教材のパンフレットが入っていました。送られてきたパンフレットを見ると、「感性・知性・運動機能への良質な刺激がよりよい育ちにつながる。玩具と絵本がその刺激を与えてくれる。」的なことが書いてありました。

そのちょっと前に、子ども向けの教育コンテンツビジネスをされていた経験のある社内の方に話を聞いたときも、まだ首も座っていない時から体を動かしたり、絵本を読み聞かせてインプットを増やすのがいい、というようなことを言っていました。

その後、たまたまあるお客さんと話をしたときに、彼は1歳のお子さんがいらっしゃるんですが、彼もこの会社のプログラムだけは申し込んでやっていた、とおっしゃっていました。

そんな社会的証明もあり、この会社は教育分野ではかなり有名だったこともあり、僕はこのプログラムに申し込むことにしました。


で、詳しく商品内容を見てみると、、、


生後6ヶ月から毎月、玩具と絵本が送られてくる、と。でも、その前に「特別号」というのがあって、赤ちゃんが寝ながら遊べるプレイマットというものが送られてくるようでした。

でも、うちにはすでにプレイマットがあったので、「同じようなものは2つはいらないよねー」と。なので、「特別号なしで申し込めないか?」と、パンフレットに書いてある電話番号に電話して聞いてみることに。

すると、オペレーターの女性につながりました。その女性は、長々した説明の末、「先にクレジットカードまたはコンビニ払いでお支払いしてください。で、あとからインターネットの会員ページから変更できるよ。」的な、ちょっと意味がわからない説明で。先に特別号込みのお金を支払って、あとから一部返金してくれるってこと?ちょっと不信感というかめんどくさい感じになってきました…


次の彼女の言葉には驚きました…


僕のそんな感じを察したのか、次に彼女はこう言いました。「それか、10月後半ころにページにアクセスしてもらえば、特別号がないお申し込みページが表示されるので、その頃にページにアクセスして申し込んでください。」と。これには正直驚きました。僕は「わかりました。10月後半頃に、またページにアクセスしてみますー」と言って、電話を切ることに。結局、その日は申し込みをしませんでした。。。

さぁ、僕は、今から4ヶ月後の10月後半まで、この話を覚えていて、ウェブページにアクセスするでしょうか?今のところ、そのつもりでいます。でも、忘れるかもしれません。そのうち、もっと他の良さそうな教材を見つけるかもしれません。4ヶ月後には買う必要がなくなっているかもしれません。


遅れはセールスの死


たった僕1人のお客さんを失ったとしても、この会社としてはまったく問題ないのかもしれません(実際そうでしょう)。でも、1人のお客さんを失うか獲得するかで、売上が大きく変わってくるビジネスでは、これは大きな問題です。でも、それ以上に深刻なのが、「遅れはセールスの死」ということを、お客さんと直接接するオペレーターが理解していないことです。これを理解していなければ、きっと、またいつか、同じ過ちをすることもあるでしょう。

この会社の場合、僕が電話した時点で特別号なしでも受ければいいのに…あるいは、「特別号がセットになったものしか申し込めないんです。」といって、選択肢をなくせばいいのに…と。(たぶん、そう言われたら、「じゃあ、特別号がセットのものでお願いします。」とその場で言ったでしょう)「またあとで」という選択肢をなくす方法を取るべきだった、と。

そして、僕が驚いたのは、それをお客さんである僕の方から言ったのではなく、売り手の側から「またあとで」という道を提案をしてきたことです。これは大問題です。これは、買う気マンマンでいたお客さんを自ら遠ざけた、と言うことです。

お客さんが「またあとで」と言ってしまう道を、全部塞がなければいけません。相手が「買いたい!」と思った瞬間にすかさず買えるようにしないといけません。"今買わなければいけない理由"を伝えなければいけません。なんなら「今申し込めば__もプレゼントします!」と言ってもいい場合もあるわけです(そこにコストがかかったとしても、今、商品を買ってもらえれば、後でそれ以上に回収することができるなら、、、払うべきコストですよね?)。

あなたは、そんな間違いしていませんか?あなた1人ができていたとしても、他の社員やスタッフの方も全員理解していますか?ぜひ、今一度見直してみてください。でないと、あなたが知らず知らずのうちに、みすみすお客さんを手放してしまっているかもしれませんので。このオペレーターのように。。。

-藤岡将貴

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