戦略 2018/11/24

恐るべし感情のパワー


From:藤岡将貴

今日は「感情のチカラって、やっぱりすごいなー」と改めて感じた出来事があったので、そのお話をしたいと思います。それはベビーカーの話です。今から6ヶ月ほど前、子どもの出産後に、ある1台のベビーカーを買いました。それはこんなやつです。


まったく同じではありませんが、だいたいこんなタイプです。このベビーカーを買うにあたり、うちの奥さんは出産前から友だち何人かに話を聞いていました。「どんなベビーカーがいいのか?」と。すると、友だちは、、、

「抱っこが良くてベビーカーに乗らない子もいるし、最初は乗っても途中で嫌になる子もいるし」「軽い方が駅とかデパートの階段で持ち上げる時に楽」「大きいとスーパーとかで移動するのが大変」「一時的なものだから、そんなにいいやつは買わなくていい」「買ったけど、結局何回かしか使わなかった」

そんな意見が多かったようなんです。それらの意見をまとめて、重さが軽いシンプルな作りのもので、最悪、乗らなくなっても痛みが少なくて済むように、ほどほどの値段のものを買うことにしたんです。

それで、かれこれ6ヶ月使ってきたんですが、今月になって、急に今さら、別のベビーカーが欲しいと言い出したんです。それはこんなやつです。


うん、たしかに、こっちの方が3輪で珍しいしカッコいい。とはいえ、パンフレットをちゃんと見たけれど、機能的にはほとんど変わりありません。むしろ、サイズが大きくなるから、エレベーターに乗る時とか、電車の中の移動とか、今よりも不便になります。タイヤも大きいし、フレームも太くてごついためか、重さも重くなります。そうなれば、駅の階段などでは、今まで僕が持ち上げて上り下りしていたけれど、それもしんどくなります。

唯一、機能的に優っている点と言えば、ブレーキが付いていることくらい。でも、正直、ブレーキが必要になるケースが想像できません。それに、値段も7万円くらいします。子どもによっては3歳くらいまで乗る子もいるとはいえ、もう6ヶ月も使ってきて、今さら7万円払って新しいのに変えるって…「もう今使っているやつでいいじゃん?」と。


なぜ、今頃になって急に3輪が欲しいと言い出したのか?


それにしても、今のものを買う前に、さんざん友達に聞いたり、お店に行って見たりしてきたけど、一度も3輪がいいなんて一言も言わなかったくせに…なぜ、今頃になって急に?軽い方がいい、小さい方がいい、値段も手頃なやつがいい、としか言ってなかったのに…僕にはそれが不思議だったんです…

それで、詳しく話を聞いていくと…その理由がわかりました。どうも、出産前に通っていた産婦人科で、出産に向けての準備などの研修を一緒に受けていた方が近所にいるらしく。その方とたまたま3ヶ月検診かなにかでばったり会ったとのこと。その時に、その方のベビーカーが、白いフレームの3輪で、めちゃカッコよかったと。それに比べて、ウチのは黒い普通の4輪。だから、その日、その方とベビーカーを並べて一緒に帰るのがめちゃ恥ずかしかったと。その方のベビーカーと比較することで、今まで一度も思ったことがなかったのに、今のベビーカーのいろんな部分がダサく見えてきたようなんです。

一度そう思ってしまったら最後。その後、スーパーに行ったり、街を歩いていても、みんな3輪のベビーカーで、こんなダサいの乗ってるのウチだけじゃない?って言うんです。いやいや、そんなわけないし(笑)「人間は、ある1つのことを意識すること、それに関する情報が無意識に自分の手元にたくさん集まってくるようになる」なんてカラーバス効果というものがありますが、まさにそんな状態なんです。


"論理的な選択"を一瞬で覆したものとは…


友だちに聞いて、何度もお店に見にいって、実際に動かしたり持ち上げたりまでして、"論理的な選択"で買ったベビーカーにもかかわらず、一瞬で、今まで眼中にもなかった3輪のベビーカーを衝動的に欲しくなってしまった理由…それこそが「恥をかきたくない」という感情からくる「見栄」なんですね。

今のベビーカーを引いている時に、その同級生のママ友に会いたくない…一緒に並んで歩いて比較されたくない…次に会う前に私も3輪のベビーカーにしたい…そんな感情なんですね。すごいですね、感情って。乗っている子どもにはまったく関係がなくて、単に自分が恥をかきたくないという見栄のためだけなんですが(笑)散々、論理的な思考をしてきた彼女が、見栄で、今からもう一度7万円払ってベビーカーを買おうと言うのですから。


セールスライティングでも古くから使われてきている「恥」という感情…


この「恥」といった感情は、古くからセールスライティングでも使われてきている、すごく強力な心理トリガーです。セールスライティングで使う場合には、本人が自分でも気づいていないうちにやっている恥ずかしいことに気づかせることがポイントです。


例えばこの肌用のクリームの広告。ヘッドラインは「また断られた」。この絵は、ダンスパーティーで一緒に踊ろうと誘っても、いつも断られる青年…でもその理由を本人は全然気づいていない…というシチュエーション。「もし、あなたもこんな恥をかいた同じような経験があるのなら、その理由は、肌の黒ニキビのせいかもしれないですよ」と気づかせて、肌用クリームを売る、という広告です。これと同じ手法で売られていたのが、あの「リステリン」です。こちらは「口臭」ですね。「あなたが周りの人から避けられるのは、口臭が原因かもしれないですよ」と気づかせて売っているんですね。

さて、今日は、これまでも僕たちのメルマガやビデオなどで「強力ですよ」とお伝えしてきましたが、今回、改めてそのチカラを身をもって実感した「感情のパワー」についてお話しました。この感情のパワーをあなたの広告にも使えないか、ぜひ、一度考えてみてはいかがでしょうか?


-藤岡将貴


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