戦略 2018/11/17

ヤバい…これは運命的な出会いだ…


From:藤岡将貴

これは、先日、京都にある酒造に行った時の写真。正面にある看板をよく見てください。


これがアップの写真です。「藤岡酒造」と書いてありますよね?そうなんです、僕と同じ名字なんです。日本酒が好きな僕にとっては、これだけでもシンパシーを感じるんですが、、、実は、それだけじゃないんです。もっと驚くことがあったんです。それがこちらです。


これ、この藤岡酒造さんで販売している「蒼空(そうくう)」という銘柄の日本酒なんですが、なんと、、、今年の5月に生まれた息子の名前「蒼空(そら)」とまったく同じ漢字なんです!

すでに生まれてくる我が子の名前を「蒼空」に決めて、予定日も近づいてきた今年の春。コンビニで立ち読みした日本酒の雑誌で、この藤岡酒造さんの「蒼空」という日本酒を見つけた時には、本当に鳥肌がたちました…そして心の中でこうつぶやきました…「これは運命だ…」と。そして、暑さも和らいで、子どもを外に連れ出せるようになったら、いつか子どもを連れてこの酒造に行こう…と誓いました。そして、それから数ヶ月…ようやく実現することができたんです。

店内にはバーカウンターもあって、ちょっとしたアテと合わせながら堪能できました。何種類かの「蒼空」をいただきながら、1時間ほど過ごしました。最後、お店を出る際には、来年のお正月用にと、3本買いました。


さらに、この「蒼空」の文字が入ったグラスも書いました。このグラス、ひとつ2600円もするんですが、「これはここでしか手に入らないものだから」という理由で、迷わず2つゲット。来年のお正月、このグラスで「蒼空」を飲みながら、お節料理を食べるのが今から楽しみでなりません。

「来年からも毎年、年末にはここに来て、お正月用のお酒を買おうね」という話を奥さんとしながら、お店を後にしました。


究極のカスタマイズ


なんだかんだ、日本酒とグラス合わせて2万円近く払ったわけですが、その理由は、完全にうちの息子にカスタマイズされた商品だったから。もちろん、意図したカスタマイズではなくて、偶然のカスタマイズですが(笑)、それが買う理由になったんです。そうでなければ、一生飲むこともなかったかも…少なくとも、グラスは絶対に買うことはなかったでしょう。

でも、もし、こんなカスタマイズを戦略的にできれば…お客さんに個別の商品やサービスを提供できれば…こんなふうに買ってもらう理由になると思いませんか?

以前、とあるマーケティングの書籍に、こんなことが書いてありました。ビジネスの差別化戦略には3種類ある、と。1つは商品。最高の品質、最新の技術を使った商品。もう1つは手軽さ。手軽に買える価格。手軽に手に入れられる便利さ。そして、もう1つが「顧客に合わせる」という方法です。


中小企業の生き残り戦略「顧客に合わせる」


そして、その書籍には、僕たち中小企業が生き残るためには、長期的に見れば、「顧客に合わせる」という戦略をとるしかなくなる。というようなことを言っていました。

例えば、商品で差別化しようとした場合を考えてみましょう。最初は画期的な商品やサービスを生み出せたとしても、いずれ、大手にマネされてしまうでしょう。また、大手の方が資金も人材も豊富ですから、その商品やサービスを、オリジナルよりも、もっといいものに改善されてしまうでしょう。また、それを世の中に広めるマーケティングも、広告費をかけられる大手の方が圧倒的に早いでしょう。

手軽さについては、言うまでもないですよね?仮に、マクドナルドよりも安いハンバーガーを作ったとしても、それを長期的に続けながら利益を出す体質を作ることは、たぶん無理ですよね?世界中から安く食材を仕入れるインフラをもったマクドナルドだからこそできること、ですよね?手に入れやすさで言ったら、どんな商品もアマゾンには敵いませんよね?

もちろん例外のケースもあるとは思いますが、おそらく、中小企業が、もっとも長期的に生き残りやすい戦略が「顧客に合わせる」と言えるでしょう。

では、これは以前にもお話したことがありますが、改めて、顧客に合わせる3つの方法をご紹介したいと思います。


(1)ニッチ、専門化する


お客さんはより専門化されたものを欲しがるものです。もし、あなたが整体院を経営しているのなら、「社長のための集客セミナー」よりも「整体院のための集客セミナー」の方が参加したいと思いますよね?そんなふうにニッチ化、専門化が進んでいる業界は、例えば、女性ファッション誌業界があります。

男性の方はご存知ないかもしれませんが、女性ファッション誌には、「赤文字系」「青文字系」「紫文字系」「黒文字系」と呼ばれている4つのジャンルがあるそうです。ざっくり言うと、男性にモテそうな「赤文字系」、個性的な「青文字系」、赤青の良いとこ取りの「紫文字系」、カッコイイ大人ギャル系の「黒文字系」ということなんです。ただ「20代前半の女性向けのファッション誌」よりも、こんなふうに専門化されていたら、もちろんそっちの方が自分にピッタリの情報が得られることが期待できますよね?それに、専門化した方が信頼してもらって、プロっぽい印象を受けてもらいやすいでしょう。


(2)お客さんに合わせてカスタマイズする


例えば、わかりやすい例が、一戸建ての住宅ですね。1つのテンプレというか型で作られた「建売の住宅」に対して、お客さんの要望に合わせて作るのが「注文住宅」です。

おそらく、一般的に、カスタマイズして作る商品の方が、手間と時間がかかるので大量に生産できませんが、その分、高価格で売ることができるでしょう。人材や設備などに多大なコストがかかる大手は、ある程度効率化を重視せざるを得ないでしょうから、これは中小企業だからこそできる戦略と言えるのではないでしょうか。


(3)レコメンド(推薦)


2番目の「カスタマイズ」が、お客さんの要望に合わせた商品やサービスを作って提供する方法に対して、この「レコメンド」はお客さんに合った商品を紹介してあげる、という方法です。

この方法で有名なのが、アマゾンのレコメンド機能です。例えば、アマゾンでダン・ケネディの「億万長者のビジネスプラン」という本を検索すると、このように「よく一緒に購入されている商品」「この商品を買った人はこんな商品も買っています」という欄に別の商品が紹介されます。


これは、アマゾンでこのダン・ケネディの「億万長者のビジネスプラン」という本を買った人が、他にどんな本のページを開いたか、どんな本を買っているか、というデータをもとにオススメ商品として紹介しています。

こうすることで、お客さんの方からしたら、欲しい商品や情報を探す手間なく、すぐに見つけることができますよね?僕も、アマゾンでボールペンを購入した時に、そのボールペンの替え芯が紹介されていて、買った経験があります。もともと一緒に買いたいと思っていたので、探す手間が省けて便利だなー、と思いました。


レコメンドで「ついで買い」を促す


このレコメンド機能は、もちろん売り手側としてもメリットがあります。というのも、今のボールペンの例で言えば、ボールペンを買いたいと思って探した人が、替え芯も欲しいとは思っていない場合があり得るからです。でも、「これを買った人は替え芯も買っています」という情報を知ることで、「あ、たしかに必要だな。一緒に買っておくか。」と「ついで買い」してもらって、客単価を上げることができるからです。

これは、小売店ではよく使われている手法です。僕は前職でシステムエンジニアをやっていて、そのときにスーパーやドラッグストアなどの小売店の売上分析システムというものを作っていました。このような小売店の売上分析システムの中には、レジと連動させてオススメ商品のクーポン券を出す、というものもあります。

例えば、オムツを買った人がレジでお会計をすると、レシートと一緒にビールの割引クーポン券が出てくる、といった感じです。(余談ですが、小売店業界では、スーパーでオムツを買った人はビールも一緒に買う、という話がなぜか有名で、よく言われます。)小売店の業界ではIT化がどんどん進んでいるので、もしかしたら今では、売り場で商品を手に取った瞬間に、今、手に取った商品とよく一緒に買われている別の商品の紹介が商品棚から音声で流れてくる…なんてこともあるかもしれません。

また、この方法は、店頭で購入するような小売店でなくても、サービス業など他のビジネスでも使えるでしょう。例えば、美容室でヘッドスパを受けた人に、スカルプケア用のシャンプーを勧める、なんてこともできますよね?

以上、商品やサービスをお客さんに合わせる3つの戦略をご紹介しました。いずれも大手よりも中小企業向けの戦略と言えると思います。ニッチ化・専門化は大手には市場が小さ過ぎる場合もあるでしょうし、カスタマイズやレコメンドは、手間や時間がかかるので、効率を求める大手ではなかなか実践しにくいでしょう。

もしあなたが、低価格競争に陥っていたり…今はいいけど、このままだといずれ先細りするかも、と思っていたり…市場を大手に奪われつつあると感じているのなら…この3つの戦略を考えてみてはどうでしょうか?


-藤岡将貴


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