セールスライターにとって最高に価値ある仕事
From:藤岡将貴
奥さんの友だちに、半年前くらいに赤ちゃんを出産した友だちがいて、今度その子とランチをする、と。で、そのときに、出産祝いをプレゼントしたい、と。僕たち夫婦も5月に子どもが産まれる予定なので、僕もちょっとずつ赤ちゃんグッズには関心を持ち始めていました(でも、未だに、子どもが産まれたら一体なにが必要になるのか、さっぱりわかりませんw)。なので、梅田に一緒にプレゼントを買いに行った時の話。
さすが、彼女は、赤ちゃんグッズが売っているお店をいくつかリサーチ済みだったようで、何件かのお店をスラスラと見て回りました。で、あるお店で、こんなマグカップを見つけました。
マグカップの中にキリンが入っている、というのは、なかなか斬新。(ちなみに、これはフランス製で、このキリンはどうもフランスではおなじみのキャラのようです)マグカップはいくつあっても要らないということはないだろう。と思ったので、僕も「これがいいんじゃない?」と。そのお店で他の商品もいくつか見ましたが、彼女もこのマグカップが一番気に入ったようで、これを買うことに。
意外とあっさり見つかって良かった。一件落着。そう思っていた僕でしたが、どうも彼女はまだなにかモヤモヤしている様子。レジに並んでいる最中も、「これでいいかな?」と何度も聞いてきました。僕が「え、いいじゃん。かわいいよ。」と言うと、彼女は「そうだよね。いいよね。」と。
で、無事にお会計を済ませて店を出ました。で、せっかく梅田まで来たからと、その後も、雑貨店などをぷらぷら見ていたんですが、、、まだ彼女がなにかブツブツ言ってるんです。「ほんと、これでいいと思う?」「しょぼくない?」と。
彼女の心配とは?
なんでそんなことをずっと気にしているのか…どうも話を聞くと、その友だちとのランチには、もう1人別の友だちも来ると。で、そのもう1人の友だちは、もうすでに出産祝いをあげていると。その子が何をあげたかは知らないけれど、その子と比べてしょぼかったらどうしよう…。そんなことを心配しているようなんです。
はぁ…なんでこの人はそんなふうに比較して気にするんだろう…女性ってそういうもんなのか…と思いながらも、仕方ないので、再び、赤ちゃんグッズが売っている他のお店を見て回ることに。「あ、この靴下、歩くたびに音が鳴るんだって!」「これ赤ちゃん用の歯ブラシだって。値段的にもこれくらいがいいんじゃない?」と、先に買ったマグカップと合わせて予算内に収まりそうな商品を見つけるたびに、彼女に提案しました。でも、そのどれを見ても、彼女は浮かない様子。
彼女「やっぱり、このマグカップだけでいいかな?」
僕「いいと思うよ」
彼女「でも、やっぱり、しょぼいかな?」
僕「…」
こんなやりとりがその後、何度も繰り返されました。あまりに同じやりとりが続いて、さすがに、もううんざりしてきました。「もう帰りたい…」そう思った頃、、、
僕は、あることに気づきました。
あるお店で、彼女が赤ちゃん用のランチプレートセットを何度も手に取って見ているのに気づいたんです。でも、そのランチプレートセットだと、最初に買ったマグカップと合わせると予算を超えてしまいます。僕はその様子を見て、「もしや!?」と思って聞いてみました。
「ひょっとして、そのマグカップがイマイチなんじゃないかって思ってる?」
「…うん。こっちのランチプレートセットの方がいいかな??」
僕は、彼女がずっと、「マグカップだけだと金額的に安いんじゃないか?しょぼいんじゃないか?」ということを心配していると思い込んでいました。でも、本当はそうじゃなくて、「選んだマグカップがイマイチなんじゃないか?」ということが不安だったようなんです。
なんだ、そういうことか、と。それならと、僕は彼女にランチプレートセットよりもマグカップがいいと思う理由を説明しました。彼女も「やっぱそうだよね」と納得してくれて、すんなり解決。やっと帰ることができました。
これ、セールスライティングでも大事ですよね?
なぜ、今日、こんな話をしたのかと言うと、これ、セールスライティングでも、すごく重要だな、と思ったからです。どういうことかと言うと、相手の表面的に見える悩みや問題と、本当に抱えている悩みや問題は違う、ということ。そして、それを見つけるのが大事。ということです。
でも、それを見つけるのは意外と難しいです。相手が本当に感じている問題や心配は、表面的にはなかなかわからないものです。わからないどころか、僕のように勘違いしてしまっていることも多いと思うんです。勘違いしてしまっていると、なおさら、本当の問題に気付くのは難しいでしょう。僕も「金額的に足りないのが問題」と思い込んでしまっていたので、「マグカップがイマイチかも…」という本当の心配に気付くのに、かなり時間がかかってしまいました。
しかも、僕は彼女と一緒にいて、何度も同じ会話をしていても、それでもなかなか気づかなかったくらいですから、お客さんの本当の悩みや問題を知るのは簡単なことではありません。でも、それを知ることができれば、それをあなたのセールスメッセージで伝えることができれば、「そうそう!」とラポールを築いて、あなたの提案を受け入れてもらいやすくなるでしょう。
相手の本音を知るのに役立つ3つの質問+1
では、相手の本当の悩みや不安を知るにはどうしたらいいのか?それに役立つ3つの質問があります。それが、「なぜ?」「具体的には?」「ほかには?」の3つです。「なぜ?」と「具体的には?」は、1つの話を深掘りしていきたいときに使える質問です。「他には?」は1つの話が行き詰まったときに、別の切り口から入っていくことで、本音に迫れることがあります。
それに加えて、僕がよく使うもう1つの質問があります。それが、「逆の方から言ってみる」ということです。例えば、悩みを聞いたときに「メルマガの書き方を学びたかった」と相手が答えたとしましょう。
そこで、「てことは、メルマガが書けないことが問題だったということ?」というふうに、逆の方向からの疑問形にして聞いてみるんです。すると、「いや、書いてはいたんだけど、売上につながらなくて…」みたいな回答が来ます。今度は「てことは、売上をあげるにはメルマガが必要だった、ということ?」と聞いてみると、「チラシだけだとうちの良さを理解してもらえなくて、みんな大手に流れてしまうので、メルマガでちゃんとウチの良さを伝える必要があったんです。」みたいな回答に辿り着いたりするんです。
最初の「メルマガの書き方を学びたい」という悩みから、「チラシだけでは自分たちを選んでもらえない」というもうちょっと深い悩みを導きだすことができたんです。「メルマガの書き方を学びたい」と思っている人は少ないかもしれませんが、「チラシだけでは自分たちを選んでもらえない」と悩んでいる人は、それよりはたくさんいるんじゃないでしょうか?そうだとしたら、「メルマガ書けるようになりたいですよね?」というメッセージよりも、「チラシだと良さが伝わらなくて選んでもらえないですよね?」というメッセージを伝えれば、「そうそう!」とラポールを築くことができるでしょう。
僕たちも仕事柄、よくお客さんにヒアリングしていますが、本音を引き出すのは簡単ではありません。なにせ、相手が本音を自覚していないことがほとんどですので。でも、それを見つけることができれば、それが大ヒットするセールスレターのタネになったりします。ぜひ、あなたも、相手から聞いた言葉をそのまま受け入れるのではなく、先ほどの4つの質問などを使って、本音を探っていくことをやってみてください。それが発見できたら、最高に価値のある仕事ですので。
-藤岡将貴