戦略 2018/07/28

このビジネスモデルは使える??


From:藤岡将貴

仕事上、PDFファイルでレポートを作って、メールやウェブページで提供することがあるんですが、1つ悩みが。

それは、PDFのファイルサイズが大きくなってしまうことです。特にデザインを入れると、100MBとか、途端にサイズが大きくなっちゃうんです。サイズが大きければ、それだけ読み込みに時間がかかってしまいます。読み込みに時間がかかってしまえば、パソコンやスマホで開くのを途中でやめて、読んでもらえなくなってしまう可能性が高くなります。

なので、サイズは極力小さくしたいのですが、でも、特に画像を入れたりデザインの凝ったものはサイズが大きくなりがち。PDFファイルを作成するAdobeのAcrobatのメニューで、PDFファイルを最適化して保存するようなものがあったのでやってみたりしたんですが、ほとんど変わらず…

サイズを半分とか、もっと小さくできないのかなぁ、とずっと悩んでいました。そこである日、インターネットで調べてみると、こんなページを発見。




どうも、PDFファイルのサイズを小さくしてくれるサービスらしい。「ほぉ」と思って、ためしにやってみると、、、




なんと!175MB→7.94MBになったじゃないですか!すげー!20分の1以下!10MB以下ならメールに添付してもすぐに開けるだろうし。これは素晴らしい!やっと解決策を見つけた!よっしゃ!じゃあ、すぐにメールに添付したいPDFファイルが他にもあるから、これとこれも♪と思って、他のPDFファイルも圧縮しようと思ったら、、、画面にこんな文字が。




なるほど、1時間に2つ以上圧縮する場合には、料金が必要なのね…あるいは1時間待たないといけないのか…これではすぐに必要な人はじれったいな…と思ったのと同時に、ちょっと懐かしさを覚えました。

というのも、このモデル、、、昔、流行して僕も読んだ本に書いてあったなー、と。それは「FREE」という本です。2009年にアメリカの総合誌『WIRED』の当時の編集長クリス・アンダーソン氏が出版した書籍です。

この本は、無料を前提にして、そこから収益をあげるビジネスモデルについて書かれた本です(だったと記憶しています)。この中で、フリーモデルは大きく分けると4つに分類できるとしています。その中の1つに、「フリーミアム」というビジネスモデルがあるんですが、このPDFファイルの圧縮サービスはこれにあたるものだと思います。

フリーミアムとは、大半の顧客が無料サービスを利用して、プレミアムサービスにお金を支払う一部の顧客によって支えられるビジネスのことで、フリーミアムには、いくつかのパターンがあります。

わかりやすいのでいうと、例えば、、、

①時間制限
30日間無料、その後は有料、とか。Adobeが提供しているフォトショップやイラストレーターは、たしかこれですね。今回のPDFファイルの圧縮サービスもこれにあたりますね。1時間に2つまで、という制限が入っています。

②機能制限
基本機能版は無料、機能拡張版は有料。例えば、ブログソフトのワードプレスとか。音楽のストリーミングサービスの「Spotify」もそうですね。自分が聴きたい曲を指定して聴けなかったり、オフラインで聴けなかったり、スキップできなかったり、という機能制限があって、有料にすると可能になるそうです。

③容量制限
インターネット上にファイルを保存して共有できるDropBoxがこれにあたります。「2GB」まで無料で利用できる、という容量制限があります。あとは、最近僕らも使うようになったSlackというチャットツールは、メッセージ数10,000件と上限が設けられていて、有料版にしなければ引き続き利用することができないようです。

この他にもあるかもしれません。こんなふうに、フリーミアムモデルは「FREE」によって広まったビジネスモデルだと思いますが、9年ほどたった今では、かなり広まっているようです。

で、このモデルで取られているもう1つの戦略があるんです。それが、、、

「サブスクリプション」です。

今回のPDFの圧縮サービスもそうですし、例えばSpotifyもそうですが、有料版は、月額あるいは年額いくら、という契約になっています。で、期間が終了したら継続してもらう、というモデルです。





このサブスクリプションモデルは、最近、急速に広まってきている印象です。今回のPDFの圧縮サービスやSpotify、Adobeなど、ウェブサービスに多く見られる印象もありますが、そればかりではありません。例えば、月額いくらで好きなときに車に乗れるというカーシェアなんかは、わかりやすいですね。あとは、今では月額料金を払うと、毎月、洋服やバッグをレンタルで送ってきてくれるサービスもあるそうです。他にも、月額8600円で、1日1杯ラーメンが食べられるラーメン店。月額5800円を払えば、コーヒーや紅茶などを何度でも飲めるサービスを提供しているコーヒーショップもあるそうです。

サブスクリプションについては、アン・H・ジャンザーという方の「サブスクリプション・マーケティング」という書籍があるので、詳しくはこちらを読んでもらうのがいいかと思います。

この本の中で著者は、

「人が本当に求めているのはモノの所有ではなく利用だ」

と言っています。カーシェアや洋服のレンタルなんかは、まさにそれを象徴していると思います。また、最初に大きな金額を支払うよりも、毎月少ないコストで利用できるサブスクリプションの方が、お金を払いやすいですよね。

僕もAdobeのフォトショップやイラストレーターなど一式を月額5000円程度で利用していますが、フォトショップとかって、普通にソフトウェアを買おうとすると、何十万とか、めちゃくちゃ高いじゃないですか?それに、アップデートしたり、別のパソコンでも使おうとすると追加でライセンスを買わないといけなかったりで、その都度お金がかかりますし。

そう考えると、少なくとも最初の金銭的な負担の感覚は、月額5000円程度の方が明らかに少ないんですね。実際、今後ずっと使い続けていって、そのトータルで考えると、果たして特なのか損なのかはわかりませんが、利便性や煩わしさ、アップデートのコストなどもトータルで考えると、サブスクリプションの方が導入しやすい感覚があります。

今回、僕が経験した「フリーミアム+サブスクリション」というモデルは、オンラインかオフラインか、物販かサービスか、に関わらず、もっと広まっていく可能性があると思うんです。それは、売り手側の身勝手な主張ではなく、お客さん側の「所有から利用への価値観の変化」によるものなので、一過性のものではなく、おそらくトレンドになっていくでしょう。ぜひ、あなたのビジネスでも取り入れられないか、考えてみてはいかがでしょうか?


-藤岡将貴


<ザ・レスポンスからのオススメ>


【無料WEBセミナー】
社長の仕事や専門スキルの高い仕事を、他の人にもできるようにするシステム化の方法

この無料WEBセミナーでは、システム化のケーススタディや方法について詳しく話しています。

今すぐ無料トレーニングに参加してください。

詳しくはこちら

関連記事