戦略 2019/02/02

「日本のメッシは大成しない」の法則


From:藤岡将貴

先日、サッカーのアジアカップのテレビ中継を見ていた時のこと。(ちなみに、サッカーのワールドカップをテレビで見る人は多いと思いますが、アジアカップを見る人は、おそらく本当にサッカー好きな人なんでしょう。僕もそのひとりですが笑)

すると、テレビの実況で、これまでにも何度も耳にしてきた”あのフレーズ”が聞こえてきました。それは、、、「◯◯のメッシ」というフレーズです(メッシというのは、アルゼンチン代表の選手で、スペインのバルセロナというチームでもう10年以上活躍しているすごい選手です)。「タイのメッシ」「イランのメッシ」。出た出た、このフレーズ。でも、そう呼ばれている選手たちに、メッシの面影というかメッシを彷彿とさせる要素はほとんどないんですね。だいたい世界中のどこの国にも「◯◯のメッシ」がいるんじゃないか?と思ってしまうほど陳腐な表現なんですが、「全然メッシちゃうやん」そんな選手ばかりなんです。

日本の選手にも「日本のメッシ」やら「和製◯◯」など、たいそうな呼び名をつけられてしまった選手は、過去にもたくさんいました。でも、僕がこれまでに見てきた中では、そんなネーミングで呼ばれて大成した選手は見たことがありません(でも、それは、そんなネーミングをつけたマスコミのせいで、ある意味、その選手は被害者のようなものだと思いますが…)。


サッカーだけじゃない!「日本の◯◯」で失敗した業界とは?


サッカーのアジアカップを見ていて、そんなふうに思っていたんですが、、、この「日本の◯◯」「和製◯◯」がうまくいかないのは、なにもサッカーだけの話ではないみたいなんです。どうも、観光地でも同じようなことが起こっているようなんです。

日経ビジネスの2018年12月3日号の記事によると、例えば、富山県射水市内川。「日本のベニス(ベネチア)」と富山県が推している観光スポットですが、観光客数は県全体が前年比3.2%増と数字を伸ばしたのに対し、その「日本のベニス」は約3割減。「日本のグランドキャニオン」を掲げる青森県深浦町は、県全体の0.2%増を大きく下回る9.5%減。「日本のマチュピチュ」として缶コーヒーのコマーシャルでも話題となった兵庫県の竹田城跡も、県全体が3.6%増に対し約3割減。まだあります。「日本のコートダジュール」と名乗る静岡県松崎町も、伊豆地方全体が4.7%増に対し2.6%増どまり。といった感じなんです。

この、サッカーと観光地で起きている「日本の◯◯」問題。実は、ビジネスにも共通する、ひとつの教訓があるんですね。それはなにかと言うと、、、


人は「新しいもの」に魅力を感じる


ということです。もし、あなたが、本物のイタリアのベニスに行ったことがあったとしたら、「日本のベニス」に行きたいと思うでしょうか?(ベニスは"水の都"と呼ばれる美しい街で、世界中から年間3000万人の観光客が訪れるそうです)

あるいは、あなたがイタリア旅行に行ったときに、「イタリアの富士山」と呼ばれる山にわざわざ登りたいと思うでしょうか?たぶん、思わないですよね?それよりも、イタリアでしか見れないもの、イタリアでしか体験できないこと、イタリアでしか食べられないもの。そんなものに魅力を感じますよね?そこに行きたいと思いますよね?

そうなんです。人は「新しいもの」「他とは違うもの」に魅力を感じる生きものなんです。「他よりも良いもの」よりも「新しいもの」「他とは違うもの」なんです(さらに最悪なことに「日本の◯◯」は自ら二番煎じ、オリジナルよりも劣っていると認めてしまっていると言う…)

わかりやすい身近な例を挙げると、iPhoneなんかは、まさに「新しいもの」でしたよね?当時、他社のケータイは「他よりも良いもの」の競争になっていました。他よりも薄い…軽い…衝撃に強い…カメラの画素数が多い…防水に優れている…着せ替えができる…などなど。それに対してiPhoneは、そんなことはまったく言ってませんでした。他社よりも優れた"ケータイ"ではなく、まったく新しい"iPhone"だったわけです。そして、、、


この人間心理は、セールスに応用することもできます…


あのダン・ケネディが、こんな話をしています。

「あるところに一人の農家がいました。彼には毎朝あることをする習慣がありました。淹れたてのコーヒーを片手に、彼の農場で一番高い丘に登り、あたりを見渡すのです。その丘からは隣の農家の農場が見えるのですが、それは彼の農場よりも青く見えました。一方、彼の隣の隣の農場を経営する男にもまた、彼と同じ習慣がありました。彼もコーヒーを手に、自分の農場の一番高い丘に登り、あたりを見渡すのです。そして彼もまた、彼の隣の農場が彼の農場よりも青いことにがっかりし、欲求不満を抱えていました。

ある日、二人は町で偶然出会いました。二人はレストランで話し合い、お互いの経営する農場を交換することにしました。そして、AさんはBさんの家に帰り、BさんはAさんの家に帰りました。次の朝、二人は同じようにコーヒーを片手に、交換した農場の一番高い丘に登りあたりを見渡しました。そして、二人ともショックを隠せませんでした。なぜなら、二人とも、自分が元いた農場の方が青く見えることに気付いたからです…」

人は自分が持っていないものの価値を、実際の価値よりも高く見積もる傾向があるものです。なので、"今の状況をより良くすること"よりも、"まったく新しいものと交換すること"の方が、お客さんは魅力的に感じて、お金を払ってもらいやすくなる、ということなんですね。

でも、たいていの人が売ってしまっているのは「修復」や「改善」です。でも、「隣の芝生」の方が常に売りやすい、とダン・ケネディは言っています。キーワードは「新しいものに替える」です。新しいビジネス…新しいキャリア…新しい人生…新しい住む場所…

あなたのビジネスでは、お客さんにどんな「新しい◯◯」を提案できるでしょうか?ぜひ、時間をとって考えてみてはいかがでしょうか??


-藤岡将貴


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