スティーブ・ジョブズは経営社長?
From:Hiroこと小川忠洋
赤坂のスタバより、、、
『スティーブ・ジョブズは優れた経営者か?』
こないだウチでマネージャーを集めた勉強会をやりました。
そこでのテーマがこれ。各自がジョブズの伝記を読んできて
どう思ったかという議論をするというもの…
この件、あなたはどう思いますか?
スティーブ・ジョブズと言えば、言わずと知れた
アップルの創業者。彼は文字どおり、世界を変えました。
そして、アップルの時価総額は世界で1位にまでなり、
世界で最も時価総額をあげたCEOと言われています。
でも、実際はどうなんでしょう?
ジョブズの伝記には、いろいろな話が細かく書かれていますが、
それを読む限り、はっきり言って
頭おかしいんじゃないのか?
と思う人がほとんどでしょう…
公衆の面前で部下を罵った挙句、
翌日にはその部下の持ってきたアイディアを
自分の手柄のようにしてしまう…
こんな事をしょっちゅうやっているわけで、
そんな人間が優れた経営者だなんて、とてもじゃないけど
思えませんよね?
ロイスが言ってるようなコミュニケーションとは
全く、正反対どころか、一般常識からしても、ありえない行為…
事実、そんなことばっかりやってるので、
ジョブズは、自分の作った会社から追い出されています。
ペプシのCEOだったスカリーをヘッドハンティングして、
そのヘッドハンティングした人間に、
「ジョブズ自身がアップルの癌だ」
と判断されて、取締役会でクビになりました。
それから、アップルは業績が悪くなり、
一時は倒産寸前まで行きます。信じられないでしょうが、
あと2週間でキャッシュがなくなるっていうレベルまで落ちます。
当時、パソコン会社のデルのCEOにアップルの社長になったら何をする?
という質問をしたら
「さっさと会社をたたむ」
と答えたというのは有名な話で、それくらい、
どーしょーもな会社に成り下がっていたのです、、、
ところが、ジョブズが再び戻ってから、
アップルは業績を伸ばし続け、ついには世界最高の会社になりました。
一体、何が起きたんでしょうか?
それはジョブズがスターだったから?
優れた経営者だったから???
ここから先はぼくの意見ですが、
何がジョブズの大成功の秘訣なんだろう?
と思って、いろんな本を読んでいたら、
とってもオモシロい事を発見しました。
それは、何かというと、
ジョブズは明らかに、アップルから追い出される前と
追い出された後で変わっています。
追い出される前を「前期」
追い出されて戻ってきてからを「後期」と言うと、
「前期」でジョブズのアップルが成功したのは、
ぼくは、完全に「運が良かっただけ」じゃないかと思います。
なぜなら、当時はパソコンを売るのには最高のタイミングで
他の会社がやっても同じように成功したと思うからです。
だから、その時期にはマイクロソフトとかも大成功してますし、
他にも大成功している会社はたくさん出てきていました…
その中でもアップルは最初っから
もの凄い大成功をするんですが、その要因は何か?
というと、圧倒的にすばらしい商品を作ったからです。
その頃のパソコンは、素人にはとても難しい商品でした。
でも、アップルは素人にも使いやすいパソコンを作ったわけです。
そして、世界で初めて個人向けに大量生産して売ることができたんです
そのような圧倒的に優れた商品を
売ったのがジョブズでした…
でも、これってコンピュータ・ブームの時に、
圧倒的に優れた商品を持っていたわけで、、、
「バカが売っても売れるんじゃねーの?」
と思うわけです。
となると、成功要因は、バカが売っても売れる
圧倒的に優れた商品が作れたところにあるわけで、、、
それを作ったのは、ジョブズではなく、
一緒にアップルを創業した、スティーブ・ウォズニアックです。
ウォズは技術者として超天才らしく、初期のアップルのパソコンは
ほとんどウォズが作りました。ジョブズはその圧倒的に優れた商品を
売ったわけです。
なので、ウォズが他の会社に行ってたら、
他の会社が大成功していた、、、と思います。
(ウォズは確かヒューレットパッカードの社員だったはずですが、
HPでそれを出してたら、アップルはこの世に存在しなかったでしょうね)
アップル関連の記事を見ると、
ほとんどの記事がジョブズ礼讃してますが、
ぼくの見たところ、前期はラッキーじゃねーの?
と思ってしまうわけです…
じゃあ、ジョブズはただの”頭がおかしい”やつなのか?
と言われるとそんな事もなく、ジョブズはやっぱり素晴らしく、
何が素晴らしいかっていうと、追い出されてからの「後期」です。
ジョブズがどう変わったのか?
実はそれは、今のあなたの課題と
ほとんど一緒じゃないかと思います
つまり、ジョブズは、追い出されて帰ってきてからは、
別人のようになっていました。
彼がアップルに帰ってきてからやったことを見て見ると、もろに
「優れた経営者」の仕事をしていました。
商品ラインを削減したり、アップルのミッションのような
ものに立ち返ったり、、、調べればわかる話なので
細かい話は省略しますが、その変化を端的に表したことばで、
とっても分かりやすい言葉があります…
つまり、前期の彼は
「素晴らしい商品を作る」というところに
フォーカスしていましたが、
後期の彼は
「素晴らしい会社を作る」というところに
フォーカスしていました。
ジョブズがアップルの商品に細かく口出しして
超こだわり屋だったのは有名ですよね。
でも後期の彼は、ぼくらの言葉で言えば、
「経営社長」に変化して、商品を作るのではなく
会社を作ると言う事にフォーカスしていたわけです。
これって、あなたの抱えている問題と
とっても似ていませんか?
素晴らしい商品を作ろう!
とは、誰だって考えていると思います。
そして、そのことばかり考えて、商品改善、顧客満足と
日々、自分が動きまわっているのが、
「労働社長」
の典型的なパターンです。
一方で、「経営社長」は、
素晴らしい商品は、部下が作ってくれます。
もちろん、口出しすることはあるでしょう。
こだわりはあるでしょう。でも基本は、部下がやります。
そして、経営社長としてフォーカスしている仕事は、
「素晴らしい会社をつくる」仕事です。
具体的には会社の制度やルールを作ったり、
顧客獲得の仕組みを作ったり、
仕事の意義やミッションを考えたり、
優秀な人材が働きたいと思う職場を作ったり、
給与・評価・採用、育成、人の管理など
スグにはできないにせよ、
そういう事を常々考えて、どうやればそれが
実現できるか?という事を見いだし、
出来る事から一つ一つ実施していく。
これが経営社長の仕事です。
さて、このジョブズの話を聞いて、
あなたはどう思いましたか?
そして、何より自分の胸に手を当てて
考えてみて欲しいんです…
自分は素晴らしい商品を作ることばかり考えていないか?
自分は素晴らしい会社を作ることに、時間をかけているか?
そのパラダイム(ものの考え方)が変われば、
あとは、一歩一歩、やるべき事を
やっていくだけです♪
あなたはどうですか?
ーおがわ