スグに売上を上げるには…



From:小川忠洋

 ダイレクト出版

赤坂のスタバより、、、

「そんな事で売れるわけねぇーだろ…」彼は内心、そう思った。しかし、アドバイスをくれた人に対して、そんな事を言うわけにもいかない。それに、コンサルを受けてから、”やれ”と言われた課題を何もやっていない事が負い目になっていたのだ。

だから、内心、絶対に上手くいくはずがない…と思ったが「やってみます」としか言えなかった。実際、その方法はとても簡単で、効果がでると言われた。本当かどうかはやってみれば分かる。効果が出なかったら文句を言ってやろう…そんな考えも少なくなかった。

彼の会社はここのところの不景気で、売上がすっかり低迷していた。何をやっても反応は取れなくて、インターネットに活路を見出そうとしていた。インターネットでは売れた、儲かったという話がたくさんあったので、ネットで商品を売れば、うまいこと回るんじゃないか?そんな淡い期待があった。

その期待が崩されるのに時間はかからなかった。単純にインターネットマーケティングといっても、あらゆる事が複雑にからみ合っていて、ネット初心者とも言える彼はスグに混乱した。フェイスブック、アドワーズ広告、ステップメール、ヘッドライン、メルマガ、アフィリエイト、断れないオファー、ランディングページ、などなど、今まで聞いたことがなかった用語が次から次へと飛び交っている。

そして、調べるうちにあれもいい、これもいい、あれもやらなきゃ、これもやらなきゃ、、、情報がどんどん入ってきた。しかし、何一つ、実行していない自分に気づいた。3ヶ月前に、インターネットで商品を売って何とかしよう…と決めた日から、知識は確実に増えたが、結局、何からやればいいか分からない。幅広い情報を調べたので1つ1つのジャンルに深みがなく、何をどうやればいいのかも分からなかった。

ただの評論家のようになってしまった。

「このままじゃヤバイ…」会社の立て直しをしなきゃ、本当に2,3年で廃業に追い込まれるかもしれない。そんな状況の彼にとっては、この3ヶ月間の時間のロスはいたかった。

「なんだ、オレ。何も変わってねぇーじゃねぇーか!」

自己嫌悪だった。鏡に映った自分の顔を見て、殴りたい気分だった。とても情けない顔に見えた。。。そんな、ある日、彼は”インターネットで売上を上げます”というコンサルタントのページを見た。自分でいろいろ調べても混乱するだけなので、分かっている人間に直接教わろう…そう思って、彼はコンサルを雇った。

コンサルタントは彼の知識の幅には驚いたが、スグにそれぞれが聞きかじった程度で、何も実行していない事を見ぬかれた。そして、毎月、ミーティングで怒られた。コンサルタントに出された課題をやっていなかったからだ。

そして、今回コンサルタントに出された課題がこれだ。コンサルタントに出されたと言うより、彼との会話のなかで気づいた事だった。今までのインターネット関連の課題と違い、今回のは、彼が以前にやったことがある事だった。やった事がある事をもう一度やれと言われただけだ。

昔のダイレクトメールの話を持ちだしてきたのはどちらが先だったかは覚えていない。コンサルタントが興奮していたことだけが印象に残っている。

「このダイレクトメールをもう一度送りましょう」

とても簡単な提案だった。以前に反応が取れたダイレクトメールを同じリストにもう一度、送れという事だ。以前に反応が取れたダイレクトメールだから、また反応が取れるとコンサルタントは言っていたが、彼は信じる事はできなかった。

(もうこのダイレクトメールはウチのお客さんは、みんな知ってるよ)

心のなかでそう思っていた。そう言おうかと思ったが、コンサルタントが、とても興奮して話してくるのでそれに圧倒されてしまった。言うタイミングをのがした。それに今までの負い目があったので、彼はそれを実行してみる事にした。

ダイレクトメール送るのなんて簡単だ。これで売上が上がるんだったら、苦労しないよ…お客さんにバカだと思われるかもな、だって前と全く同じ内容のダイレクトメールを送って来たんだから。内容を少し変えてみてはどうか?という提案をしたが、却下された。コンサルタントは、一言一句変えるな!と言ってきた。

まぁ、彼だって失うものは何もない。切手代くらいだ。そう思って、ダイレクトメールを送った数日後、、、

、、、電話が鳴った。。。

、、、注文のファックスが届いた。。。

、、、注文のメールでメールBoxが埋まった。。。

信じられなかった。以前に大成功した時と同じくらいの注文が殺到した…久しぶりの大量注文に彼は興奮が抑えらなかった。

「いやぁー急にまとめて来るから、困っちゃうよ」

うれしそうに彼は、商品を梱包していた。いつもは閑散としている会社に注文が急に入ったので、人手が足らないようだった。ダンボールを梱包して汚れた手だったが、顔はイキイキとしていた。何ヶ月ぶりだろう、こんなにイキイキとした顔をしているのは、こんなに仕事が楽しいのは、、、

「でも、みんなこのダイレクトメール見てなかったのかなぁー…

同じダイレクトメールだったのに…」

**つづく**

さて、あなたはどう思う?同じダイレクトメールを同じ顧客リストに送ったのに、反応が取れた。何故だろう?続きはまた、後で話そうか…

ダイレクト出版


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