幕の内名刺は嫌われる
From:北岡秀紀
講演会が終わったあと、受講者の方から名刺をいただくことが多いです。
1回の講演会で50枚、60枚いただくことも。
なので、名刺交換の機会の多い社長さんと比べても、かなりたくさんの名刺をいただく方だと思います。
ちなみに、いただいた名刺は基本捨てます(笑)
理由は拙著『96%の人がやってないない 常識破りの仕事術』をお読みいただければと思います。
それにしても…2つ折りにしてしこたま情報を載せているような名刺って何なんでしょうか?
顔写真やQRコードくらいならまだしも、まさかの無料オファー。
幕内弁当かというほどギュッと情報が詰まった名刺。
さぞかし練りに練って時間をかけて作ったのはよくわかります。
中身が良いかどうかは別として。
けれど、何の効果もないどころか少なくとも私には気持ち悪いとしか思えません。
こんな男は嫌われる!
そもそも名刺を渡すタイミングというのは、通常、挨拶をするときです。
「ウチのビジネスは●●で、理念は▲▲です。ぜひ私からの無料のプレゼント差し上げますので、ここからメールアドレスを登録してください!」
名刺を交換して20秒でこんなことを言われたらどうでしょうか?
関係も何もできていないのに自分のことを大きな声でまくしたて、無料オファーをする。
そんな人に出会ったら気持ち悪いと思いますよね。
この幕の内名刺はそれと全く同じことをしているわけで。
そんなことにすら想像がつかないわけですから、こんな名刺を配る人のビジネスセンス(というより人としてのセンス)を私は疑います。
いや、この名刺を使うことで会話が生まれるんだ、という反論があるかもしれません。
が、この名刺から生まれる会話って全部「自分」のこと。
すぐ自分の話題にしたがる男は嫌われるって聞いたことないんでしょうか??
もちろん最終的には自分の話を聞いてもらう必要があるわけですが、「相手が聞きたい」と思ってくれてから話さないと…
あなたは音の公害の発生源に過ぎません。
仕事が取れないのは名刺のせい、ではない
駆け出しのコンサルタントやコピーライターから、よく名刺に関する質問を受けます。
どこから調べてくるかよくわからないんですが、この幕の内名刺の話がよく出ます。
名刺交換をしてもなかなか決まらないから「名刺を…」と考える気持ちはわかります。
が、それは見当違い。
そもそも名刺交換をして直接会えているのに、しかも「売上アップ」という社長なら誰もが興味を持つことをビジネスにしているのに、相手から興味を持って聞いてもらえないのがなぜなのか?
その理由を考えた方がいいです。
そして、それを潰していくのが正解。
名刺が原因である可能性はゼロ%。
傾聴の姿勢、服装や態度、質問内容…もっと改善すべきところがあります。
「自分の代わりに名刺が売り込んでくれる」
と自分がサボることばっかり考えているからうまくいかないんだと私は思いますけどね。
-北岡秀紀
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