シンプルと複雑の関係
From:北岡秀紀
あるクライアントのステップメールの設計をしました。
ステップメールとはご存知の通り、決まったシナリオでメールを届けること。
商品Aを買った人は商品Bを勧め、商品Aを買わなかった人には商品Cを勧める。
商品Bを買った人には商品Cを勧め、商品Bを買わなかった人には商品D。
商品Aを買わずCを買った人には商品Dを勧め、商品Bと商品Cを買った人には…
こんな感じでどんどんシナリオが分岐していきます。
図解するとホワイトボードがいっぱいになるくらい、おそろしく複雑なシナリオです。
視点を変えると…
でも、視点を変えてみましょう。
お客さんから見てみるとどうでしょうか。
買った商品に合わせて、最適な商品が勧められる、ということです。
極めてシンプルでわかりやすい。
おそらく購入率があがることは想像に難くありません。
また、ライティングの依頼をするときは、
「商品Aと商品Bを持っていない人にCを勧める」
という形でその会社の担当の方にお願いをしました。
こちらも明確でシンプル。
複雑な全体像を理解しているのは、設計した私を除けば先方の社長やごく一部の責任者のみ。
お客や一般スタッフにはシンプルを徹底。
こうすることでお客さんやスタッフは動きやすくなります。
シンプルを支える「複雑」
でも、一方でそれを支える仕組みやシステムというのは複雑だ、ということ。
よくスティーブ・ジョブズが見た目や操作のシンプルさにこだわったなんて話がありますが、それを支えているのは我々には到底わからない複雑なプログラムです。
サイゼリヤの厨房には包丁もガスコンロもありません。
それを可能にしているのは、その手前のセントラルキッチンでの工程です。
「包丁やコンロが使えない」という制約条件がありますから、開発や製造は通常の外食よりも困難なのは間違いありません。
最近やたらと「シンプル化」を推奨する傾向があります。
しかし、それを支えているのは複雑さです。
我々社長はそのシンプルに見せるための複雑を作る側にいます。
世間の「シンプル化」の流れ、自分が楽をするための免罪符として使っていませんか?
-北岡秀紀
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