「学習する文化」の作り方
「学習する文化」という言葉は良く使われる。
また、よく学習する組織に関する研究によると、
学習する文化を醸成するリーダーは、
最高位の価値観を達成することが分かっている。
では、そもそも、
学習する文化とはなんだろうか?
そのような文化があるかどうか、
どうしたら見極められるのだろうか?
そのような文化を作る方法は?
ビジネス上の緊急事態を
解決することにフォーカスする
パフォーマンス主導型の学習は
多くの学習する組織が
目を向けていることである。
社員教育や新しいツールの導入から
新商品のサポートに関する知識に至るまで、
パフォーマンス主導型のプログラムは、
ビジネスに対する短期で計測可能な影響と
競争優位性を与える。
パフォーマンス主導型のプログラムを
成功させるためには
以下のような能力が必要とされる。
1. 解決されるべき問題の明確な診断。
(パフォーマンスのコンサルティング)
2. オーディエンス及びオーディエンスのニーズの理解。
(ニーズ分析)
3. 興味深く、かつエンゲージメントを
高めるようなコンテンツの制作。
(コンテンツ)
4.プログラムの適切な配置と管理
(プログラムマネジメント)
5. 新しいテクノロジーの必要に応じた導入
(Eラーニング、シュミレーション、ゲーム)
6. 必要に応じて計測し、向上を図ること
(メトリクス)
文化形成に対して
責任を持っている人のほとんどが、
継続した改善やプロセスのアップデート、
そして先に述べた6つの領域における
スキルの重要性を認識している。
しかし、学習する文化を作るためには、
学習する組織は
会社それ自体が成長する助けとなることや、
変化への適応、社員の能力開発、
イノベーション、
そして顧客との強い関係を築くことにも
同様のフォーカスを注がなければならない。
このような、才能を主導とした学習のプログラムは、
単なるスキル開発を超えたものである。
むしろ、もっとコアのコンピテンシーや
振る舞いにフォーカスしている。
能力主導の学習のソリューションは、
様々な形態をもつ。
何段階にもわたるリーダーシップ開発プログラムは、
その一例である。
(ちなみに、今日の企業の投資の25%はこの分野に注がれているそうだ)
他にも、セールストレーニングであったり、
クオリティやプロセスの改善プログラムなども考えられる。
才能主導型のプログラムは、
キャリア開発のモデルと
パフォーマンスマネジメントを
統合して組む必要がある。
また、これらのプログラムを成熟したものにするには、
長期的な投資や、
上層部の持続的なコミットメントも必要となる。
才能をベースとした企画の成果は
目に見えないことが多いが、
社員の満足度だったり
社員のエンゲージメント、
イノベーション、
顧客ロイヤリティにつながるのだ。
これらのベネフィットは、
パフォーマンス主導型のような
即座にわかりやすい結果が出るのものと比べると
評価しづらい面もあるが、
実際は会社の長期的な成功に対して大きな影響を及ぼす。
学習する組織の1番の特徴は、
パフォーマン主導型の学習と
才能主導型の学習の両方に
フォーカスを当てていることである。
学習する文化は
パフォーマンスに対するニーズや改善を必要とするが、
学習に対しても、
そもそものビジネス戦略として
しっかりと認識している。
以下の質問をすることによって、
あなたの組織の「学習する文化」度を
評価してみよう。
・パフォーマンスマネジメントプロセスとペアになっている
公式な社員開発プロセスがあるか?
社員の話に耳を傾け
パフォーマンスを向上させるために、
マネージャー向けの公式なコーチングプログラムがあるか?
・アイディアの中には失敗するものもあることを
会社として認識しているか?
そして、失敗した時に、
イノベーションをしようとした人を「罰する」のではなく、
このような実験によって価値ある学びを得られることを
認識しているだろうか?
・それらのプロセスについて、
社員から提案を受け付けているか?
フィードバックは真剣に受け止めているか?
・会社は、史上の変化や顧客からのフィードバックを
真剣に受け止めて反映しているか?
・会社は、変化や適応に対する経験があるか?
・市場や競合によって変化を余儀なくされた場合、
あなたの会社はビジネスの方向転換をする
能力やプロセスがあるか?
学習する組織は、プロセスが合わさって成り立つ。
そして、それにはリーダーが不可欠だ。
学習に対して責任を持っているリーダーは、
オーケストラの指揮者だと思って欲しい。
バランスの取れた学習を促進すること。
つまり、即座にビジネスに結果をもらたすことや、
将来に対する投資であることについて、
バランスをとることが重要だ。