天国へ旅立ったエンジェル




From:リー・ミルティア


「動物を愛するようになって初めてあなたの魂の一部が目覚める」

アナトール・フランス


これまで、つらすぎて記事を書くことができませんでしたが、

14年間可愛がってきた愛犬のエンジェルを安楽死させた時の話です。

これまでの人生の中で一番難しい決断でした。


エンジェルは多くのことを教えてくれました。

それに私と私のパートナー、クリフトンの命の恩人でもあるのです。

エンジェルがまだ子犬だったころ、我が家が火事になったことがありました。


当時、私たちは二人とも鼻炎で臭いに鈍感になっていました。

寝る前にも薬を飲んでおり、煙に気づけなかったのです。

でも、小さなエンジェルがベッドによじ登り、

あらん限りの泣き声で異常を知らせてくれたのです。


あの時、エンジェルがいなければ、

二人とも命を落としていたかもしれません。


心の底から愛していた子との別れの準備をすることほど

辛いことはありません。


人間関係はいろいろと複雑ですが、ペットとの関係はピュアでシンプルです。

慰めてほしい時、辛い気持ちをペットにはいちいち

説明する必要はありません。


彼らはあなたの元気がないことを感じ取り、そばにいてくれるのです。

飼い主と犬は、見返りを求めない愛で結ばれているのです。

生物としての種は違えども、そこに通い合うものがあれば

神聖で有意義なものが存在しているのです。


ペットを飼ったことがある人なら、

誰もがこの深いきずなを経験したことがあるはず。

だからこそ別れが本当に辛いのです。


エンジェルは14歳になったばかりでした。

最後の数か月、健康状態は深刻に悪化していました。

もはや普通の生活は送れる状態ではなく、

医療やホリスティック・ケアでできる限り延命したものの、

彼女の病を治すことはできなかったのです。


発作を起こし、視力、聴覚を失い、悲しいことに認知症も始まっていました。

犬にも認知症があることを数か月前まで、私は知りませんでした。


エンジェルは、腎臓の機能も弱くなっていたので、

私たちは、1時間ごとに彼女を外へ連れ出していました。


お別れする時が来たことを頭では分かっていても、

それは、あまりにも心が痛く、受け入れがたいことです。

正しい選択だったと分かっていても、エンジェルを

旅立たせなければならないのは、胸が張り裂けそうな気持でした。


エンジェルとお別れする数日前、

アニマルコミュニケーターのセッションを友人が手配してくれました。

アニマルコミュニケーターとのセッションは、目からうろこの体験です。


これまで、断続的にペットや馬についての相談をしてきましたが、

彼らは本当に価値がある情報を教えてくれます。


ある時、エンジェルがなぜおう吐するのか分からないことがありました。

コミュニケーターによれば、それは卵アレルギーとのこと。

卵類を与えないようにしたら、すっかり良くなりました。


コミュニケーターを交えた最後のセッションで、

エンジェルはもう自分は旅立つ時期だと伝えてきました。

もう体を支えることができなくなっていました。


耳は聞こえなくても、エンジェルはスピリチュアルなレベルで

私の声を聞くことができたのでしょう。

こちらの世界での時間はもうありません。


アニマルコミュニケーターとのセッションはこの厳しい状況からの

ストレスを解き放ち、彼女を神の手にゆだねなければならないことを

悟る手助けをしてくれました。


金曜日の午後4時30分。

ペットのホスピスから獣医師が来て、

エンジェルの旅立ちを援助してくれました。

素晴らしい先生でした。


大好きなマッシュポテトとステーキのディナーの後、

エンジェルは自分のベッドで私たちに見守られながら天国へ旅立ったのです。


獣医師に来てもらうのはいつにしようかと、私は何週間も悩み苦しみました。

これが適切な時期なのだろうか? 

自問が続きます。


先週のエンジェルの状態から、その時が来ていることは明らかでした。

もう遊ぶことも散歩もできないのです。

最後はとても安らかなものでした。


全てが現実とは思えず、時間はあまりにも早く過ぎていきます。

でも悲しいながらも、正しいことをしたのだと、私は考えています。


エンジェルのいなくなった生活は、今までと一変しました。

私たちの帰宅を大喜びで迎えてくれるエンジェルはもういません。


家の中は痛々しいほど静かで、散らかるおもちゃもなく整頓されたままです。

声が聞こえるような気がしますが、たぶん気のせいなのでしょう。

エンジェルの残したものを片づけるのは心が痛みました。

小さなエンジェルは、言葉で言い表せないほど

私の人生の中で大きな存在だったのです。


作家のマージョリー・ガーバーはこう言っています。

「犬を飼っているあなたは、十中八九犬よりも長生きするだろう。

犬を飼うことは、心の底からの喜びと、

同じくらいの悲しさを体験することである。」


私は心が砕けたような思いでした。

よくなる見込みがないのに、生かし続けたことは

自分勝手だったかもしれません。


今エンジェルは犬の天国にいて、痛みから解放されていることが

唯一の慰めです。


これまで私は、何匹も犬を飼ってきましたが、

彼女は一番愛らしく、私の人生に深く関わった犬でした。


死とは、肉体がこの世にないだけのことで魂は生き続けています。

エンジェルは私とクリフトンに多くの人生の教訓をくれました。

これからも一緒に暮らした14年間を感謝することでしょう。

我が家の猫もエンジェルがいなくなり寂しがっています。


新しい家に引っ越す予定があるのですが、

そうしたらまた子犬を飼うことでしょう。


慰めの声をかけてくださった皆さんに感謝します。

深い悲しみの中にある時、手紙や花束、犬についての本が

どれほど心の慰めになったことでしょう。


動物好きは、愛するペットを失った苦しみを理解してくれます。

犬を飼ったことがない方には、なかなかこの絆のことは

理解できないかもしれません。


最後にドクター・スースの言葉を引用します。

まだ私はまだその境地に到達していませんが、じきにそうなることでしょう。

皆さん、ご自身のペットがいたら、ぎゅっと抱きしめてあげてください。


「終わったから泣くのではなく、

経験から得られたことに感謝し、微笑みなさい。」


リー・ミルティア

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