優れた判断力を持つこと
From:リー・ミルティア
頼んでもいないのに、あれこれ忠告してくる人と
隣り合わせになってしまった――
こんな経験はありませんか?
先日、ビジネスランチに招かれた私は、ある男性の隣に座りました。
男性は、私のキャリアを知っていて感銘を受けたそうです。
私がおとなしく男性の話に耳を傾けていたので、
彼は私の仕事についてアドバイスをしたくなったようです。
私に、「マーケティングのアプローチ方法をいくつか変えた方がいい」
としつこく言い出しました。
私は、心の中で苦笑してしまいました。
というのも、ふと男性の靴に目を落とすと、
靴は磨かれていませんし、くたびれているだけではなく、
デザインも少し古臭かったからです。
彼は、人前で講演したことは一度もありませんが、
私は20年以上にわたり、世界中を飛び回って講演をしているプロです。
最初は、私も礼儀正しく話を聞いていました。
自分が話すより、人の話を聞く方が多くを学べるからです。
それに、初対面の相手だったので興味もありました。
すると、男性はますます得意満面。
あれこれ言ってくるのです。
そこで、「どのようなご経験からそう思われるのでしょうか?」
と訊いてみることにしました。
するとおかしなことが分かったのです!
男性は、ソーシャルメディアを利用したマーケティングを
オンライン講座で受講したと言います。
それでその分野のエキスパートになったつもりでいたのです。
おかしなことの1番目。
男性は、自分が習ったことを実践したことがなかった。
2番目。
私の仕事のことも正確には知らなかった。
3番目。
誰も彼のアドバイスなど聞いていなかった。
私はダン・ケネディ方式をちょっと試してみようかしら、
と考えていました。
頼まれてもいないのに、
アドバイスしたがる人にダンはこう言うのです。
「納税申告書を見せてくれれば私のもお見せしましょう。
あなたの収入が私よりも多かったら、あなたの話を聞きましょう。
そうでなければ、余計なお世話!」
ランチの席での諍いを避けるため、その案は見送りましたが、
このように、他人の人生や仕事に首を突っ込み、一方的な意見を
言う権利があると思っている人について考えてしまいました。
運転の仕方、子どもの育て方、お金の使い方、
仕事の仕方など全てにわたり、頼んでもいないのに
アドバイスしたがる人たちです。
私たちは社会や学校、善良な親から、自分の意見より
人の意見を大切にするよう刷り込まれています。
批判されたら、そこから反省点を汲み取りなさい、
彼らの意見に一理ないか考えて、もし一理あるなら、
そこからどうやって学び、成長できるのか、
自分自身に問うてみなさい、と。
でも、ためにはならない情報だと直感で察したら、
そんな情報は無視しましょう!
大切なことは、「優れた判断力を持つこと」です。
大まかなルールとして私が守っていることがあります。
それは、投資やお金の使い方について、自分よりお金を
持っていない人の意見や批判は決して聞かない、
健康について、自分より健康でない人の意見は決して聞かない、
人間関係について、良好な人間関係を保てない人からの
意見は決して聞かないこと、です。
でも、こういう人たちこそ、頼んでもいないのにアドバイスや
意見を言うのが大好きで、あなたの心の平安をかき乱します。
あなたに自分の直感に耳を傾けることをためらわせるようにし、
第三者のアドバイスが必要だとほのめかす危険な人々です。
アドバイスをしてくれる人が、全て悪いわけではありません。
アドバイスをしてくれる人が、本当にアドバイスする
資格がある人がどうか、しっかり見極める必要があるということです。
そして、たとえ資格がある人であっても、そのアドバイスが
自分に役立つかどうか、きちんと判断しなくてはいけません。
自分の力を他人に預けてしまうことがないようにしましょう!
他人がアドバイスしてくる時は、自分の心の中の声に耳を澄ませましょう。
人の話にいつ耳を傾けるのか、それとも傾けないのか、
私はその見極めを学んできました。
鍵となるのは、自分の内側にある知恵に自信があるかどうかなのです。
がんばりましょう。
リー・ミルティア