エースから転落。そのワケとは?



From 高木 仁也


「前の会社では業績トップだったんですが。

今じゃ何をやってもうまくいかないんです。」



彼は昔に低価格商品のセールスをしていました。

200名いた販売員の中でも3番目の売上高を誇っていたといいます。


しかし、もっと高額の商品を手がけたいと別会社に移り、工作機械のセールスを始めたところ全くうまくいきません。。。


以前はトップ3だったのにも関わらず今では最下位の成績。

自分の何がいけないのか?彼には検討も付きません。


ある会社ではトップセールスマンで

別の会社ではまったく駄目、使えない。


=========================


さて、ここで問題です。

なぜ、こんな事が起こってしまうのでしょうか?


彼は決して手を抜いていたわけでも

驕っていたわけでもありませんでした。

努力はしていましたし

昼も夜も働いていたそうです。


以前はエースだったのに今ではドベになっている。


全く売れなくなった原因は何だと思いますか?


以前、エースだったのであれば

どこに行っても活躍する”はず”ですよね。


営業だったなら余計に

どこでも通用する”はず”です。


彼が売れなかった原因は何だったのか?


それは、、、


「売るスキルを全て同じだと思っていた」

ということです。


多くの人は商品を売るスキルに関して全て同じだと思っています。


化粧品を販売できる人、保険を販売できる人、家具を販売できる人、家を売ることが出来る人、、、

「商品を売れる人は何でも売れる」と思い込んでいます。


だから、トップのセールスマンは他の業界に行っても、トップのセールスマンであり続けると思っていますし、安い商品を大量に売れる人は、高い商品でも大量に売れると思っています。


これらは一見、正しいようにも見えますが、実際は違います。

なぜなら、3000円の化粧品を買うのと、30万の家具を買うのでは購入するまでの時間が違いますよね。3000円なら即決かもしれませんが、30万だと少しは考えるはずです。

また、30万の家具を買うのと、3000万の家を買うのとでは、これもまた違います。悩む方向性としては同じかもしれませんが、高価格の商品のほうが、購入するまで時間がかかります。

価格が違うにも関わらず、以前の売り方で売れていたという理由で販売するのは危険ですよね。


事実、低価格の商品を販売するスキルは、高額商品を販売することの邪魔になっている事も発見されています。

ハスウェイト社が12年間35000件を越えるセールスの分析をして、その分析をもとに、23カ国で効果的なセールス法を研究してきた結果わかったことだそうです。

他にも

一度で商談がまとまる小型商談と、受注まで何回か商談を重ねる大型商談では全く異なる販売方法が求められる。


セールスの規模が大きくなるに連れて顧客の行動もがらりと変化する。したがって、売り手にはそれに見合ったスキルが要求される。


など、販売する商品の価格によって販売するスキルが変わってくるということが発見されているんです。


冒頭の男性には低価格な商品を販売するスキルはありましたが、高額な商品を販売するスキルを持ち合わせていなった為、売上が最下位だったわけです。

彼は「売るスキルは全て同じだ」と思っているので、高額な商品を販売するには、今の自分のスキルでは足りてないと気付くことも出来ません。だから、過去は上手く行っていたのにも関わらず、今は全然駄目な自分に対してフラストレーションを感じたりするわけです。


低価格商品を販売するスキルと、高価格商品を販売するスキルは違う。

もし、あなたの周りで以前はエースだったのに、仕事が変わってから駄目になった人がいるなら、それは「売るスキルはみな同じ」という考えがあるからかもしれません。


<編集部からのオススメ>
一度聞いただけで、「それが欲しい」「そこに行ってみたい」 
と思わずにはいられなくなる商品の共通点とは?
↓↓↓
欲しくてたまらない欲求を生み出すコア・コンセプトの作り方

関連記事