「問題を無理やり掘り起こす」
リッチ・シェフレン
ナビゲーターの中谷です。
先日、
うちの嫁がどこからか南海トラフ地震の情報を仕入れて来たようでした。政府の地震調査委員会によれば今後30年に大地震が発生する確率を70%から80%に引き上げたらしく、死者は最大で32万人に達する想定がされているそうですね。。。
で、僕は出張で東京に行くからという理由で・・・
遺書を書かされる
自慢ができるような大した蓄えがあるわけでもないですけど、それでも家族のためと思ってコツコツ貯めた資産もあるわけで、その在処がわからなくなったら困るというので遺書を書かされることになりました。まぁ、有事になってからでは遅いというのは確かですし、、、嫁に逆らっても良いことなんて一つもないので僕は素直に従うことにしたんですが(笑)
年明けに融資を申請した経営者
そんな話を笑い話的な感じで飲みの席で一緒になった経営者の人達に話していると、不意にその中の一人の先輩経営者の方が「おお、俺も何か嫌な予感がしたから、新年早々に融資を申し込んだよ」と。よくよく話を聞いてみると、年末の段階で来年は何となく大きな地震が起きる予感がしたので実際そうなってからでは困るっていうので、数カ月分のキャッシュフローを確保しようと考えたらしいです。確かに地震が起きて仕事が滞ってしまうと、従業員に給料も払えなくなってしまいますから現金は手元に置いておきたいですね。それにもし、そのお金の工面を銀行に頼ろうと思ったとしても、地震が本当に起きたら銀行の窓口自体がどうなるかもわからない。恐らく有事でめちゃくちゃになっている状況では、本当に必要としているタイミングで融資が受けられるかもわからないので、その経営者の方の判断は素晴らしいなと感じました。加えて、業績が落ちてからでは銀行の融資審査も通りにくくなりますから、何も問題が起きていない今だからこそリスク管理のために行動をするという面で、正に経営者の鏡だなと感じた次第です。。。
20人を7人にしても売上が変わらない
こんなことを聞いているうちに、もう1つ面白い話があったのを思い出しました。僕の友人でもある経営者の1人の話なんですが、彼の会社は何十億も売上を作ってました。でも、それ以上収益を上げて行こうとすると、どうしてもリスクが増えていってしまう。。。だから、あえて拡大路線を止めてむしろ縮小傾向にしてリスクを回避しようと考えたんだそうです。で、そんな構想を聞いてて、その後どうなったのか尋ねると、従業員を20人から7人にまで減らしたらしい。それだけ規模を小さくしたらさぞかし売上にも変化があったんだろうなと思うと、実はそうでもなかったようで売上はそんなに変わらなかったそうです。不思議に思って「なんでなん?」と聞いてみると、今は効率化を突き詰めてやろうと思ったら色んなツールとかがあることがわかって、それらを使えば十分回せるよ、ってことらしいです。。。
「ほー、すごいなー」と関心したのもありましたが、でもよくよく考えてみると、それってもっと前から取り組むことができたんちゃうの?と。縮小しようと思ってから動かなくても、何年も前から取り組むことができたんじゃなかろうかと、話を聞いた後でそんな風に考えてました。
上手くいってるから放置してしまう
リッチがビジネスグロースシステムの中で語っている話の中に、どの段階で問題解決に取り組むのが良いのか?という話があります。詳しくはBGSで学んでもらうとして概要を話すと、業績も好調で何の問題もない時に取り組むのが良いのか、それとも業績が悪化して問題が山積みになった時に取り組むのが良いのか、みたいな話です。常識的に考えて先手を打つ方が戦略的な起業家の姿としても正しいのはわかると思うんですが、でも実際にほとんどの起業家はどう動くのかというとやっぱり後手に回ってしまう。つまり、業績が良い時に取り組むんじゃなくて、業績が悪くなってから問題が起きてから切羽詰まって行動するってことですね。で、その時にかかるコストは業績が良かった時よりも遥かに必要になってしまうっていう。。。
問題を無理やり掘り起こす
だから、戦略的な起業家の大事な考え方として僕たちが持っていないといけないのは、上手くいってる時にこそ問題を無理やりにでも掘り起こした方が良いって考え方です。というのも、上手くいっている時っていうのは上手くいってるように見えているだけであって、本当は何かしら問題があったりするものだからです。
地震に対する遺書の話も別に普通に暮らしている分には何の問題もないんですが、有事になった時に資産の在処や頼るべき人が誰なのかがわからないというのはやはり問題です。
融資を申請した先輩経営者の話も、今の時点では何の問題もないかもしれませんが、いざ地震が起きて業績が悪化したり仕事が一時的であったとしても無くなってしまったら、キャッシュが確保できていないというのはやっぱり問題です。
友人の経営者だって20人でやってる時でも別に問題はなかったはずなんですが、でも本当はもっと前の段階で問題提起していれば7人で回せるようになったはずで、ランニングコストも圧縮できたでしょうし、もっと利益が出せたはずです。
というわけで、たいがいは状況が悪くなって下がって来た時とか必要に迫られて動いてしまうというのが大半だと思いますが、あえて上手くいってる時にこそ問題を掘り起こして取り組むというのを試してみて欲しいなと思います。そうすればコストは安く済みますし、問題が起きた時の影響も軽微で済みますから。。。
もしビジネスが好調なのだとしたら、今が問題を掘り起こすチャンスですね(笑)
P.S.僕の経験からも業績が下がってからの対応は本当に苦しくなるので、ぜひやってみてください^^