戦略 2018/09/05

「サービスを無料にしていないか?」



リッチ・シェフレン

ナビゲーターの中谷です。


「これ以上はちょっと・・・」

本業の業務のついでにクライアントから「これってどうしたら・・・」と相談されて安請け合いをした挙げ句、中途半端に進めたところで割に合わないからと、断りはしないまでもクライアントと変な空気になることとかありませんか?例えばホームページの集客のお手伝いをしていて、チラシの方も手伝って欲しいと言われ、手伝っていたら思いのほか時間や労力が取られてしまって、

「これ以上はちょっと・・・」みたいな感じです。。。


正直こういうのって誰も得をしませんね。

まぁ、うち塾のメンバーやスタッフもたまにやってますが(笑)


サービスは無料じゃない


僕の会社がお客さんに提供しているのはホームページ制作、、、というだけじゃなくて、企業の悩みに対して色々とサービスを提供することが多いのですが、でもフロントエンドはやっぱりホームページ制作で、これを通じて色々と見つかった障害に対して、そこからどうアプローチしていくのかというのがお仕事になります。なので何かついでで行えるような業務だったとしても「サービスでやっときました」なんてことを言ってちゃいけない。。。

サービスというのは無料で提供するものだと軽んじている証拠なんじゃないかとあなたは感じているかもしれませんが、、、実は逆です。


付加価値はサービスにある


実際には、価値というのはサービスの方にあったりするもの。例えば、エルメスのバッグがあったとします。価格で言うと、ちょっとした乗用車が買えてしまうほど。でも、バッグとしての本質的な機能の価値を考えてみたらどうか?というと、恐らく数千円で手に入るような鞄と大差ないはず。。。つまり、物を中に入れて持ち運ぶというツールとしての価値は数千円程度しかないってことです。

では、何がエルメスのバッグの付加価値になっているかというと、、、革の質でも職人の工賃でもなく、顧客の扱いの方にあります。もちろん、革の質や職人の工賃だって馬鹿にはできないでしょうけど、それが車1台分の価格になるわけがないのは誰もが分かっていることだと思います。1人の職人がバッグ1点を最後まで手掛けるといったサービス、限られた顧客だけに案内されるといったサービス、そもそも手に入れるのが困難だという希少性を生むサービスが付加価値としてバッグの価格を上げてます。当然、エルメスの店舗という空間で接客されるサービスも含めて付加価値を高めているわけで、価格がバッグそのものの本質的な価値によって決まってるわけじゃないことですね。


サービスを無料で終わらせない


だから、僕たちもサービスを無料で終わらせていてはいけない。お客さんから「これもお願いしたいんだけど・・・」なんて言われた時に、自分が簡単にできそうだからといって、ついでに無料でやっているようではダメ。というのも、才能があったり経験があったり、あるいは知識があることによって自分が簡単にできることが、必ずしも他人にとって簡単にできることとは限らないからです。もし相手が簡単にできることなんだったとしたら、あなたにお願いなんてしてこないんじゃないですよね(笑)だとしたら、「サービスでやっときますね」なんてスタンスはすぐにやめた方が良い。


サービスに価格を設定しよう


もし、自分が簡単にできてしまうサービスに価格を設定する時に悩んだとしたら、大事になるのはコンペティティブインテリジェンスです。いわゆる競合情報分析なんて言われるものですが難しく考えずに簡単に言うと、同じサービスを他の競合がやるとしたらどれくらいの価格が必要になるのか、ということを知っておくのが大事です。すると、案外自分が提供できるサービスに高額な価格設定がされていることに気づくはず(笑)「え?マジでこんな価格で売ってんの?」と、ちょっとした怒りが湧くことだってあると思うのですが。。。あとは、自分の方が上手にできるからと価格を上げるも良し、お客さんを優遇するという意味で価格を下げるも良し、自社の戦略に応じてサービスを提供すれば良いと思います。


中途半端は誰も得をしない


最初にも言いましたが、安請け合いをしてついでで手を付けて、途中で「これ以上はちょっと・・・」なんて言うのは、誰も得をしません。依頼を受けた側としては金額的に割に合わないし、お客さんの側としては途中まで進めたものの、急にはしごを外されるようなものなので、損失だって発生するかもしれない。そうやって良かれと思ってやったことが皆を不幸にするぐらいなら、きっちりとサービスに付加価値を認めて、価格を設定する方が良いでしょう。。。


あなたは自分が簡単にできそうなことを「サービスでいいですよ」と無料で提供してたりしませんか?

もし時間を作りたい、もっと利益を出したいと思うのであれば、そういうところを修正した方が良いかもしれません。



P.S.クレームやお客様の不満はこの安請け合いをしたサービスの部分にある時が多いように感じます、、、気をつけてくださいね。


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