「顧客ロイヤルティの調べ方」
リッチ・シェフレン
ナビゲーターの中谷です。
先日、家族で出かけた時に
祇園にある米料亭のフルコースを食べてきたのですが、あれほど口で広がるお米の甘さを感じたのは人生で初めてでここ1年で食べた外食の中では圧倒的に1番美味しかった、、、「この度のサービスはどれぐらい満足いただけましたでしょうか?」というアンケートがあれば大満足でしたと答えるはず・・・
このお店ではありませんでしたが、こんなアンケートをホテルやレストランでよく見ると思うのですが、でもそんなアンケートの取り方じゃうまくいかないというのを知ってしまいました・・・。
「顧客ロイヤルティを高めてもムダ」
こう言ったのは、リッチ・シェフレンのビジネスパートナーの1人としてもおなじみのダン・ケネディです。お客さんは気まぐれで、たとえどんなにロイヤルティ(忠誠度)が高かったとしても、もっと良い条件の競合が現れたらスグにそっちに行ってしまう。だから、顧客ロイヤルティを高めようするぐらいなら、いかにお客さんを囲って競合から守るのかを考えた方が良いって言ってました。
まぁ、実際に僕だって、どこかの企業に対してロイヤルティが高いという自覚があるかと言われたら…そうでもない(笑)もっと良い物が現れたら、やっぱり浮気してしまう傾向にあると思います。
売上高成長率と高い相関関係がある
とはいえ、調べてみると、実際にはロイヤルティの高さと売上成長率の間に高い相関関係があるんじゃないかなと思うデータもある。Satmetrix社というところが行った複数の業界における400社以上の企業やブランドに関して、のべ15万人以上のデータを分析した結果、、、顧客ロイヤルティを表すとある数値は、特に航空業界の主要企業において5年間の売上高成長率との間に、相関係があることがわかったと。ちゃんと数字でも表されてたけど、ややこしくなるから割愛しますが、、、顧客ロイヤルティを表すとある数値と、売上高成長率は、めっちゃ関係があるから注意していこうねってこと(笑)
あと、この数値が業界のトップになると、売上成長率は競合他社の2倍になるらしい。。。
NPS®(Net Promoter Score®)
その顧客ロイヤルティを測る、とある数値というのをネットプロモーションスコアと言います。略してNPSです。。。
これは、アメリカ大手コンサルティング会社のベイン・アンド・カンパニー社のフレドリック・F・ライクヘルド氏がハーバード・ビジネス・レビューで発表して話題になった指標です。GEやアップル、レゴといった企業が有効性を認めたらしく、フォーチュン500に代表される企業の1/3以上が採用してるそうです。皆さんご存知のアメリカンエクスプレス、P&G、グーグルといった欧米企業も活用してるらしい。。。
ちなみに、色々調べてみると、日本の業界リーダーのNPSも公表されていて、ホテルで言うならザ・リッツ・カールトン、生命保険会社で言うならソニー生命保険会社、航空業界ならANA、ECサイトとかになると最近何かと話題なZOZOTOWNなんかも数値を見ることができます。
NPSの調べ方
というわけで、顧客ロイヤルティを測る指標であるNPSを知りたいとなってきたんじゃないかと思いますが(笑)、、、その方法は簡単。
冒頭で述べた「この度のサービスはどれぐらい満足いただけましたでしょうか?」で顧客ロイヤルティを上手に計測できない理由は、この質問では過去の情報しか引き出せないから。。。つまり、お客さんが満足したかどうかは、過去に対してのアンケートであって未来に対してのアンケートじゃない。簡単に言うと、今までは良かったかもしれないけど、これからは分からないよねって話になる。。。
じゃあ、どうしたら良いのか?ってことで、色々とフレドリック・F・ライクヘルド氏が相関関係の高い質問を探してみたところ見つけた質問がこれ。
「On a 0-to-10 scale, how likely is it that you would recommend us (or this product or service) to a friend or colleague?」
日本語に訳すと、
「0から10で表すと、私たち(製品、サービス)を友人や同僚に薦める可能性はどのくらいありますか?」
って感じ。。。これだと薦めるという行為は未来に対しての行動だから、より精度が高くなるって話です。
これによって出てきた数値を3つに分類します。9-10が推奨者、7-8が中立者、0-6が批判者です。
で、推奨者の割合-批判者の割合がNPSになるので、9-10が多いほど顧客ロイヤルティが高いってことになりますね。
NPSをどう活用するか
ここから先は色々な見方もあると思いますが、僕の意見として中小零細企業である僕たちができそうなことを挙げるなら、9-10の推薦者の声を拾うのが良いと思います。
なぜなら、この推薦者にあたるお客さんは、リッチが言うところのハイパーレスポンシブと同じで、顧客生涯価値(LTV)が他のお客さんよりも高くなる傾向にある。。。つまり、推薦者の人をリサーチすることで、より良い製品やサービスを提供できるようになるということです。
もちろん、批判者の人たちにリサーチをして問題や不満を解決するという手もありますが、、、リソースに余裕がないなら前者を選択するのがオススメです。
あなたがもしアンケートを実施していたりするのなら、このNPSというのを取り入れてみると良いかもしれません。きっと今までやってたアンケートよりも、売上に直結するデータが集まるはずです。
P.S.冒頭で出てきたお店を友人に紹介する可能性は完全に10ですね(笑)