マネジメント 2016/12/27

私の目標は、生きること

FROM:本郷卓也(GrowthU認定コーチ)


先日から仕事で滞在していたホテルが、ビーチ沿いだったので夕暮れ時になるととても綺麗な夕日を見に来る観光客で賑わっていました。夕暮れを境に、たくさんの露店が出てきて様々な商品が立ち並びます。

お土産品、マッサージ、ブレイズ(細い三つ編みが幾つもあるような髪形)、ヘナタトゥー(2、3週間で消えるタトゥー)、焼き鳥屋など本当に多くの商品、サービスで溢れかえります。またレストランの前では、ビーチサイドでの食事サービスが行われたりその横では生演奏が行われたり、綺麗な夕日を背景にとても素敵な光景が目に入ります。

その日、僕もビーチサイドでディナーを友人たち数人と楽しみました。
気持ちいい風に、生演奏、そしてビーチサイドを照らす照明が、何とも良い雰囲気です。

とても心地よくディナーを楽しみ、仕事の楽しさなど含めわくわくする今後の話で盛り上がっていると、僕達のテーブルに子供たちが来ました。彼らは 7〜9歳ぐらいで、タンクトップに短パン、裸足でした。その子供たちは、なんとセールスマン。つまり物売りだったんです。

手にしているのは幾つものお土産品みたいなものから真珠やオモチャみたいなものまで、たくさんです。

一緒にディナーを楽しんでいたある一人の友人が、オモチャを手に取り、少し遊んでみせ、気に入った様子でオモチャを買おうと子供たちに値段を聞くと、観光客値段にしても、あまりにも高い金額だったので断ることにしました。

すると、その子供はオモチャを買ってもらおうと、値引き交渉を始めてきたのでその2人の掛け合いを、僕は観察していました。値引き交渉の内容は、とてもシンプルでしたが子供にしては値段の出し方が、上手いなと感心しました。

結局、その友人は買うことを止めてテーブルに戻りまた今度、他のを買うからと挨拶を交わし、子供たちはまた他の観光客達に売り込みを始めていきました。

その光景を見ていた僕はとても、たくましい子供達だと感心していると友人がこんな話しをし始めました。ここの地域では、貧富の差が激しいらしく家で食べる1食あたりのお金が大きく変わるそうです。

裕福な家庭は、一人1食あたり3,000円〜
一般の人だと、一人1食あたり1,000円前後
そして最も安く済ませている人は、4人で500円未満だそうです。

なにより、その友人が4人で500円未満で過ごしているとの事で少し驚きました^^;
なので、ここの子供たちは小さいときから自分たちで、お金を稼ぐ為に観光客相手に、色々な事を考え、たくましく育っていると。

だから甘やかす事も良くないので、一人の人間としてちゃんと見て話して、交渉していたそうです。なんだか考えさせられる話だと、その友人の話に聞き入っていました。

そして食事を終えて、ホテルに戻るまでビーチ沿いを皆で歩いていると、とても素晴らしいサンドアートがありました。人集りが出来ていたので、僕達も寄ってみるとそのサンドアートに、小さいキャンドルを置いて観光客相手に写真撮影のサービスとして商売をしている子供たちがいました^^;

なんと感動するサンドアートも、子供たちだけで作り観光客相手に名前を聞いて、その名前をサンドアートに加え、キャンドルを置きサンドアートを背景に観光客のカメラで写真を撮り、お金を稼いでいるんです。

観光客の中には家族、カップルで来ている人達がいるのでせっかくの記念だからと沢山の人が写真を取り、お金を支払っています。

「なんて、たくまし過ぎる子供たちだ」
と驚きと同時に、心から尊敬の念を持ちました。


その子供たちの様子を見ながら、僕達は胸打たれるものがあるな〜と話していたのですがその彼らの目標は何だろうという話になりました。

しかし、考えるまでもなく彼らの目標は

「今日と明日の御飯代を、今日稼ぐ!」

ただ、それだけです。

とてもシンプルでしょう?^^;
でも、シンプルだからこそ、エネルギッシュでパワーも強いんです。

一切、ブレることもなく、そのシンプルな目標をひたすら達成し続ける。当然、彼らも昼間は学校に行き、学びます。
しかし、その学びは、稼ぐために英語を学び実際、観光客相手に英語で話し、稼いでいます。何をするにしても、その「稼ぐ」という目標を達成する為に日々、試行錯誤しています。

子供たちの目標は、本人達にしてみたらとてもインパクトある目標です。何故なら、達成するかしないかで御飯が食べられるか、どうか決まってしまいますからね^^;

生きるために食べなければいけないので、そのパワーは凄まじいです。今後、その子供たちの目標を少し角度を変えてあげると更に、たくましく育つのだろうなと思いました。


この話、僕達の仕事上での目標でも同じことが言えませんか?

会社でも、目標を決めて、実行していきますが多くの会社では、たくさんやる事があります。

当然、それらの事も目標に組み込まれてしまいがちなのであれもこれもとなってしまい、結局のところ目標を達成できるのは僅かなところで、なんとなく不本意のままで終わっていませんか?それであれば、一度あの子供たちのようにシンプルで且つインパクトある目標を決めてそれにフォーカスしてみては如何でしょう?

シンプルであればあるほど、大きなパワーが生まれると思います(^^)

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