マネジメント 2017/03/14

映画を見ながら出来るコミュニケーション訓練方法

FROM:本郷卓也(GrowthU認定コーチ)


僕が休日に、リフレッシュの一環としてやっているルーティンの中に、「映画やドラマを見る」ということがあります。先週末、ハマって見入ってしまったのが海外の証券業界の映画でした。

その映画では、主人公が終盤に掛けて、思考や感情の変化が激しくなり、苦悩していたところから成長していくシーンが、とても面白く描かれていました。また、こうした証券業界の映画に多く見るシーンとしてトランプ・カードを使ったギャンブルでの駆け引きがあります。

ギャンブルでの駆け引きは、手に汗握る雰囲気で
「主人公はどのカードを切るのか?」
「カードを切られた相手は、おそらくこう思っているかも?」
「自分ならこうするかな?」など映画に入り込んで、考えながら見ていると、とても面白いのです。

もしかしたら普通の人は、あまりそんなことを考えながら映画を見ないかもしれません。


でも僕は昔、心理学を学んでいくなかで、映画を見て、登場人物の行動や感情を客観的にみるという訓練をしていて、今でもそのクセが抜けていないので映画を見ながら無意識でやってしまいます。


その訓練をするキッカケになった話としては心理学を学ぶカリキュラムの中で、何名かでグループになり与えられた役割を演じて、現実に起きているような雰囲気で疑似体験をしながら学んでいく「ロールプレイング」という講義がありました。

例えば、
Aさんは、悩みを抱えている人の役
Bさんは、相談を受けている人の役
Cさんは、それを客観的に眺める観察役

というように、配役を決めて、AさんとBさんはその役になりきって会話をしていきます。


ここで重要なのは、Aさんの悩みを聞くBさんではなく、Cさんの役割です。


会話を観察する役のCさんは、Bさんになったつもりで観察することで、直接対話しているBさんと、客観的にその会話を聞いている自分とで、どんな感じ方の違いがあったのかをBさんにフィードバックするという大役です。


なぜこんなロールプレイングをするのか、分かりますか?


悩みを抱えている人と、相談を受ける人、2人で会話をしている場合、相談を受けた人が、悩みを聞いて感じた自分の意見を、一方的に告げているだけになっていることが多いのです。


上司と部下の会話で例えると、

部下:「実は●●で悩んでるんですが・・・」
上司:「それはさ、こうすれば良いんじゃない?」(自分の意見)
部下:「いや、でも・・・」(求めていた答えと違う・・・)
上司:「じゃあこうじゃない?」(自分の意見)
部下:「あ〜・・・そうですね・・・分かりましたやってみます・・・
   ありがとうございました」(この人は分かってくれない・・・)
上司:「いいえ!また何かあったらいつでも言ってね!」(いい事言ったな俺!)
部下:「あ、はい・・・」(もうこの人には相談しない・・・)

というように、この温度差に気づかないのです。


でも、Cさんの立ち位置で、1歩下がって会話を観察すると、Bさんが発言した時のAさんの反応を見て、

「あ、今の言葉は、Aさんにとって的外れな会話になっていて、Aさんは理解できていない(伝わっていない)な・・・」

とか、

「Bさんは、そのことに気づかず、1人でずっと自分の意見を話しているな・・・」

とか、直接会話をしている本人が気づかないことを客観的に観察をする訓練をすることで、相手が本当は何を求めているのか、何を伝えたいのかに気づけるようになるのです。


これを自宅でも訓練するのに、映画を見るのがオススメと言われただでさえ映画好きなのに、更に沢山の映画を見るようになりました^^;


対話している自分や相手も含めてその会話自体を、客観的に見られるようになると何を相手に言うのが良いのか、判断し易くなります。


そうして適切なフィードバックが出来るようになるんです。


客観的に会話を眺めてみる。
実は、こうしてコミュニケーションの仕方を訓練することが出来るんです。

無料セッションをさせて頂いている中で
多くの方が、「人」に関する悩みや問題を抱えられていると感じました。

そして、その多くはコミュニケーションの方法ひとつで変化させられるとも。

話しているのは相手なのか自分なのか?
冷静に「反応と刺激の隙間」を理解することで適切な感情カードを出し、相手とのコミュニケーションをより良くすることが可能になります。

今度、映画を見るときに試されてみては如何でしょう(^^)

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