記憶力を高める方法
人の名前や誕生日、人と会う約束、鍵を置いた場所など、決して忘れない記憶力があったらいいと思わないだろうか?
マウントサイナイ医科大学の記憶力強化プログラム創設者であるシンシア・グリーンによると、喜ばしいことにあなたもそんな記憶力を持つことができるそうだ。著書『Total Memory Workout』(邦題『脳を鍛える!‐ボケないための8つの習慣』)の中で、グリーンはストレスや睡眠不足、加齢が原因で記憶力が低下したとしても、正しい方法でトレーニングするだけで記憶力を高めることができると書いている。
グリーンが勧める方法
第1に、記憶力を良い状態に保つことだ。つまり、睡眠を十分に取り、過剰なストレスを抱えないようにして、前向きな精神状態を保つようにしよう。
第2に、記憶の3つの過程において、記憶力アップにつながる習慣付けをおこなうことだ。その3つの過程とは、
1. 習得する
2. 格納する
3. 引き出す
習得の段階では、基本的にどれだけよく注意を払うかということが大事だ。物忘れの大きな原因は、初めにきちんと記憶できていないことがほとんどである。しっかりと注意を払うためには、
・時間をかける
・質問をする
・言われたことを繰り返す
・後で要約する
・関連付けをおこなう
これらの基本的な方法に加えて、ちょっとしたコツで、あなたの脳内長期メモリに記憶を刻み込むことができるようになる。そのテクニックとは、
・記憶する物事のリストを視覚的な絵と関連付ける
・物語を作って考えをまとめる
・韻を踏む
・頭字語を作る
・3つまたは4つの物事を1つにグループ化する
・物事を分類する
そして、グリーンはスケジューラーやマスタープラン、やることリスト、週ごとのまとめやメモ、「絶対に忘れない」場所、備忘録や万年暦など、物事を覚えておくのに役立つ物理的なツールを使うことを推奨している。彼女はこれらの役立つ道具を使うことは実用的なだけでなく、効率的であるとも主張している。覚えておかなければならない情報は、たいてい短期的に必要な情報でしかないことが多い。だから、長期的な記憶としてしっかり記憶する(これにはもう少し余分に時間がかかる)のではなく、ただそれらを書き留め必要なときに調べればよいのだ。
しかし、書くという行為によって、記憶はより恒久的に残りやすくなる。何かを書き留めたり、読んだり、手書きメモを持ち歩いたりという物理的な行為は、脳に記憶を刻み込むことに大変役立つのだ。
ヒント:記憶力を高めるための最も重要な秘訣は、あまり欲張って多くのことを覚えようとしないことだ。実際、覚えておく価値があると今日思ったことも、1週間もたてばそこまで大切なことではなかったと思うようになる。だから、一度に覚えることは、1つだけのビッグ・アイディア、事実、数値などに集中したほうがよいだろう。それだけを覚えて他のことは忘れてしまおう。
あなたが誰かと初めて知り合ったとき、もちろん名前を覚えておきたいと思うだろう。それならば、どこに住んでいるか、何の仕事をしているかなど、その人についての関連事項も一緒に覚えておくといいだろう。しかし、あまりに欲張っていろいろな情報を覚えようとしてしまうと、全部忘れてしまうかもしれない。
習得したいことによく注意を払うという習慣(時間をかける、質問する、要約するなど)を身につければ、記憶力がひとりでに改善されていくことに気が付くだろう。日がたつにつれ、何年もの間忘れていたいろいろなことを、簡単に思い出せるようになるに違いない。
記憶力が良いからといって、必ずしもそれが成功に結び付くわけではない。しかし、他の能力に加えて良い記憶力を備えておけば万全だろう。頭脳明晰で注意散漫なタイプが好まれる分野もあるが、頭脳明晰できちんとしていると思われたほうが成功につながる可能性が高いのだ。
マーク・M・フォード
Presented by インベストメントカレッジ