物事が思いどおりにいかないときはどうすればよいか
契約を取り付けたクライアントが突然キャンセルしたいと言ってくる。
昇進を約束されていたのに話が流れる。
約束の期日を過ぎたのに、配管工事は何も進んでいない。
物事が思いどおりに進まないと、本当にイライラするものだ。でも、そんなふうにならずに済む方法がある。最初から、「もし計画どおりにいかなかったらどうするか」という別のプランを用意しておけばいいのだ。
普通、代替案は2番目の選択肢であることが多い。しかし、その方が結果的には良かったりするのだ。
例えば、今年のクリスマス休暇はロンドンで過ごしたいと思い、旅行の予約手続きを進めるとしよう。その際に、もしも何かの理由でその計画が流れてしまったらどうするか、ということを数分かけて考えておく。「何かいつもとは違う面白いやり方で、自宅でクリスマスを祝う」というのも、ロンドンと同じくらい楽しめるかもしれない。
昇進の話が白紙になってしまった日は、あなたを誘ってくれていた会社に電話をかけて、「ぜひその話を受けさせてください」と伝えればいい。
日常生活のパターンが思いがけず狂ってしまったときにも、このやり方は有効だ。
あるとき、私は膝を痛めて手術を受けた。そのため2週間は動くことができず、柔術の練習も6ヶ月休むことになった。私のようにスケジュールが詰まっている人や、習慣を崩したくないタイプの人にとっては、大きな痛手になっただろう。でも私は以前のけがの経験から膝の手術を受けるかもしれないことを分かっていて(だから回復にかかる期間も分かっていた)、そうなってもがっかりしないように代替案を立てておいたのだ。
2週間ベッドで寝ていたときの代替案は、(強い鎮痛剤を使っていたので本格的な仕事をすることはできなかったので)それまで見逃していたり、1度しか見ていない映画をまとめて見ることだった。そして、柔術を6ヶ月間休んでいる間は、故障していた肩と腰の静養に努めたのだ。
映画を見るという計画は、順調に遂行することができた。1日2~3本の映画を見たので合計では30本以上になり、見たかった本数を達成することができた。それから、2週目はデスクの隅に置きっぱなしになっていたビジネス書を数冊読む時間を作った。けがで落ち込んで打ちのめされるどころか、療養期間の初めのころはとても気分良く過ごせていたのだ。それは長い間、私がやっておきたいと思っていたことを実現できたからに違いなかった。
6ヶ月間の活動休止期間は大変でもあったが、よりやりがいのあるものだった。道場には行きたいときには立ち寄り、時々は指導を手伝ったりした。しかし、膝の状態が良くなるにつれ、もう二度と練習ができないのではないかとイライラすることも多かった。
結局は3年かけて肩と腰のコンディションを整え、柔術の訓練を再開することができた。再開後は、ここ数年では初めてけがの心配をせずに(年は取ってしまったが)競技を楽しむことができ、精神的にはとても楽だったのだ。
あなたも5分間かけて自問してみてほしい。
・将来の自分のキャリアをどのようにしたいと思っているか?
・もし思いどおりにならなかったらどうするか?
もし代替案がなかったら、ぜひ用意してほしい。そして、その案はあなたの気持ちが前向きになれるプランでないといけない。そのような案が思い浮かばなければ、もう少し時間をかけて考えてみよう。時間をかけて考えれば考えるほど、あなたにとって魅力的なプランになるはずだ。
それから思いがけず時間ができてしまったときのために、いつもやりたいと思ってきたことをリストアップしておくといいだろう。小説を書きたいと思ったことはないだろうか?家系図を調べたり、長年学ぶ時間が取れなかった外国語を勉強したりしてはどうだろう?サルサを習うのも悪くない。
あなたの夢がどんなものであれ、これまでやりたかったことについて、またそれをいかに実現するかについて考える時間を持ってほしい。時間をかければかけるほど、わくわくした気持ちになるはずだ。
プランがまとまってきたら、実現したい「夢」のリストとして書き起こし、あなたの目標と課題が書いてあるノートの近くに置いておこう。そうすれば、あなたをがっかりさせるような一大事がいつか起きても、そこからあっという間に立ち直れるはずだ。
マーク・M・フォード
Presented by インベストメントカレッジ