本当の「自分」を知って成長する
社会的に「あなた」は常に監視されている。雇用主やクライアントはあなたの仕事ぶりに目を光らせているし、配偶者や子供はあなたに期待どおりに振舞うよう求める。責任感の強い人なら非難も真摯に受け止め、期待に沿うため努力するだろう。
しかし、本当の「自分」はどうだろう？誰も見ていないときの「あなた」のことだ。そしてもっと重要なのは、どんな人になりたいのかということである。
身体的、精神的に健康であることはもちろんだが、家族を養ったり、良い親、兄弟、市民でいることは、あなたの重要な義務だ。しかし、知的、かつ精神的に自分を高めることはさらに大切なのだ。
そのためにはもっといろいろなことを発見し、関心を持ち、理解し、楽しむ必要がある。
数ヶ月前、ゲーテの素晴らしい言葉に出合った。完璧な日とはどんな日かを述べたものだ。
＊絵画を鑑賞する
＊詩を丁寧に読む
＊充実した会話に参加する
これらをあなたの目標にしてもいいだろう。人間性を高めてより人生を楽しむために、毎日数分でも詩を読んだり、絵画を見ることを強くお勧めする。
心から楽しめ、繰り返し読める詩人を2、3人見つけるといい。私のお気に入りはロバート・ペン・ウォーレンとエドナ・ミレイ、そしてウィリアム・シェイクスピア（ありきたりだが）だ。
あなたのお気に入りの詩人が決まったら、その詩人の傑作集を買い、手の届くところに置いておこう。私の場合は机の上のタスクリストの横だ。
そして、日中のふとした瞬間に（日によって時間はさまざまだ）本を手に取り、椅子にもたれて詩を楽しむ。
絵画でも同様だが、複数の画家の作品がまとまった画集を何冊かサイドボードに置いている。たまに画集をパラパラとめくり、気になる作品が目に止まったらそれを5〜10分ほど見つめるのだ。
私は日記に絵画や詩のことを書き留めていて、時には自分なりの解釈を加えることもある。芸術を学問的に学ぶというよりは、絵画や詩に対する直感的な審美眼を養い、洗練された人間になることを目的にしている。詩や絵画をたしなむことは楽しく、どんな「勉強」よりも深くて価値のある感動を与えてくれるのだ。
芸術に興味がないなんて言わないでほしい。誰でも詩や絵画を楽しめるし、日々鑑賞することによって興味が深まるはずだ。
だから詩や絵画から始めるのがいいだろう。これ以上にあなたの個性を高め、人生を豊かにする方法があるだろうか？
他にも私が試したことをいくつか紹介しよう。
1. 外国語を話す
外国語を話すのは楽しい。最重要事項を1日10分学ぶだけで、比較的早く基本的な会話が可能になる。最重要事項とは、よく使う動詞20語の基本活用（過去、現在、未来）、すべての基本的な副詞、接続詞、冠詞、500〜1000語の名詞と形容詞だ。
2. 新しいダンスを学ぶ
社交ダンスなら1日10分の練習で十分に踊れるようになる。
3. 知的なことを話す
話す力を高めるには（a）役に立つ新しい単語を身につけ、（b）話す前に考える練習をし、（c）毎日有益な情報を吸収することが重要だ。
4. 文章を書く
小説やショートストーリー、脚本を書いてみよう。初めは日記やエッセイ、詩でもいい。週に3日、15分しか時間が取れなくてもやるべきだ。文章力に加え、思考力やコミュニケーション能力を高めることができるので見返りは大きい。
5. 趣味に没頭する
インターネットでチェスのゲームをしたり、eBay（イーベイ）でコレクションに加えるアンティークのライターを探すといった趣味を持とう。趣味があれば個人的な時間を有意義に過ごせる。そして、趣味が知的であるほど充実の度合いは上がる。
6. 面白いものを読む
科学的なレポート、哲学的なエッセイ、社会学的論文、政治のパンフレット、経済分析、映画レビューなど何でもいい。
7. 瞑想する
宗教の域までいかなくていい。生きていることや恵まれていることに感謝し、自分を取り巻く世界を考えながら数分過ごす。深く息を吸ってリラックスしよう。
8. 音楽を聴く
音楽に対しては純粋な気持ちで接するようにしている。どのような歴史やムーブメント、議論があるのかは詳しく知らないが、音楽は人生に不可欠で、体が栄養を必要とするのと同様に、音楽によって心が満たされることを理解している。
9. 歌を歌う
10. ジョークを言う
私の兄は、人は慣れないことに挑戦すると精神的に成長すると言っていた。上記の項目を読んでアイディアが浮かんだら心に留めておこう。
人間性を高めるために、多くの時間は必要ない。1日30分がベストであり、1時間だと多いくらいだ。1年続ければかなりの進歩が見られ、2〜3年で（もっと短いかもしれない）あなたは見違えるはずだ。
オスカー・ワイルドはこのようなセリフを残している。「私は友人をより面白い存在にするために酒を飲む。友人に酒を飲ませてはいけない。自分自身が楽しくなれば世界中がもっと面白くなるはずだ」
マーク・M・フォード
Presented by インベストメントカレッジ
