学習スピードを高め、完璧に習得する方法
何事でも完璧にマスターできる方法をご紹介しよう。
何かを練習するときに、間違えた方法でしてはいけない。完璧になりたければ、正確な方法で練習するのだ。
極意をお教えしよう
これはギターを極めた人の話である。私はTHという、ブルースギターがとても上手な同僚から話を聞いた。彼は20年前、伝説的なジャズ・ギターリスト、ハワード・ロバーツが主催する小セミナーに参加したそうだ。そのときロバーツはTHに、ギターの極意を教えた。それは、「決して間違えたことを練習してはいけない」ということだった。
ロバーツによると、ほとんどのミュージシャンは難しい曲に挑戦したがり、焦って習得するそうだ。そして、ロバーツがミュージシャンとして成功した秘訣は、完璧に弾ける曲だけを練習することだった。
ロバーツの理論では、ギターを学ぶことを含め何かを学ぶということは、脳内の神経ネットワークを作り出す生物学的プロセスなのだ。そして、正しい方法での反復練習は、習得に必要な神経回路を作り出す。つまり、その回路ができてしまえば、何度やってもうまくできるようになる。一方で間違えた方法での練習では上達できないばかりか、誤った神経回路を作り出し、学習プロセスから外れてしまう。
正しい方法で練習すればするほど、神経回路の記憶に深く刻まれる。習得する秘訣は、できるだけ正確な神経回路を脳内の深いところに作り、誤った神経回路は作り出さないことだ。
人は早く課題をこなそうとすればするほど、ミスをおかす傾向がある。それを完璧にこなせる人がいるなら話は別だが…同様に、ストレスや、ほかの課題がいくつもある状態で取り組もうとするときも、あなたが普通の神経回路を持つ限りは失敗しやすい。
ギターの生徒で多い問題は焦ってしまうことだとロバーツは言っていた。彼らは上手に弾くことよりも、課題を終えることにこだわる。早く弾けるようになるのがいいことだと思っているのだ。しかし真実はまったく異なる。
私が柔術を練習するときも、同じような間違いをしている。新しいことを手早くマスターしたいタイプだからだ。ゆっくり確実に学ぶのではなく、早く習得したいと思ってしまう。そして、結果はどうかというと、完璧に学ぶことはできないのだ。
すばらしい柔術家のBWは、私に時間をかけて学べといつも言ってくる。私がせっかちなのを知っているので、そう助言してくれたのだ。今ならその理由がわかる。
どんなことでも完璧に練習する方法
学ぶ必要があるものは、たいてい複雑である。だからこそ部分的に練習するのだ。ギターであろうが、ダンスであろうが、公衆の面前でのスピーチであろうが、根本的には簡単な課題が複雑に集まったものだ。
したがって、完璧なパフォーマンスをするためには、一つ一つの課題を完璧にこなしていく必要がある。たいていの学習システムは、この考えのもとに作られている。
たとえ小さな課題だとしても、万全にこなすには時間をかけて習得する。完璧なパフォーマンスをするためには、たっぷりと時間をかけるべきなのだ。
時間をかけて反復練習したとしても、学習プロセスが長くなるわけではないので安心してほしい。必要な神経回路を脳内で作り出しているので、むしろ早く習得できるようになる。時間をかけて学習したからといって、習得に失敗するわけではない。
基本的なルールは以下のとおりだ。
「何かを習得するときは、毎回正しく練習すること。」
そうすれば早く身につき、良いパフォーマンスをすることができる。何かを極める秘訣は生まれもった才能ではなく、正確に練習しようとする意識がおおいに関係しているのかもしれない。
これは成功のイメージングとも関係あるのではないだろうか?
つまりイメージングで反復練習の質を視覚的にもあげるのだ。
あなたは目標を達成する秘訣を知っているだろうか。ライターとして評価されるまでに1,000時間、マスターになるには5,000時間かかる。しかし、しっかりした指導を受ければ、その時間は短くできるのだ。それはつまり、完璧なやり方を教えてくれる人があなたにいるということだ。正確な方法を学んで完璧に練習することで、どんな課題でも相当の時間を短縮できる。
私がこれから何かを習得しようとするときは、時間をかけて正しく練習することを心がけようと思う。しかし、その時間が15分しかないときは、時間をかけて多くの反復練習をしようとはしないだろう。その代わりに、たとえ短時間でも、できるだけ完璧な反復練習をしていくのだ。
マーク・M・フォード
Presented by インベストメントカレッジ